音楽という食物

ジャズ系を中心に好きな音楽について

Toto / TotoXIV

2015-05-19 02:32:18 | 洋楽



洋楽で3枚選ぶとすると入ってくるのがTotoの「fahrenheit」です。
中学時代にダビングで溜まった洋楽のテープは400本近くになったのですが、「fahrenheit」は2枚目に借りたものです。これはもう聴きすぎて、何回かテープを新調して最終的には唯一のMetal-Masterになったりしました。自分の音楽バカはTotoで始まったようなものです。

何が好きだったのかと思うと、曲とアレンジのかっこよさ、何よりJosephのヴォーカルが好きだったのだと思います。よってJosephが脱退した「kingdom of desire」以降はjeff porcaroが居なくなってしまった以上に自分にとってTotoはTotoでなくなってしまったのでした。

しかしJosephのソロ作が良かったかというとどうもそれだけでは何かが足りず、トータルの音の世界観とグルーブ感が伴うTotoの中でのJosephが好きなんだろうなと思ったものです。


、、、さて、今回のTotoXIVですが、正直Josephの復帰ということはあっても声質が当時もものとは変わっていたと近作で思っていたのでそれほど期待はしていなかったのですが、これが30年近く前のTotoの空気感を強く持っているのです。Josephの声がハイトーンを取り戻しているのと、ドラムがSimonからKeith Carlockに変わったこと、それからシンセワークが近作以上にTotoらしいのかもしれません。

少年時代に刷り込まれた「fahrenheit」を超えるのは何を以っても不可能と前提があるだけで、本作にはこれ以上求めるものはありません。当時ほど露骨に格好つけた曲がないのも今の自分にとってはフィット感が強く、通して聴かされるとやや重いLukather色の曲もポイントで聴くとこれもまた良いです。TotoⅣの頃のグルーブを感じる曲もあり、それでいて過去の音かというとそうではなく、今の音のなかでTotoが表現できているという印象です。


いずれにしてもトータルの「らしさ」が自分にとってある水準を超えたらしく、まさかの「Josephのいた頃のTotoのあの感じ」が2015年に新作として届けられたことがもうビックリとしか言いようがないです。そして音楽の原体験の大きさ、というものを感じずにはいられません。ひとつひとつの音に脳が大喜び、音楽は食物だと感じてしまう瞬間だったりします。



Toto / TotoXIV
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01.Runnig Out Of Time
02.Burn
03.Holy War
04.21St Century Blues
05.Orphan
06.Unknown Soldier(For Jeffrey)
07.The Little Things
08.Chinatown
09.All The Tears That Shine
10.Fortune
11.Great Expectations
12.Bend


Joseph Willams-vocal,BG vocal,keybards(10)
Steve Lukather-guitar,keyboads,bass(5,6,11),BG vocal
David Paich-piano,synths,bass(9),vocal(9),BG vocal(2)
Steve Porcaro-synths,vocal(12)
Keith Carlock-drums,BG vocal(2)
Lenny Castro-percussion
CJ Vanston-synths,BG vocal(2)
Tim Lefevbre-bass(1)
Lee Sklar-bass(2)
David Hungate-bass(3,4,7)
Tal Wilkenfeld-bass(9,10)
Tom Scott-saxes(4,8)

Michael Mcdonaid-BG vocal(6,8,10)
Mabvuto Carpenter-BG vocal(5,11)
Amy Keys-BG vocal(4,6,8)
Jamie Savko-BG vocal(1,2,11)
Emma Williams-BG vocal(2)
Martin Tillman-cello(6,7)


2015年作品


Julian Lage / World's Fair

2015-05-08 01:10:08 | ジャズ



良い立ち位置をキープしているという印象のJulian Lage。
ジャズギタリストというよりギタリスト。
もっと言うと音楽家。


結構いろんな編成で凝ったアレンジなどもやっている人ですが、どれも自然体。
強烈なインパクトというよりは、流れるせせらぎの美しさを眺めるような感じ。


今回はアコギでソロ。

この人はやはり音から音を作っていないのかも。
色々な情景から音を描く人なのではないかと思ってしまう。
その結果アドリブが重要でなければやらない。
弾かなくていいなら無理に弾かない。
情景を表現することがゴール。


