市川稔の米(マイ)情報

福島第一原子力発電所視察

あれから7年。

東日本大震災は津波で大きな犠牲者を出しました。

が、

原発事故により二次災害というか、こちらの方がその後大きな問題となり現在に至っています。

福島第一原子力発電所の現状はどうなっているか?

第一原発は1号から6号まであり、とてつもなく広い敷地です。

現在、防護服で作業しなければならい区域は全体敷地の5%までになりました。

ほとんどの作業員は通常の作業服です。

視察団は専用のバスの中から見て回るのですが、マスクもしませんしそのまんまです。

入るには、旧エネルギー館というところで、事前に出してある名簿に合わせて本人確認のために運転免許証など顔写真の入った身分証明書が必要で、コピーも取られます。
説明を受けて、専用のバスに乗り換えます。
カメラ、スマホなどは置いて行きます。
写真撮影禁止です。これは法律で決められているそうです。
どこに監視カメラがあるかとか、そういうものが写ってしまうことがあるとセキュリティ上問題だというわけです。


事前説明の様子




東電は、現状を見ていただきたいということで、視察を積極的に受け入れています。

今は、年間にすると1万人くらになるそうですが、それを2倍の2万人くらい受け入れるようにしたいそうです。

あれから7年経過したわけですが、事故起こした原子炉を廃炉にするにはまだ30年くらいは掛かるのだそうです。
気の遠くなるような作業です。

詳しく説明を受けましたが、それを短い文章でお伝えするのは小生の能力では難しい(笑)


担当の社員から詳しい解説、説明をしていただきましたが、東京電力ホールディングス福島復興本社の前代表(現在は特別顧問)、現代表からもご挨拶、質問に対するお答えなどもいただきました。

前代表は町田の住人、現代表も小田急線沿線の住人とのこと。

もう、6年も4年も原発近くに寝泊まりして復興にかけているそうです。


原発の復興はとにかく「大変」ということ。

現状、毎日5千人超の作業員が敷地内で作業しています。

6割は地元雇用とのこと。

元受け会社は40社ほどで、下請け企業は千社くらいになるそうです。


なにせ、


富を、付加価値を生み出さない仕事にそれだけの人員と莫大な資金を投入しているわけです。

結局のところ、電気利用者である顧客がその費用を負担することになるわけです。

日本にある原発は55基で、アメリカは99基、中国はもっと多い。

日本では原発の新規は事実上困難でしょう。

ということは、今ある原発が引退したら、別の電源にしなければなりません。

私が質問しました。

事故起こした原発の廃炉に30年から40年かかるそうですが、停止した原発を廃炉にするにはどれくらいの期間が掛かるのでしょうか?

答えはおよそ10年だそうです。


福島第一原発は、大熊町と双葉町にまたがって立地しています。

かつては、原発マネーが地元を潤いました。

帰宅出来ない区域は7年前のまんま。

人が住んでいない街というのは異様な姿です。

一般住宅だけでなく、自動車ディーラー、家電量販店、紳士服専門店、コンビニ、スーパーなど日常生活に必要な店舗や工場などももちろんあります。

個人は生活費保障ですが、店舗や会社は営業補償ということになり、それはそれは天文学的なお金です。

そのことを表立って話すことはなんとなくタブーになっています。

同じ町で帰宅困難地域と帰れる地域がある。

帰れると言われても、生活のためのインフラがありませんから、ほとんど帰っていません。

とても重たい、とても苦しい現状があるわけです。


視察して最も感じたこと。


それは、制御不能になった原発の姿を一人でも多くの人に見てほしいということ。


人間がコントロール出来ない物質を扱うということはどういうことかとうことです。


小生は現状存在する原発は活かすべきという考えですが、前述したように新設は事実上無理でしょう。

ということは、新規の電源で安定したもの、コストも安いものに変更していかねばならないということです。


太陽光発電はコストも高く安定しません。

皆さんの家庭用の電気料金請求書を確認してください。

再生可能エネルギーのための特別料金がどんどん上がっています。

工場や産業で使う電気料金は「コスト」になります。

電気料金が上がり続けたら競争力低下になります。

原発は怖いというだけでなく、正しい認識が必要だと思います。





追記

第一原発はなぜ爆発したか。
津波をかぶり(津波は17メートルの高さまできた)電源停止した。
非常電源に切り替わるわけだが、ディーゼルエンジンの非常電源も水没して機能しなかった。
非常電源が低い位置にあった。
原発立地は海抜35メートルあります。
原子炉を設置するのに、わざわざ土地を削り、海抜10メートルの位置に1号から6号まであります。
海水で冷やすのでそのために下げたのです。
海抜35メートルの位置にあれば事故は起きなかった。

事故の原因というものを正しく認識する必要があると思います。

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