犬小屋の中へ

M's FORMATの更新情報や
制作日誌、映画やイベントのコラム、
身もふたもない情報を提供します。

大岩オスカール/夢見る世界

2008-06-21 00:06:34 | アート
打ち合わせの帰り道、東京都現代美術館「大岩オスカール:夢見る世界」を見てきました。大岩さんの作品はずいぶん前に有楽町のギャラリーでたまたま目にした事があったんですが、その時から気になる作家さんだったので今回の展示は喜んで足を運びました。
大岩オスカールさんはサンパウロ生まれの日系ブラジル人で、その後東京、NYと拠点を移されています。今回の展示ではとにかく巨大な作品群がたくさんあり、迫力とともにじっくり見入ってしまうような独特の空気感がありました。テーマには環境問題や戦争等重いテーマも盛り込まれていますが、非常に芯のある絵です。よく見ると建物が人物や動物、龍の顔になっていたりと漫画的な(?)ユーモアも含まれています。
公式ホームページでもじっくりと大きな絵を観賞する事ができるので、ぜひぜひ見てみて下さい。

こちら!

日本的な感性を異国の環境でミックスした世界観は非常に近くもあり、遠くもあり。タイで日本漫画の文化にどっぷり浸かって、日本で活躍中のウィスット・ポンニミットさんのように、日本人では表現し得ない世界ながらも、何故かすんなり入り込める、そんな感覚が今受けているのかもしれません。
こういう絵を見ると、久しぶりに大きなキャンバスに絵の具で絵を描いてみたくなりますね。商用になるならないはともかくとして。。

今回の展示カタログ、装丁は非常にかっこ良かったのですが、A5位のサイズで小さく、今回は購入を見合わせました。一回り大きいサイズにして、使用されていたようなマットな紙ではなく艶のある紙の方が大岩オスカールさんの作品が生きたのでは。。と思いました。予算の絡みもあったと思いますが、できれば絵も見開きの断ち切りで。
現代美術館はジブリをやってから当たりましたね。毎年恒例で夏休みにジブリ系列をやって稼ぎ、その黒字分を無名ながらも才能のあるアーティストの展示にガンガン回して欲しいなと思います

また同時開催で、地下で東京ワンダーウォールという、新しい美術作家のコンテストの受賞作が発表されていました。その中でグランプリをとった作品もあったのですが。。優劣選定の基準がどこにあるのかが、素人目には解らなかったです。
その絵に対する技法が評価されたのであれば、そのアーティストはしばらくその技法を背負っていかなければならないし、コンセプト的に(社会的な背景を表現しているとか)評価された絵であるならば、本人が描きたくなかったとしてもそうしたものを今後求められるのは必須なので、また同じような傾向の題材を探していかなければならない。。そんなジレンマもあったりするのでは?と感じましたこれはどこの分野でも相通ずる事かもしれませんが。


写真は清澄白河駅から現代美術館に向かう途中にある駄菓子屋さんで購入した、人形(各40円)。このフォルムにしてこのサイケな色遣い(実物はかなりサイケ)。一目ぼれしました。店主のおばあちゃんがコーヒー飴をプレゼントしてくれてちょっと得した気分に。

これをクリックしてもちょっと得した気分に


「犬小屋の中へ」オフィシャルHP・M's FORMAT


最新の画像もっと見る

コメントを投稿