伊方原発の廃炉のために

2006年から「伊方原発のプルサーマル問題」として続けてきましたが、伊方原発の廃炉のために、に15年に改名しました。

愛媛県議会での論戦(H17年度12月議会その2)

2006-04-20 15:16:29 | 関係資料
県議会のホームページに掲載されている議事録
http://www.kensakusystem.jp/ehime/
より、2年近く前からのプルサーマル問題に関する愛媛県議会本会議での質疑内容を紹介しておきます。
(ちなみに、検索システムでは12月議会が最新となっていますが、実際にはもうH18年2月議会が行われて、そこでも委員会の中では質疑がされています。)

●平成17年 第295回定例会 (第5号12月 7日)No.5 阿部悦子議員(環境市民)
 最後に、伊方原発3号炉のプルサーマル導入計画ですが、現在、国の第1次審査を終えており、今にも第2次審査の結果が出ようとしています。この後、県と伊方町の判断次第で導入か否かが決定されます。
 県は、国民保護計画を作成し県民保護をうたっていますが、プルサーマルは、武力攻撃などにより爆破されると、現在のウラン炉とは比較にならないほどの被害を受けることになります。例えば、放射能汚染地域の面積は4倍、避難を必要とする人は5倍になるとされています。猛毒のプルトニウムを混ぜたMOX燃料を使うからです。そうなりますと、原発災害は保険から除外されていますので、救済費用、復興費用を国や四電や県が負わなくてはならず、愛媛県経済は壊滅的になるばかりでなく、広島、長崎以上の多くの死者や被曝者を生むことになります。御所見を伺います。
 また、プルサーマル運転でできた使用済みMOX燃料は発熱量の高い超ウラン元素が多いため、500年後でなければ地中に埋めることもできません。500年も冷却管理しながら伊方に居座らせることになるのです。その費用をだれが負担するのですか。
 また、8月の電気新聞によりますと、資源エネルギー庁は、核燃料サイクル交付金を新設する方針とし、来年度までにプルサーマルを受け入れた自治体に対してだけ、プルサーマル同意から装荷まで年2億円、装荷から5年間は年10億円を交付するとしているのです。これは危険手当であり、プルサーマルがいかに危険なものであるかを国自身が物語るものです。お金と引きかえに、かけがえのない県民の命を売り渡さないでほしいと思いますが、いかがですか。
 現に、先般のマグニチュード7.2の宮城沖地震で緊急停止したままの女川原発は、内部で何が起こっているのか具体的に公表されていません。高知大学の岡村教授によりますと、この揺れは最高888ガルであったということです。
 一方、伊方原発の場合、活動期にある伊方沖の中央構造活断層が動いた場合、国の予測でもマグニチュード8を超えているのです。にもかかわらず四電は、揺れの周期の違いはあれ、伊方原発は473ガルの揺れに対応でき耐震性に問題はないとしています。このように認識の甘い四国電力の姿勢をどう思われますか。
 国も11月17日、原発の耐震指針改訂の原案を公表しました。このような中でのプルサーマル導入は危険過ぎます。これこそ破綻した財政問題よりも、さらに大きな長い将来世代を巻き込む危険な大問題であり、計画を中止すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 終わります。(拍手)

No.9 加戸守行知事
 阿部議員の質問に答弁いたします。
 プルサーマル計画に関しまして、プルサーマル導入は将来世代を巻き込む危険な大問題であり、計画を中止すべきではないかとのお尋ねでございました。
 エネルギー資源の乏しい我が国のエネルギー政策は、資源の有効利用やエネルギー安全保障など総合的な視点に立って推進すべきものと考えておりまして、核燃料サイクル政策を基本とする国の原子力政策は、安全確保と国民の理解が当然の前提ではございますが、基本的には現実的かつ妥当なものと認識いたしております。
 このため、これまでもお話申し上げてまいりましたとおり、伊方発電所へのプルサーマルの導入につきましては、国の安全審査が終了した後、伊方原子力発電所環境安全管理委員会における審議はもとより、県議会でも十分議論いただき、地元伊方町の意向等を総合的に勘案しながら、安全性の確保と県民の理解を大前提として判断したいと考えております。

