Chick Coreaの名演はあちこちに散らばっている。
どのChickが好きかは人それぞれだと思いますが、私が求めるのは単純にピアニストとしてのChickです。そしてその辺りはコンポーザーとして
「アイディアをあれこれ取り揃えてきたぞ」
という時より、
「呼ばれたから暴れて来ました」
という時の方がピアニストとしての手腕が自然に発揮されているような気がします。
また、自分の作品でも欲が出てコンポーザー面が全面に出過ぎて、多くの演奏が死に(言い過ぎ)、あっけらかんとやったシンプルな曲が生き生きとしてたりすることも多いですね。ただしこの私的コンピに登場しない名演は、ほぼ全編名演の名盤なのであえて引っ張ってきてないです。「Now He Sings...」なんかはそうですね。なので、
「あれに入っているあの一曲を聴きたい!」
と思うことが非常に多く、CDウォークマンで聴いていた時代なのでとにかく手っ取り早く楽に聴きたいというきっかけで作り始めました。それがもう10年も前です。そして恐ろしいことに未だに車に乗り続けて活躍しているので、改めてまとめてみようと思いました。
ところでこれらは名演ばかりを集めたものではなく、
「ちょっと息抜きにこんなの」とか
「当時新作だった」とか
「聴き込めば見方が変わるかな」
等々いろんな意図があるので、結構な不揃い感が出てると思います。
ただこれを10年聴いてきて全然消耗しないという事実はあります。すごいですね、こういう音源はジャズを聴く前には出会えなかったものです。ちなみにこのあともダラダラと続いて4枚作成して、計5枚こういう奇特なCDがあります。今回のような長い休みの時期にでもアップ出来ると良いですが、、、。
1.Compassion(Ballad)
Chick Corea&Origin/Change(1999)
Chick Corea-piano
Avishai Cohen-acoustic bass
Jeff Ballard-drums
基本トリオが好きなので、このアルバムで唯一のトリオを抜き出しました。
It Could Hapen to Youをもとにスローバラードに仕立てたということですが、とにかく激渋な好演です。分かりやすいテーマのようなものは出てきませんが詩情たっぷり、歌心満載、Chickでしかありえない言語での表現。アルバムの後半に埋もれていたものですがここは1曲目に入れてみました。トップに耐える名演です。
2.Tones For Joan's Bones
Christian McBride/Number Two Express(1995)
Christian McBride-acoustic bass
Chick Corea-piano
Jack DeJohnette-drums
完璧です。スタジオレコーディングで求められる演奏におけるお手本では。
尺、起承転結、ハッチャケ度、どれをとっても完璧。そして曲の良さは作曲者本人が一番分かっているというようなアドリブ展開。曲に演奏が閉じ込められるんではなく、自由度を増して広がっていくという点でここではコンポーザーとピアニストとしての顔が絶妙に良いバランス。この曲をChickに演らせたChristianがエラいと思います。
ホストのChristianのベースの貢献度はもちろんDeJohnetteの叩きすぎることなく的確に歌うドラム、そして自分の曲を自分のフレーズで活かしきるChickと、素晴らしすぎて逆になぜこのトリオがここでしか聴けないのか悲しくなりました。特にDeJohnetteとの相性は。
しかし最近5Trio Boxにてその鬱憤は大体はらすことが出来ました。これは10年越しの願い。そのうち書きたいです。
3.Celia
Chick Corea&Friend/Remembering Bud Powell(1997)
Chick Corea-piano
息抜きです。力は一切入ってないですね。それにしても隅から隅までそっくりさんなフォローワーって未だにいない気がします。それくらい個性的。
4.Great Pumpkin Waltz
Happy Anniversary, Charlie Brown!(1987)
Chick Corea-piano
John Patitucci-acoustic bass
Tom Brechtlein-drums
