(…それについては無心に戯れていればいい。)
最初のうちは、あなたが 何度も忘れるのを 私は知っている。
単純なことがらを理解しようとするがいい。
つまり、忘れても 気にかけない ということだ。
そうでないと、目撃することを忘れ、それから「何てことでしょう、忘れてたわ!」と思い出し、今度は 後悔を始めることになる。
それもまた 忘れることに他ならない。
忘れたことは忘れてしまったのだ。
今 あなたは思い出しているのだから、また続ければいい。
去ってしまった瞬間を けっして悔やんではいけない。
それは 過ぎ去った。
悔やみはじめたら、もっと多くの瞬間を 無駄にすることになる。
人間の心(マインド)は 忘却するようにできている。
いくら私が「悔やむな!」と 言ったところで、心は悔やむし、その悔やんだことを 悔やみすらする。
そうやって目撃することは 彼方へと遠ざかってゆく。
だから ことを単純にするがいい。
忘れたなら、忘れたのだ。
その章は それで おしまいだ。
今 あなたは思い出しているーーー想起して、目撃するがいい。
徐々に徐々に、その忘却の 間合いは小さくなり、少なくなる。
それには少し 時間がかかる。
あなたは、数日で開き、数日で枯れる 季節咲きの花ではない。
あなたは 永遠の花だ。
(つづく)