俳句集『うたたねの』より 冬の章 2024-11-07 08:16:19 | 俳句 おのが賀状さいごにまわし印刷工 一直冬の蠅止まりしあたり字を拾ふ 一直伊藤一直は喜多方市内の書店に勤務していたが、仕事は書店に付属した出版部の印刷工だったと思われる。子供のころに連れられて、インクの匂いが充満する薄暗い工場に入った記憶があるが、そこが一直の仕事場だったのかは定かではない。それにしても、地方の一書店にも出版印刷部門があって文化の一端を担っていたのは隔世の感がある。