萩尾望都先生が大泉サロンについての本を出されたので
遅ればせながらちょっとずつ読んでますが
これ
いやあ。
昔、少女漫画家に憧れた時代のみんなは
友人もそうでしたが、なぜかあの「業界」にやたら詳しくて
竹宮先生と増山さんが仲良くてどうのとか…話す人は多かった。
(ネットもない時なのにどこからネタを仕入れていたんだろう…)
私が竹宮先生のお宅に行った時
マネージャーさんが既に増山さんではなかったので驚いたという、
そのくらいには有名だったもんね〜
当時、漫画家に憧れた友人は踏み切り事故で他界しましたが
うちらが漫画同人誌を最初にやり始めた頃と今と比べると
本当に「思えば遠くへ来たもんだ」感があります。
ましてや24年組といえば、70年代ですよね…高度経済成長期。
まず昔はネットもない、雑誌か新聞4コマ以外に漫画はなくて
「担当がつく」というのは超憧れの、マウント取れるようなステータスでした…
それが今はどうだ、仕事するんなら担当者はいて当然で
いわゆる「漫画業者」も増えました。
広告漫画を派遣でやるも仕事、メロンブックスで同人誌通販も本気で稼ぎがやりゃあ仕事。
ウェブ漫画家も銭を貰えば仕事…
Twitterで描き続けるのもあるし。
要は仕事をするかしないかになってしまいました。
夢を描くつもりが描かされ、漫画で仕事をすることと
「アーティスト」としての冠を戴く漫画芸術家、「売れる」とは別です。
自分の頭の中にはずっと24年組があって、好きな漫画を自由に描いて
それで仕事できるなら最高だろうな〜と思ってましたし
デビューしたみのり書房みたいに雑誌が潰れるとか(草w)
考えたことすらなかった。
こんなに多くの人が漫画を読んで描くなんてのも、思ってなかったし
パソコンで描くとかSFちゃいます?
あとこの本、まさか萩尾望都先生が
自分は下手だとか、自分のは面白くないと思っていたとは
マジか〜。
いやまして、こんなに描く人増えてる世の中
周りを「ライバル」に見たら生きられんよ自分><
比較して上手い人なんか山より多いのよ。
比較して面白い人なんか無限にいるのよ…
「わはは〜超売れんw」て笑って、でも新刊出すよねという
もはや「悪癖」でないとさ…鬱になって死ぬよ。
いやほんと今や
世界中の人が「MANGA」を描くんですよね。
それで
漫画を取り巻く環境とか「舞台」は
進歩したのでなく
「やたら滅多ら選択肢が増えた」
のだと思います。
デジタル化でスピードも上がってるし
「好きなものを描いても売れなければ全然ダメ」でなく
「好きなものは同人誌でやる!」
この選択肢ができるって大きいかも。
漫画を描くこと=漫画で売れる=プロである=自己実現で素晴らしい
これは単なる「選択肢の1つ」になりました。
漫画が多様化したおかげだと思います。
だから
「漫画を描くこと」=どっかの企業のPRに貢献する でもいいし
「漫画を描くこと」=同人誌で本出して楽しむ
=ピクシブやTwitterで楽しむ でもいいし
当然、金にはなったりならなかったりするでしょうが
金になろうがなるまいが、やることに変わりはないものを
アイデンティティと言って良くないかと思います。
数字で競って、実力で勝ち残ってという
御山の大将やれるほどメンタル強くないんで
ずっと楽しんで描けて仲良くできたらそれでいいんだけどなあ、て思います。
今は令和の、漫画世界。