あるご婦人から相続に関する相談を受けました。
最初に聞いたときには意味不明でしたが、よくよく聞いてみると、話の内容は次のようなものでした。
家族関係は、母親と長男を含めて数人の子です。相談者は長男の妻です。
「父親が亡くなって、母親と子供たちで話し合いをして財産を分けた。まだ、母親は元気だが、先々母親の財産についても兄弟で分けないといけないのか?夫(長男)は、すでに財産分けをしたんだから、再度の話し合いは必要ないと言っている。夫(長男)は、母親の財産は自分が貰うとも言っている。それで良いのか?」
つまり、父親の相続財産につき遺産分割協議をしたのだから、それを相続した母親の財産については、遺産分割協議は不要だろうという長男の意見です。
私は思わず「ええ~!!」と言ってしまいました。そして、一般の方々の発想が全く違う次元であることを改めて感じ入りました。
私は、「それは全くの間違いであって、母親の財産については遺言が無ければ、改めて遺産分割協議が必要です。」と答えました。
30年司法書士をしていて、こういう質問は初めてでしたが、良い経験になりました。
考えてみれば、専門家には当たり前で話題にも上がらないことが、専門以外の人には分からないことってよくありますよね。今後の参考にしようと強く思いました。