犬小屋の中へ

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ムンク展 <国立西洋美術館>

2007-11-17 10:56:56 | アート


高校の友人が卒業時、クラスの文集に残した詩

「ムンク ムクムク ムックムク」

文章の傍らには「叫び」の人物っぽい鉛筆書きの中途半端なイラストが添えられていた。
...狙いがちっとも解らないがなんか凄いなと思った

そんな訳で先日、上野にある西洋美術館で開催されている、ムンク展に足を運んできました(足を運んだのは11月初めの事で、現在はずっと休みなく仕事してます。誤解なさらぬよう)。。。ムンクは代表作「叫び」等、死や苦悩といったイメージがありますが、装飾画家としても多く活躍されていたのはご存知でしたでしょうか?自分は知りませんでした
叫び以外の作品も色使いが非常に独特で、そのフォルムにも他人には模倣できないような匂いがあり昔から好きな画家の一人でした。ムンクは幼少時や青年時に、母や姉と生き別れになったという経験からか、死と密接な作品が多く小さい頃は怖かったのですが、それながらも何故か惹かれていました。
「思春期」が美術の教科書に載っていましたが、何か直視できないような、見てはいけないような感覚に襲われた人もたくさんいるのではと思います。
ムンクに影響を受けたアーティストはたくさんいると思います。漫画家だと山田玲司先生とか(笑)。いや本当にそうだと思いますよ。

その中で面白いエピソードがあるのです。
眼科医のマックス・リンデという方が、子供部屋に飾るための絵を依頼して、その際に子供がみるから子供に見せられないようなものは描かないでくれと依頼したのに、上がって来たものは公園で恋人達が愛し合っているようなもので、結局受け取りを拒否されてしまったようです。
何でしょう、ムンクはそうした恋人達の様子を描いた作品をたくさん残しているので、忠告があったのに描かずにいられなかったんですかね。今で言うと、DJ OZMAが紅白で裸スーツを着て生放送に出ちゃったような感じでしょうか。違う?笑福亭鶴光に下ネタを禁じるような....あ、もういいですか。
それはリンデ・フリーズとよばれ装飾画家として活動の一歩になったらしいのですが、何とも面白いですよね。それでもその一連の作品は他のものと比べて緑が多く、希望を持った作品でした

他にも労働者を描いた一連の作品・労働フリーズをオスロ市庁舎に製作したり、チョコレート工場から壁画の依頼があり、社員食堂の中にフレイヤ・シリーズというシリーズが採用されたりしていたようです。社員食堂でムンクの絵を見ながら食事するなんてなんて乙なんだ!!と思いませんか?今でもこの社員食堂は健在だそうです。

売店はたまにポストカード等買ったりするんですが、その中で「光の柱」のアクセサリーは久しぶりに素敵だなと思った商品でした。これはムンクの絵画で、月明かりのフォルムが水面に映り込んだ形をかたどったもので、ムンクの作品にたくさん現れるため通称「光の柱」と呼ばれているようです。
さすがにこちらの売店では売られていませんでしたが、なかにはこんなものが売られていたりするので、ムンクが見たらどんな気持ちなんだろうなと考えてしまいます
こんなページもあったよ


余談ですが、かつて早稲田のつけめん屋を訪れた時に、偶然にもこのムンクの遺作を発見しました。こちらが「叫び」の原型となったと思われるこの写真です。



おそらくムンクは、日本で食べた「つけめん」の辛さを皆に伝えるべく筆を取り、名画「叫び」を書き上げたのでしょう。無骨な印象のつけめん屋の主人は、当時ムンクが来店し、この絵を残していった時の事を熱く語ってくれました。「この絵は決して売らない」と最後に言い残した主人の目にキラリと光るものを見た気がしました。

...こんなくだらん話はさておき、今回の展示は足を運んで絶対損のないものなので、「ムンク大好きっ子」の君はぜひ!

クリックすれば叫ばなくても平気


「犬小屋の中へ」オフィシャルHP・M's FORMAT




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