Home Room ・シンプルな暮らしと家

いい家 3

Toriushi120106

「す」である場

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「いい家」 という事を定義する事はできない。そこに住むひとが「いい」と思えるなら、それが「いい家」であるわけで、それは100人100様。ここで言う「いい家」というのは、「私にとって」である。ただ、「いい」という判断は、いくつも項目があって、それらの幾つかがOKになれば「いい」となるわけで、「私にとってのいい家」も、他のひとにとっての「いい家」と重なる部分はあるのだろうと思う。

その「いい家」であるという事の項目のひとつに 「す」である という事がある。さらに、「す」にはふたつある。

素 である事

巣 である事

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「素」であるとは、そこで暮らす人が、対外的に何か取り繕ったりカッコつけたりする事なく、「そのまま自分らしくいられる」 という事。

「巣」であるとは、そこで暮らす人が、戻る場所であり、本人が 家族が 「守られる場」であるという事。

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人は、外でたくさん頑張るわけだけど、家に戻って、「服をぬぐ」ように 「そのままの自分」になって、弱い自分もさらけだす事ができ、泣き・笑い、、家族に我儘言ったり、喧嘩したり、、、でも、そうゆう「時間」や「家族」を大切に思え、笑い合える ・・・・ そんな事全てを優しく包んでくれる場

それが 「す」である場 で、

それが いい家 だと思う。

+ + + +

昨年の大地震を契機に、物理的にも国のしくみ的にも この国の安全性 を意識するようになった。その上で、自己所有の家を持つ事がいいのかどうか という事を考える人も増えたと思う。実際、「持たない」方向に考えを移された人に会った。また逆に、この先どうなるかわからなくなったから(こそ)「今やる事にした」という人もいる。

何が正解かという事はわからない。

昨年夏に着工し年末に完成した 鳥牛之家 の施主・牛さんは・・・

「たとえば3日でもいいから居心地のよい家で、鳥と笑いあえたら それで建てた価値はある」と言われた。

これから先どう生きるか・・・それぞれの人生感。

写真は、「巣っぽい家の中でさらに巣っぽい」牛さんの場所
(作り付けのふたり分のデスクと本棚)

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つづく

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いい家 1
いい家 2
いい家 3
いい家 4
いい家 5

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東京 暮しリノベーション > 志田茂建築設計事務所

思い描く暮らしの物語がはじまる上質な場 をつくります。


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コメント一覧

しだ
牛さん
ブログみました。まずは更新された事がうれしい。そして、だいぶ復調してきたように思えてうれしい・・・のだけど・・・どうですか?

今年も様々な事があぶりだされてくると思います。絶望的な気持ちを味わうかもしれない。でも、やっていくしかない。どうなったってしぶとく生きていきましょうね!

専用椅子・・・そうやって「好きなもの」「自慢できるもの」で少しずつ「巣」を満たしていってくださいね!

「ブログで自慢しようと思っています。」・・・待ってますよ~^^
牛の方
明けましておめでとうございます。牛の方です。
昨日の夜、ちょうど鳥とそんな話しをしていました。
家の話しというわけではないのですが、これから何をどう捉えて生きていけばいいのか、自分ができることはあるのか、というような話しを・・・。

素であること、というのは私には場は関係ないステージで難しことではあるのですが、それでもちょっとずつこの家に助けられてやっていけそうです。
巣は・・・得意なので、とても巣的に暮らしています。
特に巣的なデスク周りですが、今月私がちょっと張り切ってオーダーした私専用の椅子がきたら、ブログで自慢しようと思っています。
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