伊方原発の廃炉のために

2006年から「伊方原発のプルサーマル問題」として続けてきましたが、伊方原発の廃炉のために、に15年に改名しました。

野田首相の「脱原発依存」見解一問一答

2011-10-21 23:19:52 | 国会劇場

 10月20日、NHKニュース9で1社独占で現職の首相がインタビューに応じるという、まあ珍しいニュース番組がありました。

 野田首相が延々40分以上のインタビューを受けていました。

 

 「脱原発依存」の論点が菅前首相の発言とどう変わったのか、直接国民に向けた声ですので、先入観を持たず見ていきましょう。

−−−

NHK)さあ、いろんなことの元になった原子力発電とエネルギーの考え方について伺いたい。

ここに代表的な意見が一つあります。

 東京都の10代の男性からです。

「原発事故後に菅前総理は脱原発を宣言しました。野田総理大臣は原発の安全性に関する演説を行いました。政府は原発をどうするつもりなんでしょうか」というご質問です。

 これはどうなんでしょう、菅前総理は脱原発、脱原発依存という考えを明確に打ち出されて、将来的に自然エネルギーというのを主エネルギーにするんだということをエネルギー計画の見直しにまで踏み込まれました。その内閣の一員であった野田総理大臣、そこは基本的な考えは違っていないということですか?

 

野田)違っていません。脱原発依存、これは私も全く同じ意見です。

 中長期的には、原子力発電への依存を極力低減させていくと、併せて再生可能エネルギーの普及を大々的に行っていく、省エネ社会を力強く実現していく、という中で、中長期的には国民の皆さまが、安心できるエネルギーの構成をどうするか、それが大前提、ベストミックスですね。

 これを来年の夏までに、基本計画を作ることになっていますので、そういう考え方の下で基本計画を作りますので、これは菅さんと基本的に同じ考え方です。

 

NHK)なるほど、ただ、総理の言葉がもう、原発の安全性を高めていく、とりわけ国際会議の席で、これだけ日本は原発をそのしっかり維持していくというメッセージだと捉えた方も居たんじゃないか。

 まあもちろん、安全性の確保はもちろんですけれども、大きな方向性についてですね、脱原発依存は間違いないとおっしゃいましたけれども、そこらへんのそのこれ発信の仕方、箱の開け方なんですけれどもね。

 

野田)我が国は今回こういう大きな事故を経験したわけです。その教訓と知見は、国際社会と共有するというのが多分最大の貢献だと思うんですね。その上で、核兵器を持たずに原子力の平和利用という意味で技術革新をずっと進めてきた中で、今回の教訓を含めてより安全を確保するために、我々の技術は向上しなければいけないと思います。

 その時に、国際社会から、技術力を求められた時に、我々の技術と知見を提供することは、世界の原子力の安全に貢献できると、そういう意味合いでお話しをさせて頂きました。

 

NHK)ただその、原発を成長戦略として、海外にしっかり日本の技術を売り込んでいくと言う事実ありますよね、これとの整合性付いていると思われますか。

 

野田)以前は、成長戦略はパッケージ型インフラ輸出戦略という形で、原発であるとか、水事業であるとか、高速鉄道とか、どんどんと輸出していこうという路線がありました。ただ、今回の大震災を経験して、原発の事故を経験したわけですから、それがそのまま海外にどんどん持って行こうという話ではありません

 国内でも、きちっと事故の検証をしなければなりません。国内で原発を再稼働するときにも、これいくつかのやっぱりステップを踏みながら、最終的に政治が判断して、安全性の徹底確認をするわけです、そういうことの前提の中で、それでもまだ技術がほしいとなれば、あるいは原子力協定でもこれまでの積み上げがある場合、我々の教訓をしっかりとご説明をしながらどういう判断をされるかというそういう情報提供をしなければならない。

 

NHK)なるほど、分かりました。ここでひと息入れるというかインタビュー…。

−−−−
コメント)
 国際社会に対して、福島事故の教訓と知見を共有することが、最大の貢献だ、という発言は重視すべきだと思います。つまり、現状のなあなあな津波原因論に安住する気はない、という意思表示だからです。
野党自民党側が提出した、独立した福島事故の調査委員会を国会の下にも作る法案は先のわずかな臨時国会で、不思議なことに可決成立しました。仮に野党自民党がなあなあにするつもりがなければ?メンバーや調査の仕方、事務局の構成なども従来にない、原因追及のしっかりした仕組みが出来上がる可能性があるわけです。
そして、それらの結論が出るのは来年初め以降であり、来年夏エネルギー基本計画の見直しと繋がっているなら、=夏前の原発の運転再開はありそうにない、という結論になります。
 仮に野田首相がホンネのところ「脱原発派」なのであれば、福島事故の原因究明を人質に取ることで、原発の運転再開を求める声を押し切る手段を得た、と言っても過言ではありません。そして、来年の夏を原発なしで乗り切れたならば、原発なしでもダイジョウブ、と脱原発を求める声はますます強くなることになるでしょう。
 逆に、以前書いた、減原発の3シナリオのウチの、ケース3のような新規まき直しを望む原発推進派ならば、脱原発派にとって手強い戦略を採りつつあると言わざるを得ません。
 そして野田首相がどちら側の信念も持っていない風見鶏なのであれば、働きかけによってどちら向きにも動きうるのだ、と、歓迎すべきでしょうねえ。
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