その情景がこちらに入ってきた時に至福の時が来ます。
Larry CarltonのAlone/But Never Aloneでガーンとお届けされた時の静かな衝撃を思い出してしまいました。
ただしJulianの音楽はまったくAloneな感じではないので、ただただほっこりします。
騒音をかき分けてくる音楽ではないので静かな夜が良いですね。



、、、今、深夜1時。とてもいい時間です。





Julian Lage / World's Fair
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1. 40's
2. Peru
3. Japan
4. Ryland
5. Double Stops
6. Gardens
7. Century
8. Where or When
9. Missouri
10. Red Prairie Dawn
11. Day and Age
12. Lullaby


Julian Lage-guitars



2015年作品


Mike Moreno / Third Wish

2015-05-06 19:42:46 | ジャズ


かっこいいジャズギターだなぁ、、、。
と思わず言っておりました。

何か変わったことをやっているわけでもなく、
特徴のある音色という訳でもないんですが。

ジャズにおいてギターにはこういう感じを求めているんですかね、自分は。

ギターは他の楽器に比べていろいろ細工が出来る楽器だと思うのですが、
ほんとストレートな感じで十分良いと思っているのです。

といってもどストレートなわけでもないんですが、
印象としてはシンプルで隙間も味わえるカルテット。

Mike Morenoは割と余裕ですごいことをやっているようですが、
その余裕の部分に気持ち良さを感じます。
かっこいいと感じるのもその部分かも。

メンバーのレベルもバランスも良い感じで、いやなところが一つもないですね。
何回でも聴いてしまいます。ここ最近の愛聴盤。



Mike Moreno / Third Wish
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1.Anoothor Way
2.Children Of The Night
3.Isotope
4.Lush Life
5.Third Wish
6.Anothor Way
7.Street Lights
8.A Flower Is A Love Something


Mike Moreno-guiter
Kevin Hays-piano,fender rhodes
Doug Weiss-bass
Kendrick Scott-drums


2009年作品


Giovanni Mirabassi / Terra Furiosa

2015-05-03 01:12:47 | ジャズ


実はそれほど惹かれていなかったGiovanni Mirabassi。
有名なソロ「Avanti!」がそれほど響かなかったのは、Chick Coreaの音で耳が育ってしまい、無意識にそこを基準に聴いてきていたから。
上手い下手というよりはタイム感の正確さみたいなところかと思う。それとタッチの強靭さと音の立体感。

数年前にFred Herschに耳を解体されました。全く違った音の鳴り方、重ね方。
それ以降に聴いたMirabassiは違って聴こえました。

すごく柔らかな音を鳴らしますね。
そして曲はこれでもかという情緒の連続。
この作品なんかもほとんど同じ方向を向いた作風なのでほとんど一曲一曲は覚えられず、
しかし初めの2曲の美しさでそんなことはどうでもよくなってしまう。

実はピアノトリオ自体すでに小さな世界で、聴く人によってはどれも同じなんでしょう。
Mirabassiはさらに絞って、ジャズ慣れした耳にもその世界はさらに小さいものに感じる。

でもそれでいい。
アーティスト単位での個性が明確、こちらとしてはしっかりあなたのことを認識できるのだから、
そのことがとても大事に感じます。

それって音楽に限らず、なのかもしれないですけどね。
こういう「ぶれない」人生って、危うさとあこがれが入り混じった、なんとも言い難い心境でいつも眺めてしまいます。




Giovanni Mirabassi / Terra Furiosa
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1.Alfonsina Y El Mar
2.#3 4:04
3.Sienna's Song 7:34
4.Last Minutes (Intro) 0:48
5.Last Minutes 6:22
6.Radicaux Libres 3:21
7.W.A.F 4:30
8.Amba 5:25
9.Worry Doll
10.We Have The Blues Mr. President


Giovanni Mirabassi-piano
Gianluca Renzi-bass
Leon Parker-drums

2007年録音