歩いて映画館に行けるのでそれは便利です。
すでにレビューはネット上にもたくさん出ていますね。
大方がポジティブというか肯定的。
山崎豊子さんの作品はフィクションとはいえ「あの事件、あの組織、あの会社、あのことだろう」と連想します。
沈まぬ太陽の国民航空は今問題になっているあの会社だろうし、ジャンボ機が山中に墜落した大事故もあのことだろうし。
いくつもの労働組合があってどろどろしているのもそうだろうしと。
そんなこともありますが、主人公「恩地」を演ずる渡辺謙さんはすごい人だなと。
ある番組で視聴者からの質問コーナーがあり、渡辺謙さんが答えていました。
「自分と意見が異なる人との接し方について」
Q どうもうまくできないのですが、どのようにしたら良いでしょう?
そんな内容でありました。
A 自分の考え、意見が異なる人と話している時は、あ~、そういう考えもあるんだ、そういう見方もあるのだと、その違いを感心するというか、楽しむという風にしている。
小生は「なるほど」を膝を叩いたのであります。
人間が出来ていない小生などは、自分の意見を通そうとしてしまう。
さて、映画の舞台は昭和30年代から60年代の成長期。
観客も中高年の割合が多いかな。
組織に身を置いた人なら誰でも少なからず経験する「不条理」というものを。
「なんで、自分がこんな目に遭うのだろうと」
主人公の恩地は労働組合委員長やったことで海外勤務、それも僻地へと飛ばされる。2年で戻るはずが、次も、またその次も。
とうとう10年という歳月が流れる。
家族を犠牲にしてそこまでするかということに。
一方、共に労働組合で戦った副委員長演ずる三浦友和は悪役。
会社側に取り込まれ、第二組合を結成し、元の組合の切り崩しを画策。
そして管理職へと上り詰めて行く。
大事故を起こした会社は事故の世話係りに恩地を呼び戻す。
これは辛く大変な仕事であります。
遺族にはそれぞれの思いがあり失った家族は怒りをぶつける。
映画も3時間22分の大作。
ここまで書いて、やっぱり物語が長いのだと気付く。
これは映画を鑑賞してもらうしかない。
「思い通りにならないのが人生である」
「しかし、思いを持たなければ人間はただ流されるだけ」
小生はそんな風に思いました。
人間の弱さ、醜さ、ずるさ、強さ、素晴らしさを見せてもらえる作品です。
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