白血病闘病記は(1)で一旦終了します。

白血病闘病記(2)「再発編」は、後日掲載予定です。
少しの間、撮り溜めた写真をアップしていきます。

完全寛解と新鮮な病棟

2021-07-07 16:00:32 | 日記
 2017.04.17

  「やっと部屋から出られる! 」

  血小板の値は400,000 正常値よりも多いくらい。

  白血球、好中球数の値も正常値に近づいた。

  赤血球は徐々に増えている。

  完全回復するとあらゆる菌に対しての抵抗力が回復するため、

  部屋から出ても問題はなくなる。

  出禁状態から3週間、この部屋の扉を自ら開ける日が来るのかと思うと、

  嬉しくてしょうがない。

  初期段階の寛解導入療法による1週間の抗がん剤連続投与で、白血病細胞

  を徹底的にたたき、顕微鏡で見てもその細胞が見えない状態(完全寛解

  という)にまで持っていき、さらに潜んでいる可能性がある白血病細胞

  をたたく為に、地固め療法という治療に入る。

  寛解導入療法のみだと一旦は消えて無くなったように見えた細胞が、再び

  活動を始め血液細胞を破壊していくのである。

  抗がん剤で一度ダメージを受けた体が、回復したのも束の間に、

  1回目の地固め療法に入るのだ。 (合計3回実施)

  その後の採血結果が良好であれば、さらに骨髄穿刺をしてその結果

  次第だ。

  結果は良好で、完全寛解だった。

  主治医からその言葉を聞いたときはとても嬉しく、このまま治っていく

  のかなと思い胸を撫でおろした。 

  無菌室が解除になった。

  久しぶりに部屋の扉を開けた瞬間、廊下に出て一歩を踏み出した瞬間、

  病棟の廊下の雰囲気、空気、すべてが新鮮な感じがした。

  遠くにナースステーションが見える。

  看護師さん達の元気な会話が聞こえる。

  売店などフロアー以外には行けないが、体が少し浮いたような変な感覚

  だが一歩一歩歩くことがとても嬉しかった。

  いまから考えるとこの時が本当に束の間だったんだなと思えた。

消えた芽球、そして次の治療へ…

2021-07-03 17:10:15 | 日記
 2017.04.10 夕方

  「芽球は消えています。」

  主治医の定期健診で判断されたことだ。

  今までの幾度かの血液検査の結果を、その都度プリントアウトをして

  説明をしてくれていた。

  分かりやすく説明をしてくれるので、いつも頭に残り自分のその日の

  状態を把握することができた。

  この日も結果を見ると、芽球(Blast)の数が、わずかに残っていた。

  疑問が湧いてくる。

  検査結果に数値が現れているのに、なぜ芽球は消えているのか。

  なぜ先生はその判断をしたのか。

  「もし、芽球が消えてなければ、白血球、赤血球等の数値が上がらない」

  「しかし、白血球、赤血球の数値が上がって来ているので、問題はない」

  白血病細胞の赤ちゃんである芽球が血液中に存在していれば、悪さを

  して、白血球、赤血球を攻撃しているだろう。

  攻撃され死滅していくと、それぞれの数値は下がってくるが、今回

  上がって来ている。

  検査結果として数値に現れたのは、一旦白血球が ”0” になり、新たに

  生まれかわる時に出現する普通の若い細胞(芽球)である。

  (健常者の血液検査では、この芽球Blastという項目すら存在しない)


 2017.04.14

  前回の結果で気分が晴れやかになっていた。

  白血球の数値は順調に回復している。

  血小板は正常値に戻った。

  好中球数は1000を超えていた。

  このまま順調にいけば次の週には完全回復する。

  体が健常者に近い状態に戻るのだ。

  ただこれはほんの初期段階で、ここからが本当の辛い闘いなろうとは

  この時本人はまだ知らない。