西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

「折々のことば」より

2015-08-25 | 食物栄養・健康・医療・農業・教育
『朝日』1面で毎日掲載の鷲田清一さんの「折々のことば」が4月に始まり、ほぼ5カ月経った。中々含蓄ある言葉に日々出会っている。今日は142日目の次のことばである。


「わたしたちがそれを頼りに生きている真理の圧倒的に多数は、検証されていない真理からなる。ウィリアム・ジェイムズ」である。

例えば、我々の体は、全体でバランスを取り、不都合な部分が見つかれば先ずは「自己免疫力」を動員して「正常状態」を回復しようとする。「全体関連バランス」である。「ホメオスタシス」という言い方もあったかな。これらの全体は無意識状態におかれた部分が大半だが、それらの部分の持っている「真理、法則性」が働いている、と取りあえず認識しておこう。

「認知症」治療、予防は、専門職、地域住民による総力戦で・・・

2014-09-11 | 食物栄養・健康・医療・農業・教育
認知症を少しでも治療し、予防するためには関連の専門職の方々や、色々な地域住民の共同、協力が不可欠だ。いわば総力戦である。

その中でも、医者(ドクター)たちの自覚的な共同、協力が中核とならねば、と思う。新しい医療と生活の出現だ。

呼吸、飲水、食べるについて

2013-08-25 | 食物栄養・健康・医療・農業・教育
今日は、facebook、地域SNS、ブログ同じ記事にした。

栄養、運動、休養・・・健康の三留意面(今日も運動についての4)→facebookより

呼吸、飲水、食べる→先だって「呼吸」について書いた。緊張し、力を出す時は「吸う」、リラックスの時は「吐く」ですよね。だから「ため息」はリラックスしたいサインです。大きな顔で「ため息」をつきましょう。

で、呼吸は5分も止められない。だが飲水は5分はおろか普通は5日間止めても大丈夫、でも熱中症危ないときは頻繁飲水だよね。

そして食うは5×5の25日「断食」も可だ。日本人は、その昔アフリカを出発し、飢えに耐えつつ、途中残念にも亡くなった人もいるが、無事、現在、日本で生きている同胞は皆飢えに耐えてきたのだ。我々はその遺伝子を持っている。

少々の「断食」も大丈夫なのに「飽食」にふけるからメタボになりダウンするのだ。

鼻、口、小便器、大便器で出し入れしている物に対して長年生きてきた僕流の評価と位置づけである。どうでしょうか。

だから、いい空気、いい水、いい空気を「入れ出し」しましょうね。

薬膳の効能を科学の言葉で

2013-07-19 | 食物栄養・健康・医療・農業・教育
今日、近所の病院でやっている「健康教室」に行って、薬膳を頂いた。夏バテを防ぐ意味合いもある。「会費」600円、レシピ代50円で「お得感」のある「健康教室」だ。

私は夫婦で出かけたが、良くお会いする同じ町内のk.さんも来ておられた。並んで座って色々軽口もたたきながら美味しく頂いた。

で、食後に「管理栄養士」(女性)の薬膳に関する解説があって、それも有意義であった。それを聞きつつk.さんは「体が温まる食べ物、冷える食べ物と言っても、その食べ物のどういう成分が体の何にどのように働きかけて温かくなるのか、あるいは冷たくなるのか説明してもらわないとにわかに信じがたい・・・」といったようなことを言われた。

まことに尤もである。まあ最初から熱を通して温かいもの(例えば、鍋物など)を食べれば体に入ってその熱を伝えるので温かくなるとか、元々冷たいものを食べれば体も冷える、といった誰が考えても「当たり前」のことを超えると、まあ「澱粉、脂肪、タンパク質を熱に変える成分を多く含む食物を食べると温かくなり、そういう化学変化にブレーキをかける食物を食べると冷えてくる」みたいなことかな。

メカニズム分かる方は教えてくださいね。


甲状腺の超音波検査、ついでに首の「脂肪の塊」も・・・

2013-07-11 | 食物栄養・健康・医療・農業・教育
今日、定例の検査に、天理よろず相談所病院に行った。4階の生理検査所だ。 女性の検査員、医師の指示書では、甲状腺のみ検査となっているらしいが、私は「そもそもこの検査が始まったのは、首の「脂肪の塊」とおぼしき出っ張りが「悪性」でないことを確認してほしい、ということから始まっているので、是非お願いしたい」と申し出た。

