2017.03.23
朝、おぼろげに目が覚めた。
寝返りを打とうとすると右首に違和感と痛みが。
時計を見るとまだ6時だ。
名前を呼ばれる。
こんなに朝早くからなんだろう。
「採血で~す。」
そうか、そう言えば昨日言ってたような…
寝起きの体にその看護師さんは、躊躇なく針を挿入する。
今まで注射というものは何度か経験をしてきたが、
これほど無抵抗の状態で打ったのは初めてである。
痛!一瞬で目が覚めた。
何本か採血すると、「終了で~す。」と、おもむろに立ち上がり
病室を出て行った。
無理やり起こされた感がありまだ体がシャキッとしない。
ほどなく、担当看護師さんが血圧測定と検温に来てくれた。
数値も特に問題はなく、右首のそれ以外は至って体調はいい。
事前説明の通り今日から点滴治療の開始だ。
これには事前にスケジュールが組まれていて、日程表も貰っていた。
この日から1週間の予定で点滴による化学療法が始まる。
寛解導入療法といい、薬剤2品を1週間かけて投与していく。
最初の3日間は イダマイシン、キロサイドという薬剤を
同時投与する。
イダマイシンは1日30分を3日間、キロサイドは24時間を7日間。
右首にカテーテルを装着したのは、静脈の流れが速く、より心臓に
近い状態で安定して投与できるからで、これが腕に装着した場合だと、
寝返りを打った時などに外れてしまう可能性があるからだ。
主治医からはその説明はあったものの、どこか心に引っ掛かりが
あった。
寝るときはカテーテルを外したら、楽な格好で寝れるのではないか。
寝返りを打っても何ら支障は無いのではないかと。
その勝手な解釈はものの見事に崩れ去り、もう一度説明事項を
確認した時にそれを確信した。
これから1週間、つけっぱなしなんだと…
いま思い出しても過酷な1週間がこの日から始まった。
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