No.15 石川勝行県民環境部長
 次に、プルサーマル計画について、危険性の高いプルサーマルの導入について県民を保護する立場の県としてどう考えているのかとのお尋ねでございました。
 原子力発電所は、原子炉容器や原子炉格納容器など5重の防壁により基本的に放射性物質を閉じ込める構造とした上で、多重防護の考え方に基づき施設の設計や安全対策がとられており、安全性は確保されております。また、技術的には起こり得ない仮想事故を想定した場合でも、周辺公衆に与える放射線量等は、プルサーマルとウラン燃料との間で有意な差異はなく、著しい放射線災害をもたらさないと評価されているところでございます。
 しかしながら、武力攻撃による原子力災害につきましては、ウラン燃料の場合にあっても、県民の生命、財産を保護する上で極めて重要な問題であると考えておりまして、国民保護計画において平素の備えのほか、予防から事故対策までの措置を定めることにより、迅速で的確な国民保護措置の実施に万全を期したいと考えております。
 次に、使用済みMOX燃料の冷却管理費用はだれが負担するのかとのお尋ねでございました。
 使用済みMOX燃料の管理費用につきましては、電気事業者が負担することとなりますが、国においては、使用済みMOX燃料についても再処理することを基本方針としておりまして、御指摘のような長期間にわたり電気事業者が冷却管理することは想定していないところでございます。
 次に、交付金と引きかえに県民の安全と命を売り渡さないでほしいと思うがどうかとのお尋ねでございました。
 核燃料サイクル交付金については、現在、国において制度の創設を検討していることは承知しておりますが、交付金創設の目的は、核燃料サイクル施設の立地地域の自主的、自立的な発展のための支援を強化するものであると聞いておりまして、御指摘のような危険に対する代償措置であるとは考えておりません。
 最後に、地震対策についての認識が甘い四国電力の対応をどう思うかとのお尋ねでございます。
 四国電力では、これまで、敷地前面海域活断層群や中央構造線帯に起因する地震など、伊方発電所建設以降の新たな知見に対しましても、その都度耐震安全性を再評価し、国に安全性の確認を受けてきたところでありまして、県としては、現時点で必要な対応が図られているものと考えておりますが、引き続き、耐震指針の改訂等に対しましても適切に対応するよう指導してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

平成17年 第295回定例会 (第5号12月 7日)No.31 阿部悦子議員(再質問)
 最後、6の5プルサーマルでございますが、女川原発では、先般の地震で3基とも原子力発電所がとまったままであります。この地震想定はマグニチュード7.4で184ガル。そして、 250ガルまで増強して備えていました。しかし、起こった地震動は、マグニチュード7.2で284ガルという地震が起こったのです。これは伊方でもそれを採用しています大崎方式という、そういう計算過程での間違いがあったということです。
 知事はこのことを考えて、本当に今こっちの方を先にやっていただきたい。プルサーマルを進めるのはやめていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。(発言する者あり)

No.35 加戸守行知事
 阿部議員の再質問に答弁いたします。
 ただいま女川地震等々の他県におきます状況を例にひかれまして、この計画中止についての再質問と承知いたしました。
 具体的なさまざまな形での問題等ございますが、阿部議員の再質問の趣旨は、プルサーマル計画あるいはプルサーマル導入に関するものというよりも、原子力発電所あるいは原発そのものについての危険性という形で私は聞こえてまいりましたけれども、特にそういった状況があるから伊方におけるプルサーマル導入についての計画を中止すべき理由としての質問とはちょっと受けとめかねております。
 したがいまして、この問題につきましては、先ほど申し上げましたような、すべて伊方原子力発電所におけるプルサーマル計画のこの安全性をどのようにして確保できると言えるのかどうか、並びに地域住民、県民の理解がどの程度まで進んでいるのか、そういった視点から判断すると申し上げました答弁に変更はございません。

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