検査員も「ひょっとして二度手間になるといけないから、そこも検査しときます」と言った。あー良かった。

西洋医学、何から何まで信頼しているわけではない。まあ、でも「検査技術は、大幅に進化している」と思う。この超音波検査や血液検査は「長足の進歩だ」とも思う。

2週間後に検査結果について「解説」がある。どうなるだろうか。

身体の運動の考察

2013-06-16 | 食物栄養・健康・医療・農業・教育
この話は、カテゴリーのうち「健康」に入るのかな。 今朝、いつものようにラジオ体操をした。「第一」も「第二」も各13の「動きユニット」で成っている。

これらは、全体として身体の動き(運動)の観点から色々な部分の色々な動きを取り入れていると言える。

しかし身体の様々な動きの可能性から言うと、まだまだ「未開発」な領域があると言えよう。まあ例えば「太極拳」には、ラジオ体操とはまた違う部分の違う動きが含まれる。

踊り、西洋バレーでは、又別の激しい動きが含まれている。体全体の骨や筋肉を隅々まで柔軟に動かせられるーというのが究極の姿かな。

まあ、だからこそ「ストレッチ」「パワーアップ」そして「エアロビックス」等を色々組み合わせて「身体運動」をするのである。ぼちぼちやっていこう。

「がん検診のメリット・デメリット」

2013-06-13 | 食物栄養・健康・医療・農業・教育
地元の精華町で色々検査をしつつあるが、その際、表題のようなビラをもらった。

今までなら、「メリット(利点)」のみ書いて宣伝するのに、今回初めて「デメリット(マイナス面)」も書いたものをもらった感じ。で、その「メリット」「デメリット」を二つづつ上げているが、それらを書いておこう。

メリット   〇早期発見、早期治療による救命の効果  〇がん以外の治療の必要な病気も発見できます。

デメリット  〇がん検診の結果・判定が100%正しいというわけではありません。  〇検査によって、身体に負担がかかってしまうことがあります。

だから、検査やらない人も増えているようだ。私も「デメリットの言い分」の方の肩を持ちたい。

たばこの害を言いつつ売りつけるのと、検査のデメリットを言いつつ「検査してー」というのはよく似ていないか。

健康に関する諸説の検討をやっていこう

2013-05-30 | 食物栄養・健康・医療・農業・教育
健康情報が、巷に溢れている。常識的に「そうかな」と思っても異説が出てくる。

例えば、高血圧の原因は食塩の取りすぎ、と思っていたら、「いやいや食塩を多く取っても高血圧にならない体質の人と、そうでない人がいる。ならない体質が日本人では多数派だ」という説が出てくる。もしそうなら、自分はどちらの体質なのか、はっきり検査する方法が知りたい、となる。

で、最近たまたま「ちくま新書」で久坂部 羊(くさかべ・よう)著『医療幻想ー「思い込み」が患者を殺す』というある意味「物騒な」本を読んでいる。著者は1955年生まれ。小説家・医師(阪大医学部卒)である。

この本を離れて、先の食塩の話の他に、水を沢山(一説に日に2㍑?)飲むのが良い、という説とそんなに飲まなければならないことはない、という説があるらしい。また、体温を高めに保った方が自己免疫力も上がって良い、というのと、平均体温低めのほうが代謝がゆっくりしてより長生きになるのでは、という説もあるようだ。

こういうのは、本当は医学界で科学的エヴィデンスを基にして決着をつけてほしいと願っている。あとは自己学習である。

運動を意識的にする根拠、理由、やり方など

2013-05-29 | 食物栄養・健康・医療・農業・教育
健康を維持し増進するために毎日のように運動する根拠や理由はなんであろうか。

まあ一口で言うと、現在の毎日の行動が、本来そうあるべき、と言おうか、そういうものになっていないので、本来の行動に近づけるため行っている、また行うべし、と言ってよい。

例えば、パソコンの前に座って長時間、今までの人間行動になかった行動を持続すれば、目や肩や指先などが「疲れる」、それを解消するために「30分やったら休んで肩を回したり、目をつむったりするなど」をしているのだ。

逆に昔から人間が二本足になって以来、狩猟や採取で走り回ったり、農耕生活になってから腰を曲げて力仕事をするなど、無理なこともしつつ、現在に至っているから、昔使っていて現在はあまり使っていない筋肉を適度に意識的に引っ張って(ストレッチ)やるのだ

