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教員になる大学4年生へ

2020年08月14日 | 教育
こんな記事を読みました。
教育実習なしで、いきなり先生になって大丈夫? 新人教師の養成と育成、真の問題点


今年はコロナの影響で教育実習ができないケースがありそうです。
うちの学校でも、例年なら6月に実習生が来ますが、今年は9月に延期。
採用試験前に実習ができなくて困った先生の卵たちも多いのでは??


ただこの記事の興味深いのは、もっと根本に視点を当てていること。
「大学での学びが教育現場に結びついているか?」ということです。


いや、そんなこと、どの業種でも一緒でしょ?
と思う方もいるでしょうが、教員は4月に配属されたら、即、先生としての行動が求められるのです。
何か月か研修を受けてから…とかはありません。
教員をやりながら合間に研修を受けていきます。
最初からある程度、一人前としての行動が求められるのです。


私は教育学部出身ではありません。
一般の学部卒で、教職課程を履修していました。
正直、その中で教育実践、学級経営、生徒指導などに関して、
机上での理論学習のみであり、実戦経験を積むことはできません。
そして教育実習は2週間もしくは3週間。
この経験のみで一人前になるのは、相当難しいと感じています。


もちろん大学の講義がより実践的になれば良いのですが、
それをすぐに求めるのは無理。
じゃあ、今、教員になりたい人ができることは何か??
それを以下に示したいと思います。



【前提】
まず、すべてに共通するのは
「日常の活動を教育に応用、還元する」
ということです。
教育実習じゃなくても、子どもが目の前にいなくてもできること。
普段の生活から意識的にやっていきたいことです。
以下、5つのことを提案させてください。



【1】生徒を理解するために
あなたは他人に対してどう接していますか?
大切にしていない、適当に扱っている他人が思い当たりませんか?
教員になったら、どの子どももみんな、大切にするのは当たり前です。
身の回りにいるどんな人にも興味を持って、推測し、理解し、
今より1つか2つステップアップした関係を構築してみましょう。

現場にはいろんな生徒がいるものです。
おとなしい子、元気な子、すぐすねる子、先生にだけいい顔をする子、心を閉ざす子、
友達とうまくいかない子、自分がきらいな子…
そのそれぞれに男子と女子とがあり、パターン化するのは無理。
やはり一人一人と向き合って、ちゃんと理解するマインドが求められるのです。



【2】バランスの取れた考え方や行動のために
教員はチームで動きます。
当然、職員室にはいろんな考え方の先生がおり、どの先生とチームになるかは選べません。
教員の仲が良いことは、子どもたちにも間違いなく伝わります。
逆に仲が悪いことも伝わります。子どもたちには悪影響です。
困った時、助けてくれる立場の人は、あなたが苦手としている人かもしれません。

今あなたは、気の合う仲間とばかり一緒に過ごしていませんか?
たまには異質な空間に飛び込んで、異質な考え方に触れてみましょう。
普段一緒にいない人にも、機会を見つけて自分から話しかけてみましょう。
「あれ、やっぱりこの人ズレてるな…」って思うことももちろんあるでしょうが、
じゃあその人と協調するためには、その人と建設的な関係を築くために、あなたには何ができるでしょうか??



【3】自分に自信を持つために
あなたは自分に自信がありますか?
何もないという人は、探してください。自信を持てるだけの根拠を。
教員として生徒の前に立つときに、「自信がない」は
子どもにとっても、預けている保護者にとっても、失礼すぎます。
じゃあ他の人にその席を譲ってくれよ!と言われても仕方ないですよ。

さて、あなたの自己肯定感の源は何ですか?
私が新卒のときには、
●大学で4年間部活をやり切ったこと、それによりとても上達したこと
●その上達のプロセスで普遍的な物事への取り組み方を学んだこと
●部活の先輩後輩、仲間たちから評価されている自負があったこと
●部活でもバイトでも自分が集団に対してプラス効果をもたらしていると実感していたこと
●人前で話をすることが得意だったこと
●教育に対して自分なりのブレない軸を持っていたこと
●教員として、生徒にたくさん与えられるものがあると自信を持っていたこと

これくらいのものを持っていました。
持っていて良かったです。
自信があるからこそ、堂々と授業ができる、堂々と話ができる。
年上の先生方に必要以上に申し訳なくなることなく、
少し背伸びやジャンプをすれば、周囲の先生方と同じ目線で物事を見ることができるようになる。



【4】プレゼン力を高めるために

教員は毎授業がプレゼンです。
週に15時間以上プレゼンをする。そんな職業、他にありません。
だからこそプレゼンの力をつけておきましょう。
「授業力」=「その先生の教科の力」×「プレゼン力」×「プレゼン力」
くらいだと思っています。
プレゼン力が2回出てくるのは、打ち間違いじゃありません。
そのくらい、プレゼンの力が大事です。

プレゼン力があれば、普段の授業に生きることはもちろんですが、
教員は用意していた授業だけやれば良いわけではありません。
生徒から想定外の質問があるとき、
校長や学年主任の話のあと、クラスに戻って自分が話をするとき、
何か問題行動が起こったとき。
その場で即、話をすることが求められることも多いのです。

あなたには、普段自分の意見を発表する場がありますか?
私の大学時代は、部活終了後に毎回、みんなの前で反省を述べる時間がありました。
週4~5回、毎回パッと考え、流れを構築し、伝わるように伝える。
このアウトプットの練習により、私のプレゼン力は非常に鍛えられました。
意見発表の機会がない人は、例えばネットニュースを見て自分の意見をすぐに話してみるとかどうでしょうか。
ポイントは、「声に出して話をしてみること」です。
思っていても言葉にならないのでは話にならないので、一人きりの時にこそっとね。
そこにちょっとしたユーモアも組み込めたら最高ですね。



【5】見本となれる大人であるために
子どもは、あなたの人となりを見ます。
「時間に遅れるな」と言って、自分が遅れている教員もいます。
「みんなと仲良く」と言って、好き嫌いの激しい教員もいます。
私は個人的に、子どもに要求することには、自分が率先して取り組みたい人です。
だって、「大人はずるい」と思われたくないから。
髪は短く、大掃除の時以外はスーツで、自分が悪ければちゃんと謝る。

そうやって、子どもと同じ目線に立ったうえで、
子どもに一歩先の景色を見せてあげたい。自分の背中で。
忙しい時にもイライラしすぎずに笑顔でいられるか?
夢や目標に向かってどういう考え方で、どう努力していくべきか?
斜に構えがちな子どもと、どう同じ目線に立って、一緒の景色を見ながらどう歩んでいくか?
普段は真面目だけど、楽しいイベントの時にどう全力で楽しむか?

自分の普段の行動を振り返ってみましょう。
ブーメランになるような言動がありませんか?
「これがバレたらやばい!」って行動はありませんか?
愚痴や悪口ばかり言っていませんか?
日常から笑顔が消えてませんか?
それ、教員になったら、生徒は見ていますよ。



以上になります。
どうでしょうか、ここに挙げた5つのポイント。
教員としての力って、要するに人としての力なんです。
だから、教育の場じゃなくても、磨くことができる。


教育実習ができない人は、大変だと思います。現場での経験ができないのだから。
でも、教員になった時に大事な力は、こういう力です。
逆にこういう力があれば、子どもから信頼してもらえます。
ぜひ、今より何段階もレベルアップした状態で、
来年の4月、教員としてのスタートを迎えてください!!


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