市川稔の米(マイ)情報

国の地方出先機関&行政改革

まずは毎日新聞のニュースから↓

首相VS記者団:国の地方出先機関廃止「進めるよう指示した」 11月6日午後0時11分~

◇国の地方出先機関の廃止

Q:国の地方出先機関の廃止をさきほど丹羽宇一郎氏に指示したということですが、ねらいは。

A:ねらい? 地方分権改革は最初から言っていたし、重要課題の一つ。10月30日のあのときも消費税の話をして、その前に行政改革が大事という話をした。丹羽さんが昔からやっているのは知っていましたから、話を進めるようにと指示した。答申が出てくることになっていましたから。

Q:北海道開発局も入るのですか。

A:北海道新聞だから聞くのは分かるけれども、どこをどうということは、委員会で検討している真っ最中に頭ごなしに言うことはありません。

◇定額給付金所得制限

Q:定額給付金について所得制限を1000万円とか1500万円とか、数字が出ていますが、与党支持者からは「子育て世代にはそれでもきつい」という声があります。総理はどういう判断基準を考えているのですか。

A:あのね、それを決めるために与党と政府で検討委員会があるんだから、今この場で言うつもりはありません。言ったら明日、その言葉が踊るんだろうから。頭にあっても言わない。てめぇの都合のいいこと書かれたらたまらない。

◇再び地方出先機関廃止について

Q:地方出先機関についてですが、丹羽氏は総理と会談後の取材に「農政局と地方整備局の見直しについては了承をいただいた」と言っていました。

A:その二つについては廃止という言葉ではなく、統廃合ということで指示をした。その二つの他にもいろいろ挙げたが、その二つを例に挙げたのは確かです。

2008年11月6日


↑引用終わり


次に、作家で東京都副知事でもある「猪瀬直樹」さんの10月30日メルマガから↓

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
 事故米騒動でクローズアップされた農林水産省の出先機関「地方農政事務所」
はどう改革すべきか。
 
 猪瀬直樹は10月27日月曜日、農水省改革に取りかかった石破茂農林水産大臣
に「厳しい意見を言ってほしい」と請われ、大臣直轄の改革チームの会合で提
言をしました。

「リンゴもナシもコメも、日本の農業は世界一の品質なのに、農林水産省はど
うして遅れた組織になってしまったのか」「霞が関をどう改革すべきか」
 ヒントは、地方分権にある、と語り始めました。
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

「農水省改革をはじめた石破大臣に伝えたいこと」

 まずは地方分権推進委員として申し上げたい。地方農政局は2万2000人のう
ち、1万6000人が地方農政局で働いている。霞が関の国家公務員は33万人いて
このうち21万人が地方にいる。出先機関にいるということは、地域の人たちと
密接に関わって進んでいればいいが、必ずしも成果を上げていない。予算も地
方農政局全体で1兆2000億円も使っている。その組織の末端の福岡農政事務所
で、事故米の件が起きている。
 
 日本の農業は、リンゴだってナシだってみかんだって米だって、世界でいち
ばんおいしい。にもかかわらず、こういう事件が起きている。地方農政局はど
ういうインセンティブで仕事をしているか。働いている国の出先機関としての
仕事に意味がないのであれば、都道府県に移管して、我われの地域住民の見え
るところで仕事をしてもらいたい。
 
 僕は福岡農政事務所の事件は、「検査をします」と予告をして、検査して、
帰ってきたことが信じられない。1969年に作家・埴谷雄高が書いた『姿なき司
祭 ソ連・東欧紀行』という作品を思い出した。ソビエトを旅行した埴谷雄高
は、ロシアの待合室で待っている。ソビエトのインツーリストという旅行会社
の気が利かなくて、イライラしながら飛行機の出発を待っている。するとその
空港の待合室に、インツーリストの女性職員が入ってきて部屋の受話器をとっ
て何らや報告のように話して、かえっていく。埴谷は「おかしいな、さっきは
あの電話はつながらなかったのに」と思うのだが、またこの女性職員が入って、
しゃべって、また帰っていく。おかしいな、と思う。ソビエトのインツーリス
トの職員は、相手が出ても出なくても、電話をとって、話して、帰っていくと
いうのが仕事になっている。成果をあげると、自分の報告が意味を持つとか、
そういうことは関係ない。僕は農政事務所の事故米の対応のやり方をみていて、
1969年のソビエトを思い出した。
 
 民間企業の場合、利益を出したり何か人のためになっているといろんなこと
を考えながら仕事をしている。もちろん、お米をつくっている人も野菜をつく
っている人も果物をつくっている人も、誰かにおいしいと思って食べてもらう
ためにつくっている。これがふつうだ。
 