走り回る代わりに意識的にウオーキング(有酸素運動)もやっている。重いものを手や足で持ったり上げたり(筋肉トレーニング)もするのだ。

まあ、急に強くやるのではなく、徐々に、しかし継続的にやっていこう。

肩痛なしの肩硬し、日々「肩回し」などに取り組むべし

2013-05-28 | 食物栄養・健康・医療・農業・教育
今日は「アクティヴ・プラス」(より活動的に!)の日、地元の社会福祉協議会がやっている事業の一つで介護予防事業と言える。

まあ体をあれこれ動かす運動(ストレッチ(筋伸ばし)、パワーアップ(筋トレ)、エアロビックス(有酸素運動)=SPA)の組み合わせを約1時間半(10時から11時半頃まで)取り組む。毎週2回、3か月が1期、僕ら2人は、昨年10月からだから現在4月から3期目だ。

今期は18人ほどの参加、指導は、毎回看護師(全体進行)一人、健康運動指導士(運動指導)一人、そして数回に一度理学療法士、歯科衛生士が来て指導してくれる。今日は看護師、健康運動指導士に理学療法士が来てくれた。

私は前々から「肩凝り」と申告していて、理学療法士も僕の肩に触って「これは硬い、放置はまずいから・・・」と肩回しや肩甲骨を寄せる運動などを教えてくれた。肩もみは別にしなくても良い、というが揉むと確かに気持ちが良い。

ところで、この私の「肩凝り」は、「肩痛」を伴っていない。まあ、こういうの40年も引きずってきたのかもしれない。途中、2年ほど前に「50肩」になり左手が3か月ほど「上」にあがらなかったこともあるが・・・。

しかし「肩痛」を伴わないので見過ごして手当をしないままになる恐れがある、と言われた。心してSPAスパッとやっていこう。そして、ゆっくり温泉(=SPA)に行こうよ。

「病の起源ー脳卒中ー」早すぎた進化の代償より(NHKTV)

2013-05-27 | 食物栄養・健康・医療・農業・教育
2013年5月26日のテレビで「病の起源ー脳卒中ー早すぎた進化の代償」をやっていた。病気の真の原因が明確に中々分からず、まあ治療と言うと症状に対する対症療法が多かった印象だが、こういう人類進化の歴史から「病気の起源」を探るのはよいと思うし、関心もある。先週は「がん」であった。これについては又触れたい。今回の番組の「歴史の旅人」は女優の室井 滋さん。

脳卒中の定義をはっきり言っていなかったが、私の理解で、「脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など」としておこう。

現在、世界の脳卒中発症は年1500万人と言う。これは人類史においてはアフリカにおいて、700万年前から、チンパンジーと別れた時点から人類におこってきたもので、チンパンジーにはおこっていない。これは、ホモサピエンスへの進化の過程で脳が急速に巨大化したこと、6万年前の出アフリカによる生活環境の急速な変化(寒冷化など)が大きい。

脊椎動物の進化で、4億年前の魚類から脳血管は「薄く」なったが、2億年前の哺乳類から脳血管は「薄く」、脳以外の体血管は「厚く」なった。それは体はよく動かすため「厚く」なったが、脳は運動しないため「薄い」ままだった。

人間の脳血管は総計600㎞もあり、毛細血管が増えて隅々まで血液を循環させている。幹血管から毛細血管に分かれる外側で血流が速くなり血管に圧力が強くかかって「薄く」なって微小動脈瘤が出来、それが膨らんで動脈瘤になり、遂に脳卒中となる。

一応、治っても手足や口が動きにくくなる場合が多いが、何故だろうか。脳に広く分布する運動神経野から、血管が脳から体に出ていくところにあるレンズ核綿条体動脈がやられて脳卒中になりやすく、その場合、運動神経末端部に血液が行きにくくなるためである。

人間は250万年前から運動能力が進化し、石器も進化して他の動物の食べ残した肉を骨からそぎ取って食べれるようになった。

先にも触れた6万年前の出アフリカ以来、環境の変化に対応し、食物の調理や貯蔵でも塩を使うことが増え、ナトリウムイオンも増え、それを薄めるため水を多くとると「血液量」が増えて血圧が高くなってきた。これも脳卒中の遠因である。

