(実際には、広瀬隆さんはこの、再稼働阻止全国ネットワークのメーリングリストには参加していないとのことでしたので、ご本人にもこのメールを転送しています。)
[zenkokunet:02352] 広瀬隆さんへ Re: [zenkokunet:02330]
2021/12/11 3:25
気候危機について心配している小倉自身は、最近ではこういう話をツイートで 紹介しています。
ーーCOP26のまとめの頃
全化石燃料のフェーズアウトはおろか、石炭のフェーズアウトも目指さずして、 どうやって1.5℃目標を達成できるのでしょうか?
まずは基本的な認識を紹介するところから始めないと、言葉が上滑りしてしまう ように思います。
・累積のGHGs排出量に比例して気温が上昇すること
・気温安定化目標を達成するためには全世界でのカーボンニュートラルが必要なこと
・1.5℃は危険水域に入った数値目標であること
・1.5℃までは残り0.4℃程度でありあと10年程度で1.5℃を越えてしまうこと
・NDCは各国が勝手に言い値で出しているが、それを合わせて達成できても2.4℃ 程度の昇温が想定されていること。
・いくつかの追加の野心的な対策を取る公約が出てきたが、それを含めてもまだ 足りないこと。
・なので来年もNDCを出し直して各国が目標を強化することになったこと。
・IPCCの科学者たちの想定では、1.5℃安定化はおろか2℃も難しいということ。 (Nature誌の紹介記事より)ー https://t.co/OhjBGsYLTQ
・問題の先送りとしてCCSを活用して、気温がオーバーシュート(気温が行き過 ぎてから逆向きに下がって復帰する経路)することを目論んでいる?懸念がある こと。
・そのような経路はティッピング・ポイントを越えて昇温を後では止められない 懸念がはっきりしてきたので拒否すべきこと。
・2050年のカーボンニュートラルニュートラル目標よりも1.5℃気温安定化目標の 方が厳しい道だ、ということ。
ここで示されている複数の経路のように、同じ2050年ゼロを目指す場合でも、 下に凸のカーブを描いて削減しないといけないのが厳しい1.5℃目標の場合である こと。
ーーー
IPCCの非科学を批判する広瀬隆さんには、何百枚もの資料をならべる前に、1枚のグラフに対する批判をきちんと書いていただくのが意味がある批判だと思います。
それが、ここの最初の、
・累積のGHGs排出量に比例して気温が上昇すること
について示した2013年のIPCC第5次報告書(第一作業部会)の一つのグラフです。
解説はこちらのリンクをお読みください。
西岡秀三さんの国環研ニュースへの寄稿。
気候政策の背骨を示す一枚の図:厳しい自然の論理(2014年)
http://www.cger.nies.go.jp/cgernews/201407/284002.html
環境省のIPCC報告書の日本語訳部分にも、このグラフのことを53ページで「新見解」と特記して紹介しています。
https://www.env.go.jp/earth/ipcc/5th/pdf/ar5_wg1_overview_presentation.pdf
2015年のパリ協定では、この「新見解」に基づいて、2℃安定化目標のために、いつかは全世界でカーボンニュートラルにする必要がある、ということに合意した延長線に今日の気候危機対応話があるわけですか ら、この「新見解」について今日触れていない懐疑論は時代遅れ、と言わざるを得ません。
広瀬さん、お手数ですが、よろしくお願いします。
ーーーここまでメーリングリストのまま
このグラフが、その新見解です。
アニメーションがありました。グレン・ピータースによるもの。
pic.twitter.com/SR6XmbXngS
CICEROの炭素予算に関する記事はこちら。
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