スヌーピー系の企画アルバムより。Patitucciのソロも出だしは甘ーいテーマそのままだったりとやさしくまとめられてますがしっかり盛り上がります。ワルツを歌わせるChickは特に好きです。フレーズの中の力点というか、アクセントにする音の位置とタイムが絶妙で、この人の基盤がブルースではなくスパニッシュから来るからなのか、いわゆるジャズとは美点が違いますね。今となってはこういうジャズも普通ですが、こういう演奏は出来そうで出来ていないと思います。何せ他ではお目にかかれないし。
5.April Snow
6.Chase
7.Falcon
Chick Corea/Solo Piano: Originals(1999)
Chick Corea-piano
この作品は当時発売したてで、その中で「ちょっとよくわからない、もう少し聴いてみるか」と思って入れた3曲です。が、印象は特に変わらなかった(笑)。
お題を客に出してもらって、それを元にインプロしたみたいです。このくらいは朝飯前なんでしょうね。
そういえば過去にBlueNote東京でのライブ、というかピアノクリニックというのが一度あって大興奮して勢いで参加したことがあるのですが、休憩のコーナーでリクエストということで客(生徒)が
「In Your Own Sweet Way」
とリクエストをし、恐らく大半が
「ナイスチョイス!」
と思ったでしょうが、Chickは少し間を置き
「、、、I Don`t Know!」
、、、というヒドい事故を思い出してしまいました。あの空気、リクエストをした誰かへの叱責と共に、いやいや何故これを知らないねん!というChickへの怒り?替わりに何やったかは忘れちゃいました。
Chickにはスタンダードのリクエストみたいなことするよりはお題によるインプロの方が合ってますね。そういやどこかのインタビューでBebopのことを「Strange Music」とか言っていた気がします。ジャズ界に居ますが、ドジャズはChickにとってはStrangeなんでしょうかね。
えーと、ちょっと書き始めて思ったのですが、これ(このシリーズ)結構長くなりそうだから2回に分けます。
ところでクレジット関係や年代など、レコーディング時の物だったり発売時のものだったりとバラバラで、実際誤記などもあるかもしれません。お気づきの点がありましたらお知らせお願いします。
というわけで1-2に続く。
どのChickが好きかは人それぞれだと思いますが、私が求めるのは単純にピアニストとしてのChickです。そしてその辺りはコンポーザーとして
「アイディアをあれこれ取り揃えてきたぞ」
という時より、
「呼ばれたから暴れて来ました」
という時の方がピアニストとしての手腕が自然に発揮されているような気がします。
また、自分の作品でも欲が出てコンポーザー面が全面に出過ぎて、多くの演奏が死に(言い過ぎ)、あっけらかんとやったシンプルな曲が生き生きとしてたりすることも多いですね。ただしこの私的コンピに登場しない名演は、ほぼ全編名演の名盤なのであえて引っ張ってきてないです。「Now He Sings...」なんかはそうですね。なので、
「あれに入っているあの一曲を聴きたい!」
と思うことが非常に多く、CDウォークマンで聴いていた時代なのでとにかく手っ取り早く楽に聴きたいというきっかけで作り始めました。それがもう10年も前です。そして恐ろしいことに未だに車に乗り続けて活躍しているので、改めてまとめてみようと思いました。
ところでこれらは名演ばかりを集めたものではなく、
「ちょっと息抜きにこんなの」とか
「当時新作だった」とか
「聴き込めば見方が変わるかな」
等々いろんな意図があるので、結構な不揃い感が出てると思います。
ただこれを10年聴いてきて全然消耗しないという事実はあります。すごいですね、こういう音源はジャズを聴く前には出会えなかったものです。ちなみにこのあともダラダラと続いて4枚作成して、計5枚こういう奇特なCDがあります。今回のような長い休みの時期にでもアップ出来ると良いですが、、、。
1.Compassion(Ballad)
Chick Corea&Origin/Change(1999)
Chick Corea-piano
Avishai Cohen-acoustic bass
Jeff Ballard-drums
基本トリオが好きなので、このアルバムで唯一のトリオを抜き出しました。
It Could Hapen to Youをもとにスローバラードに仕立てたということですが、とにかく激渋な好演です。分かりやすいテーマのようなものは出てきませんが詩情たっぷり、歌心満載、Chickでしかありえない言語での表現。アルバムの後半に埋もれていたものですがここは1曲目に入れてみました。トップに耐える名演です。
