大相撲初場所でモンゴル出身の大関の豊昇龍が優勝決定戦で2度目の優勝を遂げ、横綱に昇進へ。モンゴルといえば広大な草原をイメージします。また、「世界一人口密度の低い国」といわれています。
モンゴル帝国は、1206年にチンギス・ハンがモンゴル高原の遊牧民を統合して創設した国家です。その後フビライなどの後継者たちは、ユーラシア大陸全域にわたり領土を拡大しました。その領域は3,300万km2に至り、地球上の陸地の約25%を占める程であったということです。その主な構成国は、元朝、イルハン朝、チャガタイ・ハン国、キプチャク・ハン国です。それぞれが独自の文化や政治体制を持ちながらも、緩やかな連邦体制で結びついていました。
モンゴル帝国は、交易路を整備し、商業を活性化させました。また、宗教的寛容政策をとり、イスラム教、仏教、キリスト教など多様な宗教を保護しました。シルクロードを通じた交易が活発化し、製紙技術や火薬、羅針盤などの技術や知識の伝播が進み、異なる宗教や文化が共存し相互理解が深まっていく時代であったようです。
この帝国の広大な領土を繋いでいたシルクロード。東の起点は、中国の長安、西の終点は地中海沿岸のアンティオキアやローマといわれています。全長6,400km以上あり、「草原の道」や「オアシスの道」といった複数のルートがあります。砂漠や山脈を越える過酷な道のりを乗り越えるため、キャラバンと呼ばれる大規模な商隊が組織され、互いに助け合いながら交易を行っていました。当時の旅人たちの苦労が思い浮かびますね。
シルクロードをたどったマルコ・ポーロは、日本を「黄金の国ジパング」と紹介しました。そのジパングの国技である大相撲でモンゴル出身の力士が活躍していることも、異文化交流の一つですね。