…すると、見えない神様は翠さんに、しばらくエディの所へ行くなとおっしゃった
そして、次の丸一日行かないようにさせられた
エディにとっては長い時間だったのかもしれない
彼は天使(ロリエルという呼び名)に会いたくて、いらいらしていたようだ
…それから、やっと神様は翠さんに行ってもいいよとおっしゃった
翠さんはエディが次にどういう態度をとるのか気になったが、行くしかない
…到着していつものように、バンザイをして幽体の両足先から窓を抜けて部屋へ飛び降りると、既にエディが待ち構えていて、受けとめようとした
翠さんは嫌そうに、彼の腕から抜け出た
エディはやはりあきらめられなくて、彼女の腕をつかみ、話しかけてきた
彼女は彼の魂を救いたいが、かと言ってそのような理不尽な要求に応じられるわけがない
もはや夢遊状態のようになっている彼と相対しつつ、翠さんは心で懸命に、「神様、どうぞこの人をお救い下さい……」と、何回も祈っていた
エディは天使の彼女が抵抗しなくなったので、好意を抱いてくれていると、勘違いした
だが、彼女の幽体の目からは、悲しみの白い気の涙があふれ出て、唇が震えた…
彼を助けたいが、自分は本当は人だし、これ以上の好意を与えられない、応えられない、という意味だった
…神様……、どうかこの人をお救い下さい………、どうかお願いです………
「ロリエル?」
陶然としたエディは彼女の涙の意味がわからず、うれしそうに笑って彼女を見た……
彼女の目は涙でにじんで、エディの姿が半分見えにくくなった……
と、その時、彼女の憐れみと博愛と、全力の自己犠牲の気持ちが最高度に高まり、彼女の丹田から、再び神様の愛の気が半球状に1m近くふくらんで前にせせり出、エディはそれに押し返されて、うわーっと叫び数m後ろに倒れた
そして、気を失った
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