2.Tones For Joan's Bones
Christian McBride/Number Two Express(1995)
Christian McBride-acoustic bass
Chick Corea-piano
Jack DeJohnette-drums
完璧です。スタジオレコーディングで求められる演奏におけるお手本では。
尺、起承転結、ハッチャケ度、どれをとっても完璧。そして曲の良さは作曲者本人が一番分かっているというようなアドリブ展開。曲に演奏が閉じ込められるんではなく、自由度を増して広がっていくという点でここではコンポーザーとピアニストとしての顔が絶妙に良いバランス。この曲をChickに演らせたChristianがエラいと思います。
ホストのChristianのベースの貢献度はもちろんDeJohnetteの叩きすぎることなく的確に歌うドラム、そして自分の曲を自分のフレーズで活かしきるChickと、素晴らしすぎて逆になぜこのトリオがここでしか聴けないのか悲しくなりました。特にDeJohnetteとの相性は。
しかし最近5Trio Boxにてその鬱憤は大体はらすことが出来ました。これは10年越しの願い。そのうち書きたいです。
3.Celia
Chick Corea&Friend/Remembering Bud Powell(1997)
Chick Corea-piano
息抜きです。力は一切入ってないですね。それにしても隅から隅までそっくりさんなフォローワーって未だにいない気がします。それくらい個性的。
4.Great Pumpkin Waltz
Happy Anniversary, Charlie Brown!(1987)
Chick Corea-piano
John Patitucci-acoustic bass
Tom Brechtlein-drums
スヌーピー系の企画アルバムより。Patitucciのソロも出だしは甘ーいテーマそのままだったりとやさしくまとめられてますがしっかり盛り上がります。ワルツを歌わせるChickは特に好きです。フレーズの中の力点というか、アクセントにする音の位置とタイムが絶妙で、この人の基盤がブルースではなくスパニッシュから来るからなのか、いわゆるジャズとは美点が違いますね。今となってはこういうジャズも普通ですが、こういう演奏は出来そうで出来ていないと思います。何せ他ではお目にかかれないし。
5.April Snow
6.Chase
7.Falcon
Chick Corea/Solo Piano: Originals(1999)
Chick Corea-piano
この作品は当時発売したてで、その中で「ちょっとよくわからない、もう少し聴いてみるか」と思って入れた3曲です。が、印象は特に変わらなかった(笑)。
お題を客に出してもらって、それを元にインプロしたみたいです。このくらいは朝飯前なんでしょうね。
そういえば過去にBlueNote東京でのライブ、というかピアノクリニックというのが一度あって大興奮して勢いで参加したことがあるのですが、休憩のコーナーでリクエストということで客(生徒)が
「In Your Own Sweet Way」
とリクエストをし、恐らく大半が
「ナイスチョイス!」
と思ったでしょうが、Chickは少し間を置き
「、、、I Don`t Know!」
、、、というヒドい事故を思い出してしまいました。あの空気、リクエストをした誰かへの叱責と共に、いやいや何故これを知らないねん!というChickへの怒り?替わりに何やったかは忘れちゃいました。
Chickにはスタンダードのリクエストみたいなことするよりはお題によるインプロの方が合ってますね。そういやどこかのインタビューでBebopのことを「Strange Music」とか言っていた気がします。ジャズ界に居ますが、ドジャズはChickにとってはStrangeなんでしょうかね。
えーと、ちょっと書き始めて思ったのですが、これ(このシリーズ)結構長くなりそうだから2回に分けます。
ところでクレジット関係や年代など、レコーディング時の物だったり発売時のものだったりとバラバラで、実際誤記などもあるかもしれません。お気づきの点がありましたらお知らせお願いします。
というわけで1-2に続く。