伊方原発の廃炉のために

2006年から「伊方原発のプルサーマル問題」として続けてきましたが、伊方原発の廃炉のために、に15年に改名しました。

緊急:泊3号の問題を内部告発した原子力安全基盤機構検査員藤原氏へのIWJインタビュー

2011-08-17 10:15:24 | 関係資料

8月16日のIWJで4時間を越えるインタビューに聞き入っていました。その録画版Ustreamを紹介しておきます。

1.【対談前レクチャー】110816岩上安身×藤原節男 原子力発電所についての講座19分間(+2.の前半1時間)

http://www.ustream.tv/recorded/16676853


2.110816岩上安身×藤原節男(元原子力基盤機構 検査員)緊急インタビュー①(対談開始:1時間7分~)3時間

http://www.ustream.tv/recorded/16677210

一部を抜粋しておきます。

Q.(岩上安身)原発リスクについて

A.(藤原節男)こんなにもええかげん、学会・規制当局・メーカー3者原子力ムラがいかにええ加減というか、素人集団か。元々分かっていたが、反原発も意義ありになった。原子力推進原理主義派、安全推進派、脱原発派に3つに分けると私は安全推進派だった。

Q.311前に起きたことが本題。05年4月に三菱重工退社、保安院の下請け機構の検査員になられた。09年3月に検査記録の改ざんを上司から命令された。どういうものか。

A.泊3号機。減速ラウンド係数がプラスの方に、原子炉固有の安全性が損なわれているということが分かった。2日目は、是正して検査やり直し。制御棒を若干入れてホウ素濃度を高くして再検査。予定通り、自己制御状態に復帰。

1日目も2日目も要領書に記録しなさい、とあるので、報告書に記録して戻った。それ以上制御棒を抜いたらダメです、という制限状態付きで許可を出すことにした。

戻って上司からは、こんな報告書は見たことない。出来損ない報告書には判を押さない。1日目の記録を抹消するように、と言われた。

Q.その発言の意味、こうした状態はまれにしかないのか、それとも報告書に書くことはありえない?どちらの意味?

  A.両方ですね。 

泊3号機は初装荷時からすべての燃料が高燃焼度燃料を入れているという特異な炉。

沢山燃やせる。飛行機で言えば航続距離が長い。それを始めて入れたのが泊3号炉。ホウ素濃度を高くしておかないと、臨界状態になりやすくなる。原子炉の固有の安全性が損なわれることになる。

Q.加減が重要だよ、そういうことがデータで残っていて、情報が共有化していないと大変なことになる。バランスを理解するためにも必要な情報だった。理解しないで運転していると悪い結果になることも。

A.その通り。MOX燃料も同じような状態。

Q.ホウ素が高くなるというのは、抑制的にするため?

A.ウラン235が沢山あると、余剰反応度というのが沢山ありまして、それを抑えるためにホウ素を入れる。

自動車でいえば、30km/hで運転しているのと60キロとでは違う。自動車もリスクが高まる。

原子炉も安全余裕の中ではあるけれども、44→55GWh/dayトンを使うと。

もうひとつ、記録というのは、グループ長が何を言おうが、変えちゃいけない。デッキ工作物検査員ということで、相手方は、原子炉主任、これが記録というのは報告書に添付。それをいとも簡単に、変えろと。

Q.珍しいことだから変えたいのか、そうそうあることではない、まれなこと。だからこそ気をつけなければいけない。もうひとつは、これまで同じ事がまかりとおっていた。原子力行政への不信に繋がりかねないこと。

A.推進派の電力、経産省におかれているわけです。私は、知識もあって、30年もやってきて、肩書きを持ったものを検査をするのは、国民が安全と納得するだろうと。昔コメ検査員というのがあって、検査員不要になったときに、まだ組織なかったが、経産省の検査部門に、農水から、同じ検査員だから、と食い扶持がなくなったと、原子力の方に回す。

Q.ほんとですか?いつごろの話です?

A.昔、平井さんの遺書の中にあったが、それを読む前から、私原子力ムラの中では周知の事実だった。

Q.これは衝撃的ですね、むちゃくちゃです。どう考えたってむりでしょうという人間を、大変大事なポジションに、門外漢をつけていた。

A.さすがに原子力ムラでもできないという声はあって、原子力安全保安機構ができたときには、資格のある人を検査員にしましょう、となって、我々はかり出されたわけです。

Q.世間に対する説得力のある仕組みを作ったその必要性は?

A.それは東電のシュラウド問題隠しがあって、東電の人間はあまり採用しなかった。世間体から。私はガチンコで検査をやってきた。これだけじゃない、他にもあった。私は入って、2,3年経って、チーム長とやりとりして、この男とは同じチームでは働けないと他に移された。ガチンコ検査員は、協調性がないとか、馬鹿な検査員という、空気を読まないと、言われてそれが評価に。

Q.適当にお茶を濁して、物わかりの良い、決して安全性を追求しないそういう検査員が主流を占めることに。

A.私は元々士農工商、という言い方、官僚/電力会社/メーカー/下請け(の身分制)で、東電がBWRの最高ユーザーとして仕切る

Q.福島原発の事故で、もう原発ダメだ、と言う人が多い中、この原子力ムラの中では、あ、BWRの危機だ、けれどもPWR派は俺たちのチャンスだということ?

