気まぐれ日記

その時々に、心ひかれるものや気になる事、読んだ本や見たDVDの事を書き留めてます。

中村哲さんの伝記を読んだ

2023-08-27 17:53:43 | 日記
中村哲さんの伝記を読んだ。
子供向けの本。
図書館内で、2時間ほどで読んだので、飛ばしているところもあるかもだけど。
びっくりしたのは、私がパキスタンに行ったのとほぼ同時期(1984年)にペシャワールに行っていること。
私は、ペシャワール周辺がそういう逼迫した状況だということを、ちっともわかってなかった。


中村氏がすごいな、と思うのは考え方の柔軟さ。
医師なのだから病気の治療だけしていればいい、とは思わない。
ハンセン病がひどくなると足の感覚がなくなり、怪我をすることが多くなるらしい。感覚がないので、それを放置したりすると、結果、足を切断しなければということになったりするらしい。
それを防ぐ目的で、中村氏は、病院内でサンダル(サンダル底を工夫したもの)を作らせて、患者に配ったとか。
何が一番大事なのか、を考える人なんだな。

井戸をほったり、灌漑工事をしたのも、病気を治す以前にまず生きていることが前提。
生きるためには、水が必要。
そして生きてたべていくための農作物栽培にも水が必要。
命を守るための水を確保するための井戸掘り、灌漑工事だったんだな。

宗教が違うのはもちろん、アフガニスタンは部族意識の強い土地らしいし、政治的にもアルカイダ支持派、反対派とかいろいろな考え方はあるのだろうが、そこにはこだわらず、
常に、その地域に暮らす人達が何を望むのか、それを汲み取り、行動に移す人だったんだな。

心の広い人だなと思う。

ご冥福をお祈りします。





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