alternativeway

パリ、カフェ、子育て、サードプレイス、
新たな時代を感じるものなどに関して
徒然なるままに自分の想いを綴っています。

子供に対する価値観

2011年04月25日 | 日仏子育て事情


 フランスにきてもう1ヶ月が経つのだろうか

 はじめの1ヶ月は蓮太郎と一緒に適応できそうかどうかの
試験期間みたいなもんだなあと思ってたけど
まあそんなにことは簡単に運ぶ訳もなく
けっこう私は何度も泣いて ある時は
涙が溢れて止まらなくって驚いた。


 どうして涙が出てきたかって

それは多分 フランスと日本との子育ての
価値観の違いにそれなりに適応しようとして
もがいてしんどくなってるからで
来たばかりの時は こちらはとっても自由があると
思っていたけど 最近私が感じているのは
こちらではいわゆる「子供らしさ」なんて
あまり求められることもなく なんというか
「いい子」ともまた違うと思うのだけど
「じっとしてもの言わぬ子」というのが
かなり求められているような気がする。


 その違いがあからさまにはっきりしたのが
田舎に行ったときに乗ったTGVで 今は
フランスはバカンスで だから子供ももちろん
たくさんその特急には乗っているのだけれど
日本だと 連休で子連れで新幹線といえば
のぞみというよりひかりに乗って あまり
ビジネスマンの居そうな時間帯は避け
まあまあ子供に優しそうな人が乗ってそうな
列車や時間帯を選んだりするのだけれど
そして子供がぐずったらデッキであやしに
行くのだけれど なんとなく行楽列車な感じなんだけど


 おそろしいことにバカンス中のフランスのTGVには
そんな子なんて私が見た中では一人もいない。
ここでは不思議なことに赤ん坊さえ泣いていない。
そう この国は 公共空間とか静かにすることが
求められている場所で ちょっとでも子供が
アーとかいったりすると すかさずママやら
まわりの大人が「シーッ」とやって
ちょっとうるさく騒いだりしようものなら
すかさず発せられる言葉というのが ”doucement"
(ドゥースモン) このドゥースモンがポイントなんだなあ、、
とこの2週間くらいで私は気づいた。


 doucement という言葉 はやたらと公園やら
子育てカフェやらメトロやら どこに行っても
子供に対して発せられてるのを耳にする。
でもこれを日本語に訳すときちんと対応する言葉が
ないようで「やさしく やさしく」とか「ゆっくり」とか
「あわてないで」とか「静かに」とか「そーっと」とか?
でも滑り台をいそいで滑ろうとする子供とか
道をかけていく我が息子とかにも発せられる
この言葉は 「シッー」と同じくらい瞬時に
すかさず発せられ かつて「ドゥースモン!」と
親に言われていたであろう子供がちびっ子に向かって
言ってたりする。そう フランスではなんか
ドゥースモンがポイントらしいのです。


 それに対して我が子と言えば、、、、


 新幹線では2時間いい子にできていたと思っていたものの
フランスのTGVは子供がいようが赤子がいようが
まさにシーンと静まり返ってて ちょっとでもうるさい音が
しようものなら「アーン?」という顔をした
誰かの顔が覗いたりする。でも子供だからしょうがないでしょ!と
日本人ならいいたいところ、、、 ところがこの国は
「そんなこといったってうちの子はしなかったわよ」と
言う感じ。たしかにそうだ「子供だからできない」と
思ってしまうのは私の方で 目の前にはまさに
フランス人形みたいにじっとして口を閉じて
座り続けている子供たちが存在している、、、、


 なんでそんなことが可能なの?


 一体どういうことなんだろう?


 そんな中 蓮太郎もかなりがんばって
一人で昼寝をしてみたり 添い寝なしで夜寝させられたり
TGVの中でもいい子にしてみたりするのだけれど
だけどちょっと限界だよお だって日本人なんだもん
だってそんなの慣れてないもん だって子供なんだもん
と 弱音を吐きたくなってしまうけど
弱音を吐くと 今度は「だけどそうした方が
あなたにとっていいと思わない?子供のいいなりになってたら
親が死んでしまうわよ!」と言われてしまう
確かにその通り で だからなかなか昼寝をしない
息子に対して3時くらいにはかなり腹が立ってしまったり
抱っこだっこで歩かない息子にこのやろー!と思ったりするのだけれど
「だったらベビーカーを買えばいいじゃない?」と
言われてしまうとその通り
息子が抱っこだっこというから汚れてもめだたない
服を買おうと思っていた私がなんだかバカみたい。


  フランスは親の自律 親が子供に
振り回されずに親がまず規則を決めて
子供中心で親がへとへとになんてならないように
生まれた時から子供よりも大人優先!!がすごく強いように思う。
日本の場合は母親は自分を犠牲にしてなんぼ
私はなんども「私はこんなに夜泣きで眠れなかった」とか
「子供のためになんらかのことをすすんで犠牲にした」というような
話を耳にしたことがある。その度に「まーあの人はすごいわねえ!」という
まなざしで見られる様な感があるけど フランスはまるで逆!
この国の人たちが日本のひきこもりのことをまるで
理解できないというまなざしで見るのはきっと
生まれたときからのすごい違いによるのだろう。


 そもそも私が子育てでかなり病んでた時に
はじめて私に「だけどあなたの人生だって大切に
しないとだめよ」と言ってくれたのはフランス人女性だったけど
私は息子を産んではじめてそんなことを言われた気がして驚いたけど
今になってわかるのは フランスではそれはかなり
当たり前な感覚で 子供中心で子供に振り回されて
あれもこれもできなくなって、、、というのは
こちらでは「よくがんばっている」ではなくて
「大人としていけてない」感じなんだなあ


 そういうわけで フランスと日本とのはざまで
悩み葛藤することに 覚悟はしてきたわけだけど
どこまで「いい子」にさせればいいのか どこでなら
のびのび楽しくやってていいのか そのさじ加減もまだ
よくわからずに 色々とたまっていたものもたまってしまって
涙が出たりもするんだな 

 それでも蓮太郎は廊下をそーっと歩いてみたり
5階まである階段をなるべく自分で歩いてみたり
メトロでじっと座って静かにしたり 田舎にいって
自分のおうちを作ってみたり さくらんぼとって食べたり
毎日パンやらチーズを食べたり それなりに
適応しようとしてがんばってくれているので
私ももうちょっとふんばってみようと思います。

フランスに行くなら

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