「これから日本の水田農業、米作りはどうなって行くのだろうか?」
お米を仕入れたり、精米したり、販売している会社からは、
「これから、お米の世界はどうなって行くのだろうか?」
みなさん、不安に思っておられるようです。
水田農業の見通しはどうなのだろうか?
その前に、
過去10年間、
兼業農家は152万戸から89万戸と42%減っています。
専業農家はおよそ44万戸くらいで変わっていません。
これからどうなるか?
水田農業は兼業が益々減ります。
平均年齢が70歳に突入します。
70過ぎると「これから」どうしようかと考えるようになるそうです。
コメ作りは、機械化されているので、設備(機械)がたくさんあります。
機械の更新をする際に考える(採算はもちろん赤なので)
息子は当然やらない。
一般的に米価と呼ばれる「秋の玄米相場」が安い。
1俵(玄米60㎏)あたり2万円の時代がありました。
今は、半分近くになってしまいました。
減反を進めても、消費減少の方が上回り。
一度も達成しなかった「減反政策」が初めて達成しました。
作るコメにより「交付金」で差を付けたことが原因です。
お金で釣ったのです。
農水省によると、平成25年の10倍となる110万トンの生産努力目標を掲げた。
現状、エサ米の販売価格は60㎏あたりたったの1500円ほどしかならないそうです。
10俵(600kg)収穫出来たところで1,5万円にしかなりません。
では、なぜそんな儲からないエサ米を生産するのでしょうか?
それは、交付金の金額がすごく、主食用米作るより手取りが良いからです。
業界新聞によれば、
現状、エサ米の平均収量10aあたり530kgほどで交付金は8万円ほど。
これを、10aあたり680㎏以上の収量にすれば、105,000円もらえる。
さらに、専用多収量品種を採用すれば12,000円、ワラの飼料用使用など「耕畜連携」に取り組めば13,000円、二毛作をやればさらに15,000円加算され、
最大、なんと145,000円もの交付金をもらうことが可能だという。
主食用米が仮に1俵12,000円として10俵収量があったとしても12万円にしかならない。
しかも、エサ米は食味など無関係。
とにかく、収量を多くすることが求めらるのだ。
で、何を勘違いしたのか「飼料用米多収日本一」表彰を行うという。
農水省
これって、根本的におかしくありませんか?
交付金(補助金)対象の生産物に対して多収を競って意味あるのでしょうか?
プロ農業経営者はどう考えるのでしょうねぇ。
自ら作る生産物に対してどういう評価を得たいか?
エサ作りで収量競うことに意味があるのでしょうか?
自立自助
自主自立
そういう精神をなくす・・・
H25年の10倍、110万トンに仮にエサ米生産が増えたと仮定しましょう。
もし、上記の交付金のままなら、いったい総額いくらの交付金になるでしょうか?
時間のある方、計算してみてください(笑)
(結果的に単位面積当たりの交付金は引き下げることになるでしょう。そうすれば取り組む生産者も減る。)
一方、平成27年産の主食用米の一般市場に危険信号が・・・
契約で数量・価格決めている関係なら問題ないが、スポット取引の場合は相場があります。
過剰気味ならこの時期から値下がりするし、不足気味なら値上がりする。
株と同じで、値下がりの場合は「売り」が多くなり、値上がり傾向の場合「売り」が少なくなる。
聞くところによると、量販店は値上げ認めないとか・・・。
大口業務用もこの時期に値上げは受け入れがたいでしょう。
中間業者がその穴を埋めることになる。
精米会社は簡単に赤字になります。
では、
生産者として今後の取り組みどうするか?
間違いなく水田は供給過多になります(もちろん、地域により事情はかなり異なります)
自前の設備と人員(働き手)でどこまで拡大出来るか?
固定費同じで売上増やすことが出来るか?
生産するコメはなに?
主食用? 売り先はありますか?
酒米など加工用? 契約栽培出来ますか?
エサ米?
減反政策無くなっても同じだと思います。
「同じ」の意味は、交付金で誘導するからです。
顧客を忘れた生産は交付金頼りになり、もしそれが減額されたら、廃止されたら、売り先はありません。
緊急避難ならOKですが、頼ると痛い目に遭いますよ。
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