白血病闘病記は(1)で一旦終了します。

白血病闘病記(2)「再発編」は、後日掲載予定です。
少しの間、撮り溜めた写真をアップしていきます。

入院最初の朝。

2021-05-21 15:47:35 | 日記
  2017.03.22

   目が覚めた。いつもと違う。

   背中に当たる感触と枕の感じ、天井が違う。

   寝返ると何かが当たった。

   一瞬でベッドの上だというのはわかった。

   おぼろげに昨日の入院手続きのことが浮かんできた。

   (そうか、自分は昨日から入院したのだ!)

   (それで病院のベッドで寝てたんだ! ん? 入院? 何の病気で?)

   だんだんと頭が冴えてきた。

   完全に目覚めた時は少し体が震えた気がした。

   (白血病になったんだ......)

   白血病......

   日記を書いているこの瞬間でも、この文字を入力すると

   本当にこの病気は自分が患ったのだろうかと思ってしまうくらい

   自分には縁の無いできごとなのだろうと当時は思っていた。

   事前に伝言があったようで(本人は覚えていない)

   看護師さんが検温と血圧の測定に部屋に入ってきた。

   ここの部屋の担当看護師さんだ。

   不安しかない自分はここぞとばかりに質問をした。

   病名宣告後、最初に掛かった市大病院の先生にした質問の時と

   同じ事をしていた。

   ただ看護師さんだけあって、言い方が優しく、耳にソフトに入って

   くるので安心できた。

   PM1:30 これから始まる治療の前処置として、右の首あたりの

   静脈から、10cmほどのカテーテルを挿入する。

   副主治医の指が、右のえら顎辺りから鎖骨を何回か往復する。

   指が止まり位置を確認する。

   続いて周辺に麻酔を打つ。

   麻酔はすぐに効いてきたのか、痺れてきた。

   いよいよ挿入なのだが、本人にはそれがどんなものなのか見えない。

   仰向けの状態で体を動かすことができないのだ。

   一点天井を見つめるだけである。

   先生の表情も助手看護師さんの表情も見ることができない。

   声だけを頼りに聞き耳を立てるが、話の内容が入ってこない。

   何が始まるのだろうという不安でいっぱいだ。

   その時、副主治医が突然

   「では今から管を入れていきます。最初少し違和感がありますが、
   すぐに無くなります」

   (最初の違和感? すぐに無くなる?)

   首に、小さく何か硬いものが当たった。

   次の瞬間、痛みというより、何かが皮膚を突き破って体内に

   入って行ってるという感覚があった。

   少し押しますよ。と先生。

   (少し押す?)

   わけがわからないまま体を預けていると、首をグッと押される感覚

   があった。

   次に、エコーの時に使用するような機械で、カテーテル挿入部周辺を

   検査し、正常に挿入されているかを確認した。

   ほどなく助手看護師さんが処置の為の消毒、挿入部に保護テープを

   貼って、一通りの処置は終了した。

   1時間程処置室で休み、病室に戻った。

   部屋に戻ってから少しの間、放心状態だった。

   何かを首に埋め込まれた経験は今だかつて無かった。

   (当然普通は無いのだが)

   副主治医の言う事には、確かすぐに違和感は無くなると言っていた。

   思いっきり右首全体が石の様になっていた。

   首が回り切れない。

   どの位置に持ってきても違和感満載だった。

   え? この状態のままこれから過ごすのか?

   この先どうなって行くのだろうか。

   そう思うと何とも言えない気持ちになった。


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