豆腐はやはり豆腐屋のオヤジさんが朝早くから手造りしたものに限る。しかしてそう遠くないうちに、豆腐職人がほぼ絶滅しているであろうことは想像に難くない。いわゆる職人仕事の中でも豆腐造りは割に合わない部類に入るからだ。
大豆は柔らかくなるまで長時間水に浸し、砕いて豆乳になったら絞り、濾過したのち容器に入れて固める。大変な重労働だ。だからこそ美味いのだよ。
でもね、奥様方はスーパ-で大量生産の豆腐買うんざます。凝固剤や発泡剤や合成保存料やらがテンコ盛りの豆腐。仕方ないよね、懐具合厳しいもん。ダンナの給料上がらないのに税金はどんどん上がっていくんだから。ご時勢だから、うん。
曳かれ者の小唄を口ずさんで、オヤジさんの豆腐を食している間は、俺は多分というか、まだ生きていても許されるハズだ。どのみち生きながら死ぬ案配になるのは避けられないのだが。
聞きなよ、俺の唄う、ブル-スを。