大方彼女の???あのジンナイって言うお金持ちの親父あたりがわざわざここまで迎えをよこした?なんてことなんだろう。
それにまあおそらく???と言うか美股期貨あの世界へわたしと一緒に行くことで彼女の役割り?みたいなものはそれなりに果たされたような気もするし。
なんてその辺のところは、わたしとしてもこの段階では全くと言っていいほど定かではなかったのだが。
そんなことよりも今、このわたしは次に何をしなければいけないのか?
少なくとも何か???、すぐにでも行動を起こさなくてはならない。
そんな強迫観念にわたしはせき立てられていた。
そうヒカルに言われ、わたしはこの海岸に以前来たことがあるのを思い出していた。
この記憶はおそらく???、そうか、多分この世界でのわたしの記憶にちがいない。
この海岸には確か2年前の同じ日、確か同じような時間に。
そう、確かあの日も春分の日の夕暮れ時だった。
わたしはこの久高島のカブールと言う浜辺に来たのだ。
そしてあの時???、とわたしが思った瞬間だった、わたしの目の前の砂浜の表面にもうひとりの人間の影が揺れるようにしながら伸びてくるのがわかった。
ナオキ?
それに???ヒカルさんね?」
そう言ってそこに立っていたのは、(今いるほうではない)あっちの世界では死んだはずのあのニカイドウミクだった。
み、ミク?
き、君がまた???な、なんでここに?」
ええ?
あ、あたしdermes 價錢は???、一昨年の春分の日以来、この日には毎年ここにくることにしてて。
ああ、で、でも、その理由は???このわたしにもよくわからないんだけど」
そう言って一瞬うつむいたミクは、再びすぐに顔をわたしの方に向けてこう続けた。
ねえ、ナオキ?
フィオレンテって???、な、なんのことだかわかる?」
ふぃお?ふぃ、フィオレンテ?
い、いや。
なんのことだか???」
そう。
それが???、ああ、その言葉がね、なんだか今日は朝から頭から離れなくて。
でも今ナオキに会って、それはきっとわたしがあなたに今日伝えなければいけない言葉なんだって???、そうさっき確信したんだけど」
とミク。
俺に伝えるって?
意味がわからないなあ」
ねえ、でもそれって、何処かの場所のことじゃないかな?」
とヒカルさんがすぐにそれをフォローする。
場所?
地名ってことか?
で、でもそれ、日本なのか?
その響きから言って何処か外国のような気も???」
と、いきなりミクが改めて話題を変えようとするかのようにこういった。
でまあ、それはいいんだけど???、もしかしてあなたたちふたり、1時間前のニュース、聞いてない?ってことなのかな?」
ニュース?
っていったい、な、何か、あったってこと?」
と訊いた時点でわたしにはそれがとんでもないことであるだろうことは、なんとなく直感的に予想することは出来たのだったが。
だだ、それがまさか?
首都圏に直下型の地震が襲ったのよ、マグニチュード8.0???、って言ってたかな。
そう、だから今、トウキョウは大変なことになっているわ」
な、なんだって!?」
とわたしとヒカルは放心したような表情でお互いの顔を見合わせた。
そしてわたしはすぐに、そうか???、ってこれはあくまでもこの世界での話ってことで。
つまりわたしたちがもといた所のあっちの世界のことではない???、そう何度も自分に言い聞かせようとしていた。
それからわたしたち3人は、(ミク以外の)こちらの世界の自分たちが泊っていたであろうところの民宿SAKIへと徒歩で戻った。
わたしと(ユナであるところの)ヒカルは、歩いている間に段々とこちらの世界での記憶を脳内に折り重なるようにして回復してきており、どうやらこの久高島へは例のタイガーアイラウンジ3人トリオの沖縄慰安旅行にふたり便乗しての参加だったらしい。
どうやらこちらの世界でも、沖縄へのフリーチケットは彼ら3人向けに送られていたようだ。
わたしたちが民宿にたどり着くと、その玄関前に立っていたナカバヤシ、マキ、トオルの3人がいつになく深刻な表情でこちら側の3人を迎え入れた。