おやじ特別便

ひまじんおやじの日常

フェアレディーSR311

2012-10-11 13:45:15 | 日記・エッセイ・コラム
【今日の 不幸中の幸い】

F1ドライバーの小林可夢偉(こばやし かむい)が、日曜日に鈴鹿で行われたレースで3位に入賞したそうだ。
なんでも日本人がF1レースで3位に入ったことは歴代3人目の「快挙」だそうだ。
へえ、中嶋とか超有名であるが、3位にもなっていなかったのかねえ。

2012


F1レースもホンダだあ、中嶋だあ、と言ってる時分は、今考えると最も盛り上がった時代であった。
フジTVがスポンサーで、世界を転戦する各レースの中継があり、今ニュースステーションでアンカーをやっているフルタチ何某が早口で伝えたりして、それに日本中が沸いたもんだ。
ところがある時からぱったりと人気が無くなって、今ではごく少数のマニアだけのお楽しみになった。アイルトン・セナが死んだ頃と同期だなあ。

イギリスのロータスは緑、ドイツのポルシェは銀色、イタリアのフェラーリ(ワシはフェラリと呼んでた)は赤、の各国のカントリーカラーでF1カーが走ってたずーっと昔、ロータス乗りのジム・クラークなんて英雄が連勝してた頃からのファンのワシは「こんなに急な隆盛ではこの熱狂的なブームはそう長くは続くはずはあるめえ」と思っていたがやっぱりだった。

ところで、富士スピードウエイでピットクルーをしたことがある。たった1回だが。
その頃(前にも書いたが)ラリーに夢中になってたことがあり、そのラリーつながりで石川さんというレースカーのドライバーと知り合った。
と言っても彼も初心者に近い人で、やってたのは「フレッシュマンレース」と言って、富士で年間何レースか開催される草レースであったが。ある日そのレースの手伝いとして物見遊山気分で参加したということだ。

石川さんは、スタート後数周でエンジンのトラブルにあい、あえなくリタイアしたのだが、ピットに帰ってこない石川さんを待つ間は事故か?無事か?なんて、とっても心配したりして、まるでスティーブ・マックイーンの主演映画「栄光のルマン」のピットクルーみたいであった。
初心者レースとはいえ、ピット要員としてレースに参加出来るということは生涯そうそうあるもんじゃなく、何か特別の人になったような気分であった。

で、レースが終わって車を積載車に、(と言っても普通のトラックだが)積み込み、さらにレース用のかなり太いタイヤも車に運ぶ途中で、ワシは階段の上からそのタイヤを落としてしまったのだ。
その太いタイヤは階段をポンポン弾んで、だんだんと跳躍する高さも距離も大きくなっていく、そしてその先は、下の駐車場に止めてあるレース関係者の車の群れだ、「ああ」と、どうしようもなく見ていると。

Sr311
『今はビンテージカーであるが当時は普通のレースに使う。ダットサンSR311(フェアレディー)』

駐車場の手前に50cmほどの土の土手があったが、そこにぶつかってタイヤは止まった。ちょうど弾んだ先の着地点が土手であったので助かったのだ。不幸中の幸い。
車にでも当たったらとっても厄介なことになった。人なら死んだかもしれない。

何十年もたっているがその時の恐怖は忘れられない。ときどき思い出す。よかったーなんでもなくて。

このドライバーの石川さんという人は、ワシの高校の恩師の弟でかつ先輩であった。
今では、石川さんもワシのラリーの相棒も死んでしまった。