A.そうです。

Q.09年それ以前もあって、このまま捨て置けないと考えてこの年の7月ですか、批判を始められた。11月頃に安全委員会とに4通の内部通報を出した。もめたプロセスを。

 A.まずグループ長に記録改ざんせよと言われた。私はしませんと。次に部長が検討タスクグループを通して自分では、言うととげが立つので、タスクグループに非難させた。私は動じずに、何を言っているか。藤原改定案と言うことで持ってきたものを否定して、自ら作って示したが無視された。

  こんどは理事長に言った。宥めてきたので、業務改善目安箱というもの09年5月ころから全官庁にできていた。内部告発推奨(総務省の指示書)に基づいて改善提案を18件した。この件だけじゃなくて。

 一件も採用されなかった。結局、ガス抜きにもならない。回答が出た10月頃、原子力安全委員会に言った。内部告発、シュラウド、JCOでできていたから。そこでは、いや、原子力安全に関係有りませんというのが回答。

Q.先日も斑目委員長、泊の話報告を聞くだけ、可否は自分たちで定めないと。無責任ですねー。

A.われわれそういう権限ありませんよ、という感じなんですね。法律的には事業者に対する内部告発。でも検査は安全には関しているでしょう。すべての検査はメーカーがやり、はんこをつくだけ。一蓮托生なわけです。内部告発は事業者だけ野問題じゃない。事業者行政一体の問題。内部告発の制度を作らないと。原子力安全には関係ないなんて言えないじゃないですか。

 しかたなくて蹴られてダメもとで、原子力安全保安院の中に、原子力施設安全情報申告調査委員会に話をした。そちらでもやっぱり、原子力安全には関係有りませんと。

 日本国内では私の問題を取り扱ってくれるところはないと、とうとう、IAEAのホイッスルブロワーのセクションに加盟国日本へもの申すよう伝えた。結果は官僚と同じ。IAEAの組織の中についての規則にすぎないと。

 敦賀2号機の再生熱交換器の事件99年、当時三菱重工の中で事故究明、客先対応をしていた。私は、問題を共通の原因と主張したが、敦賀2号機だけの問題として類似プラント5機については問題ではないと原因判断してしまった。

 その後03年泊2号炉で同じ故障。以前のシミュレーションテストで記録改ざんがありましたよ、と高砂研究所の同僚が申告調査委員会に内部告発していた。それを後で知った。

Q.これって結局、原子力情報、原子力ムラと言いますけれども、ムラの人が全部情報を共有していてね、どこで改ざんされ、何がおかしくて、みんなそれぞれを知っていて、こんなムラなんでシーって言ってムラの外、我々のような一般市民国民を欺いている、こういうイメージで捉えている人も多いんですが。そうじゃなくて、あまりにも巨大で、みんな何をしているのか知らなくて、お互いにそのムラの住民もそのムラ全体のことを素朴に信じ込んでいたりする。そういう状況にあるわけですね。で、なにか問題があって調べていくと、自分のムラでは何かしら瑕疵があったけれども、あ、あそこでもかここでもか、という状況。

A.それが私の状態です。

Q.つまり総覧していて、全体を見渡している視座の人なんていない。ということですか?。

A.そう。同委員会は、そういう事実があったとしても、全く安全には問題無いと結論した。

Q.今回の事故で際立ってなんだ、と思うんですが、これまで小さい事故についてのやりとりしることないままで、今仰天している。彼らにとっては今まで通り。」「そうそう」 

3.110816岩上安身×藤原節男(元原子力基盤機構 検査員)緊急インタビュー②泊3号の運転再開/ストレステストについてなど 11分ほど

http://www.ustream.tv/recorded/16679287

 

関連記事を紹介します。

「泊原発3号機・検査結果は真っ赤な改ざんです。」と検査官の下請けさんが内部告発。

 

昨日のツイッターを転載。

2011年08月16日(火) 

藤原「反原発派にコメント。ダメとは思っていません。もっと良い方法、トリウムサイクルなど、成功した暁には、増殖サイクル2000年間有効なものかも技術、研究が絶えないようにしてほしい。」 ( #iwakamiyasumi2 live at http://t.co/ZM2CNMy)

posted at 23:21:32

音声復帰。 ( #iwakamiyasumi2 live at http://t.co/ZM2CNMy)

posted at 23:17:11

音声ロスト ( #iwakamiyasumi2 live at http://t.co/ZM2CNMy)

posted at 23:16:21

藤原「熊本一規氏も参加の灘高OBMLでこの話をしたら、手を組もうと。裁判にも来てくれて後輩の海渡雄一ww氏が支援を。」 ( #iwakamiyasumi2 live at http://t.co/ZM2CNMy)

posted at 22:45:06

藤原「天職を原子力に捧げてきた。ないがしろにされてなるものか、という心境」 ( #iwakamiyasumi2 live at http://t.co/ZM2CNMy)