ところが、食塩の摂取量の低いアフリカのピグミーには脳卒中は「ない」ようだ。血圧は低く、我々の場合、高齢になると血管の弾性が落ちて血圧が高くなるのに、ピグミーの場合は年齢が上がっても「最高血圧」110台のようだ。

最近、脳以外の首の血管でも「(脳)卒中」が増えだしているのは、肉類、脂類の「とりすぎ」も原因と考えられている。

「脳卒中予防」の先進取り組みは、九大医学部のサポートの下、福岡県久山町の取り組みだ。ここでは、肥満を減らし(BMI値低く)、運動も週3回以上実践して血圧を下げている。 さあ、我々も予防に励んでいこう!!




脳梗塞の早期発見ー「ためしてガッテン」より

2013-05-23 | 食物栄養・健康・医療・農業・教育
昨日22日の「ためしてガッテン」では、脳梗塞の「早期発見」をやっていた。日本では、現在、年間20万件の脳梗塞発症をみているが、そのうち5%の1万人ほどしか「特効薬」と言われる「t-PA」が使われていない。  それは、発症してから薬が使われるまで4時間半以上経つと効果がなくなるためである。日本では、現在、平均10時間で病院治療現場に到達している。

発症した本人が何故病院に行くまで10時間もかかるのだろうか。それは本人に「正常性バイアス」がかかるからで、「危険に対する感度が下がって」「とりあえず様子を見てみよう」という行動になるかららしい。イギリスでは、これを劇的に改善する「コマーシャル」が成功したと言う。それは、「FAST」運動と言って、Face(顔の麻痺)、Arms(腕の麻痺)、Speech(ろれつが回らない)、Time(短時間で見つけて病院へ)・・・これらを「正常性バイアス」を避けて発症者本人ではなく、家族や友人に呼びかけてやってもらうことにしたのだ。

「あなたの迅速な行動がその人の人生を救うのです。」という文句が効いているようだ。 (「正常性バイアス」は本人以外には、かからない、と言う。)

日本でも、国立循環器病センターが、「FAST」カードを作り、中高生などに普及しているようだ。 健康な家族が身近にいる場合は、うまくいく確率が高いかもしれないが、単身者の場合などはどうするか、しっかり考えていかねばなるまい。

近所の健康教室に行って精進料理食べ、話を聞く

2012-10-25 | 食物栄養・健康・医療・農業・教育
今日、近所のT中央病院主催の「健康教室」に行って精進料理(永平寺風)を食べ、その精進料理の話を聞いた。

この教室については、近所に住む「地域sns、けいはんな市民雑学大学」仲間のkotaroさんに聞き、一度行ってみたら、と言われていたし、妻が友人と何回か行っていて、僕にも参加を勧めたことと、今日の教室が実際に病院の調理室でつくった「永平寺風精進料理」を食べて、話を聞くというところに魅力を感じ、一人で行く羽目になったが、頑張って出かけた。今日は、60人ほど参加の「大盛況」だったがkotaroさんや知り合いの顔はなかった。

12時からなのだが11時半に行った。その頃までに行くと、事前に料理を食べさせてくれる。「中会議室」で、まあ定員20名ほどである。参加費(レシピ付きで)650円、美味しく、栄養バランスしており、「安い」と思った。

出た料理は、レシピによると、主菜とおぼしき「精進チンジャオロース」、(平椀)「ナスとカボチャの揚げびたし」、(膳椀)「山ゴボウの酒粕あえ」、(汁椀)「新ジャガの揚げ汁」、(飯椀)「わかめご飯」、(デザート?)「トマト寒天寄せ」だった。

12時前に「大会議室」に移動、食事を済ませた我々20人は一番前の椅子席、他の後から来た40人ほどは机つきの席で次々と目の前に料理が運ばれてくる。12時10分過ぎから半前まで「レシピ」の説明やアンケートのお願いなど、聞きながら皆食べている。

先に食べた我々は、レシピを見たり今日の話の「レジュメ」を見たり・・・。

12時半から管理栄養士とおぼしき「Y.」さん(女性)が精進料理の説明をした。いくつか耳に残ったが、それは「精進料理は栄養のバランスがとれているということ。よく五法、五味、五色ということを言う。 「五法(ごほう)」とは、生、焼き、煮、蒸、揚げであり、 「五味(ごみ)」とは、甘い、辛い、苦い、酸っぱい、塩味であり、 「五色(ごしょく)」とは(野菜などの色で)、赤、緑、白、黄、黒で、黒食物(海苔、ごま、茄子など)が不足しがちとのことだ。この三つの「五」をバランスよくとるのが肝心とのことだった。

