貧血。
人は呼吸によって酸素を取り入れていますが、酸素を全身に運んでいるのが血液中の赤血球です。
赤血球の中にはヘモグロビンと呼ばれる成分があり、このヘモグロビンが肺で酸素と結合し、血管の中を巡り身体のすみずみに酸素を届けています
。しかし、赤血球やヘモグロビンがなにかの原因で少なくなると、酸素を運びにくくなるため、全身に運ばれる酸素の量が不足してしまいます
。酸素の量が不足すると、頭痛、めまい、集中力低下、眠気、疲れやすい、顔色が悪い、息切れなどの症状が現れることがあります。
このように血液中のヘモグロビンが少なくなった状態を貧血といいます。
貧血の原因として最も多いのが鉄の不足で、貧血の70%を占めます。ヘモグロビンは「ヘム鉄」と呼ばれる赤い色素と「グロビン」と呼ばれるたんぱく質からできており、ヘム鉄を作るのに必要な鉄が不足すると、ヘモグロビンが少なくなってしまいます。
貧血の原因は血液検査で確認することができ、鉄の不足による貧血の場合は、鉄剤を服用して治療します。鉄剤により通常1週間くらいで症状が良<なりますが、体の中に鉄をしっかりと貯めるためには3~6ヶ月かかります。
そのため、症状が良<なっても自己判断で薬をやめずに服用を続けることが大切です。鉄は食事からもとることができます。鉄には主に動物性の食品に含まれるヘム鉄と、植物性の食品に含まれる非ヘム鉄があり、ヘム鉄の方は非ヘム鉄より吸収されやすいといわれています。
非ヘム鉄については、ビタミンCやヘム鉄と一緒にとると鉄の吸収が高まるので、上手く組み合わせることにより効率よく鉄をとることができます。鉄で、適度にとりいれることが大切です。