posted at 22:34:21

岩上「今回の事故で際立ってなんだ、と思うんですが、これまで小さい事故についてのやりとりしることないままで、今仰天している。彼らにとっては今まで通り。」「そうそう」 ( #iwakamiyasumi2 live at http://t.co/ZM2CNMy)

posted at 22:29:07

岩上「結局、村の中だけで情報隠蔽して、広い原子力村全体の中で真の情報を総覧している人はいないということですか?。」藤原「そう」 ( #iwakamiyasumi2 live at http://t.co/ZM2CNMy)

posted at 22:25:56

藤原「その後03年泊2号炉で同じ故障。シミュレーションテストで記録改ざんがありましたよ、と高砂研究所の同僚が申告していた。それを後で知った。」 ( #iwakamiyasumi2 live at http://t.co/ZM2CNMy)

posted at 22:23:44

藤原「敦賀2号機の再生熱交換器の事件99年、当時三菱重工の中で事故究明、客先対応をしていた。敦賀2号機だけの問題として類似プラント5機については問題ではないと原因判断してしまった。 ( #iwakamiyasumi2 live at http://t.co/ZM2CNMy)

posted at 22:21:10

藤原「とうとう、IAEAのホイッスルブロワーのセクションに加盟国日本へもの申すよう伝えた。結果は官僚と同じ。IAEAの組織の中についての規則にすぎないと。」

posted at 22:14:56

「関係有りません」規制側は内部告発できない! ( #iwakamiyasumi2 live at http://t.co/ZM2CNMy)

posted at 22:13:14

藤原「こんどは理事長に言った。宥めてきたので、業務改善目安箱に09年5月に指摘(総務省の指示書に基づいて)を18件。この件だけじゃなくて。」 ( #iwakamiyasumi2 live at http://t.co/ZM2CNMy)

posted at 22:08:07

岩上「捨て置けないと考えて批判を始めた。4通の内部通報を出した。もめたプロセスを。」藤原「まずグループ長に改ざんせよと言われた。次に部長が検討タスクグループを通して非難。」 ( #iwakamiyasumi2 live at http://t.co/ZM2CNMy)

posted at 22:05:34

藤原「東電がなかったらBWRはぽしゃっていた。ABWRで飛躍を期待していたが事故で。」 ( #iwakamiyasumi2 live at http://t.co/ZM2CNMy)

posted at 22:03:32

岩上「なぜ東電はBWRに拘る?変更はきかない?」藤原「できない。方式で膨大な設備投資。経済性の問題」 ( #iwakamiyasumi2 live at http://t.co/ZM2CNMy)

posted at 22:00:46

藤原「検査員は空気を読んではいけない。しかし、それが悪評価となる。」「私は元々士農工商、という身分、官僚/電力会社/メーカー/下請け(の身分制)で東電がBWRの最高ユーザーとして仕切る ( #iwakamiyasumi2 live at http://t.co/ZM2CNMy)

posted at 21:59:03

ダメダメなのは安全・保安院。 ( #iwakamiyasumi2 live at http://t.co/ZM2CNMy)

posted at 21:54:37

全部ばれてしまったな~♪ ( #iwakamiyasumi2 live at http://t.co/ZM2CNMy)

posted at 21:53:15

岩上「このこと(改ざん命令)がまかり通っていた。他にも沢山あったのかもしれない。」藤原「私は元三菱重工で、知識もある。世間体、納得するだろう。コメの等級を決める検査員が原発検査に横滑り ( #iwakamiyasumi2 live at http://t.co/ZM2CNMy)

posted at 21:50:27

藤原「安全余裕度が少なくなったという証拠を残しておかないと、前の仕組みを頭に運転する人が出るかも知れない。そもそも記録というのはかえちゃいけないもの。」 ( #iwakamiyasumi2 live at http://t.co/ZM2CNMy)

posted at 21:46:42

余剰反応度ですね。 ( #iwakamiyasumi2 live at http://t.co/ZM2CNMy)

posted at 21:44:44

ホウ素濃度を高くして、運転の安全係数を確かめる上で、重要なこの結果を隠すという、とんでもない話だったとは。高燃焼度燃料の種類はステップ2かなー? ( #iwakamiyasumi2 live at http://t.co/ZM2CNMy)

posted at 21:42:58

伊方でもステップ2燃料をプルサーマルと混焼させているとして、特異な状況があると問題視されているものです。 ( #iwakamiyasumi2 live at http://t.co/ZM2CNMy)

posted at 21:41:07

藤原氏、泊3号機は初装荷時からすべての燃料が高燃焼度燃料を入れているという特異な炉。高燃焼度燃料とは、3年ではなく4年間運転し続けられるようにしたもの。 ( #iwakamiyasumi2 live at http://t.co/ZM2CNMy)

posted at 21:38:57

内部告発の藤原氏、注目の泊3号機について語る。安全保安院の下請け機構の検査員として、上から報告書から不都合箇所を抹消せよと言われたと。高濃縮度燃料について。 ( #iwakamiyasumi2 live at http://t.co/ZM2CNMy)

posted at 21:36:35



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