月に数回、ランチ付きは一回くらいで後は「デザート付き」のようだ。又行こうかな。

iPS細胞の将来、他の分野への波及序論

2012-10-13 | 食物栄養・健康・医療・農業・教育
iPS細胞を人間で初めてつくった山中伸弥さんは、「今までに一人の命も救っていないのだから、重要なのは今後で、現実の医療に生かす責任をもっている・・・」と述べている。 

この技術の位置づけ・意義を、大局的に言えば「人間の臓器、部分の欠陥をiPS細胞由来の臓器、部分で補って、人間の命を救い、延命化させることだ。」と言えるのではないか。これが現実となるのは将来のことである。理化学研究所を中心に網膜の加齢性黄斑変性に対する臨床試験が来年あたりから始まるようだ。

医療(治療及び病気が起こるメカニズムの解明)や創薬への応用は、iPS研究所(山中所長)でも表明しているし、良く分かる。

では、将来、人間生活が、それによって(延命化)によってどう変わるのか、またどう考えたらいいのか、は考えようによっては大問題ではなかろうか。

前にも一寸述べたが、iPS細胞由来の臓器や部分は、前の(病変の)臓器や部分より長命なのかどうか。もし長命なら、体全体の寿命の長短とどう関係するのか。

現在の延命治療というと、段々弱って死に至る延命、というイメージだが、もし元気延命だとしたら、それは生命倫理の上でどう考えたらいいのか。

まあ次から次へと現実的問題が起こってくるに違いない。

インターン制度と新臨床研修医制度など

2012-10-08 | 食物栄養・健康・医療・農業・教育
昨日、Eテレで戦後の日本の医療制度変遷を1時間半にわたりやっていた。

先進国のレベル、つまり人口10万人に医者150人、医療費は税金で無料というイギリスのNHS(ナショナル・ヘルス・サービス)、それに見習おうとしたが、うまくいかず、日本では全体として国民皆保険自由開業医制の中で過疎地というか全国的にどう医療のサービスレベルを揃えるか、というのが大問題だったし、今もそうである。

懐かしい「喧嘩太郎」こと医師会会長の「武見太郎」氏も出てきた。

私が社会に出た1966年辺りから激しくなってきた大学紛争は、医学部から火がついた。医局制度とインターン制度が問題となり、結局1968年(昭和43年)にインターン制度(2年間医局を中心に大学付属病院で色々な科を回り経験を積む)は廃止されてしまった。教授を頂点にした医局の末端にインターンが位置付けられこき使われるという医学部生の主張が通ったかたちである。

若かりし日野原重明さん(聖路加国際病院)は「若い時に様々な科を経験するのは医者として良いこと・・・、」と主張したが「大学の先生方は、研究第一で教育については二の次だったので、インターン制度は廃止されたのだ」と言う。

その後、一都道府県一医大政策が取られ医者は増加したが、相変わらず大都市に集中し、過疎地の医者は増えなかった。

そうこうするうちに1986年から10年で医者1割削減の方針になった。

しかし、全人医療、総合医の必要性が出てきてインターン廃止(1968年)から36年後の2004年(平成16年)に「新しいインターン制度」ともいうべき「新臨床研修医制度」が発足した。昔のインターン制度の弊害の大学医局への「縛り付け」を避けるため大学病院以外の指定大病院でも研修して良いとなったため、大学医局の医者供給力は復活せず、相変わらず過疎地医師不足が続いた。

だが、東日本大震災が起こり、福島県では医師が125人退職、他地域に移動したが、一方「新臨床研修医制度」の必修科目の内科、救急医療科、地域医療科により大震災地域に「地域医療研修」で研修に来る医者の卵も増え、すこし明るい面も出てきた。

まあ、それと全国的高齢化で複数の症状を持つ高齢者を地域で面倒みる必要が出てきたので、複数の科に通じる医者が必要となりつつあるのだ。(以上、番組の小生要約)

地域住民としても、しっかり見守っていかねばならない。