11時開始から17時過ぎまで。その後懇親会と長時間の会合でありました。
基調講演とパネルディスカッションという構成です。
参加者からの質問や意見も交えた活発な会議でした。
題して、
「国境の壁」崩壊後の稲作経営
タイトルもなかなか過激です。
カリフォルニアのジャポニカ米を作る生産者7名も参加しました。
経営委譲を受けたばかりの若い経営者が印象的でした。
(初めて来た東京は清潔で美しい街だと言っていた)
基調講演は九州大学大学院教授で永年世界の米や食糧生産や消費、貿易の推移などを研究している「伊東正一」先生です。
小生は初めてお会いしたのはかれこれ20年位前でしょうか。
それより前から世界の米などを研究している専門家です。
過去については統計がありますのでさまざまな角度から分析できます。
将来については予測ということになります。
一番特徴的なことだけ少し。
食糧危機は来ない!
伊東教授はそう断言します。
日本人は心配性なので、自給率が低い、いったんコトが起きれば食糧が入らなくなるのではと思っている人が多いですね。
根拠は、
食糧危機が来るかも知れないという研究機関や研究者はそうなって欲しいという理由がある人たちであること。
危機をあおることで利益を得る人たちであること。
過去、米、麦、とうもろこし、大豆などすべて生産性が上がっていること。
人類の歴史は食糧不足の歴史であるが、35年位前から世界的に過剰であること。
人口の伸びより増産が行われること。
世界人口の爆発は起きないこと。
先進国は人口増えない(アメリカ除いて)途上国もこの先ピークを迎えたら減る。
米に限ってみればなにより消費減退のスピードが上がっている。
世界最大の米消費国である中国も減り始めた。
(14億人が精米ベース年間100kg食べている中国が2%づつ減りだすと毎年280万トンづつ余りはじめる。)
世界の米消費の87%はアジアであるがそのアジア諸国の消費が劇的に減っている。
日本もかつて130kgくらい食べていたが、現在では60kg弱まで減り、まだ減少が止まらない。
韓国も劇的に減っている。台湾など160kgも食べていたが50kgを切るまで減った。
詳しいデータはこちらのサイトを参照ください。↓
研究データはこちら
膨大なデータがあります。
世界の状況をデータで知ることも大切なことです。
さて、あなたはどう思われますか?
小生の意見は、
全体を知る。世界、日本の全体を知ること、勉強することは大事。
それを知ることと、個別の経営は別物であること。
誤解を恐れずに言えば日本の農業関係者や米流通関係者などの方々とお話ししていると「食糧危機」を期待しているフシがうかがえる。
日本が米貿易を自由化して国産米より安い米が輸入されても「日本の米消費は増えない」と思う。
相場に流されない商品を作ること。
ビジネスとは差別化でありオリジナル性をつくること。
自らのポジションを認識し方向性を決めること。
販売ルートで売れるものが変わる。
どこと組むかで大きく変わる。
パネルディスカッションでは不肖小生もパネラーとして発言させていただきました。
モノの見方というのは自分に都合の良いように考えてしまう傾向があるので気を付けないといけませんね。
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