 ところが、この農政事務所では、事故米の倉庫に行って検査して帰ってくる
ことが仕事の目的になっていた。霞が関の出先機関にはいろいろな無駄がある
と思いますが、地方農政局で、これ極まれりと思った。いったいこれは何なの
だ、インセンティブの全くない組織が残っているじゃないか。
 
 僕は驚くと同時に、怖さを感じた。事件は起こるべくして起きた。これをチ
ェックするシステムがない。地方農政局は必要なのかどうか、もちろん必要な
業務もあるかも知れないが、違うかたちで再編成すべきではないか、と思いま
した。これは分権委員会の委員、そして、国が崩れるかも知れないという直感
を持った作家として言いたいことであります。
 
 統計スタッフが3600人もいる。前は5000人で、あと2年後には2000人にする
ということですが。全国の統計をつかさどる総務省だって600人ですよ。ど
うして農林統計で3600人もいるのか。どういう統計をやっているのか、よくわ
からない。どういう成果が上がっているのか、それほどの統計をする必要があ
るのかどうか。
 
 分権委員会で農水省にヒアリングをしたときに、農水省は「実査(実地調査)
がある」と説明するが、ふつうは保険の支払い業務でも、介護保険でもあるル
ールに従って金銭交付は決めている。
 
 なぜ、耕作放棄地が1割もあるのか。400万ヘクタールのうち40万ヘクタ
ール。しかも隠れ耕作放棄地というか、統計上出ていない耕作放棄地もある。
これは謎だ。
 
 農水省は「40パーセントを切っている自給率をあげなければいけない」とい
うのだが、そういう耕作放棄地を活用すれば自給率を確保できるのではないか。
 
 もう一つは株式会社の参入。若くて農業やりたいという人もいて、農業に参
入したい株式会社もあるのに、これもなかなか実現しない。これが実現すれば
大規模化もできるのに。
 
 なぜ減反をして、一方で食料自給率をあげなきゃいけないのに、耕作放棄地
が増えていくのか。この矛盾を解決する方法はあるのか。
 
 田んぼをもっと耕したい、自由にもっと米をつくる権利を持ちたい人に対し
てまで、一律に減反を指導するのはおかしいのではないか。どういうかたちで
統計調査によって助成金が支払われるのか。そのプロセス、システムが説明で
きていない。
 
 農水省は霞が関でいちばん大切なことをやる役所ではないか。かつてはそう
だった。それがいちばん遅れた役所になってしまっている。いちばん大事だか
ら、保護行政がつづいてきた。これが農業の展開を阻害しているのではないか。
ほんとうは農業の"民営化"をしてほしい、地方分権ができる役所であってほし
い。
 
 農水大臣はヘンな人が多かった。ほっぺたに絆創膏をした人も含めてね。石
破大臣はそうではない。ここで改革しなければ改革するときはない、期待して
います

↑引用終わり


問題の核心をついていますね。


この冒頭部分の話し。

まずは地方分権推進委員として申し上げたい。地方農政局は2万2000人のう
ち、1万6000人が地方農政局で働いている。霞が関の国家公務員は33万人いて
このうち21万人が地方にいる。出先機関にいるということは、地域の人たちと
密接に関わって進んでいればいいが、必ずしも成果を上げていない。予算も地
方農政局全体で1兆2000億円も使っている。その組織の末端の福岡農政事務所
で、事故米の件が起きている。


↑驚きです。
びっくりです。

農水省改革は出来るのだろうか?

一律減反はおかしいと誰が見たって思うでしょ。
小生はかねがね言っていますが「業として農業をやっている人」と主な収入が農業以外である人を同じ減反率にすること自体がめちゃくちゃだ。

農業の民営化。
農業は民営化されていないという視点も小生には新鮮な響きであります。


まずは行政改革からという順番は正しい。


これは20年以上前から云われているけど・・・・・・・・・

期待したい 

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コメント一覧

市川 稔
有難うございます
寺下さん

食糧ジャーナルの「市川稔のコラム」を読んで戴いているとのこと。
励みになります。
お礼申し上げます。

「打つ手は無限」
小生の好きな言葉です。
諦めない。打つ手は必ずあるはずだ。

一方で、見切りをつける勇気も大事です。
悪いポジションに居るのに頑張ってしまうのも傷を大きくしてしまいます。

その辺が難しいところですね。

倫理法人会は20年以上前、法人組織を作る頃、早朝の例会場を提供していました。

寺下 利夫
感謝
毎月食料ジャーナルの 経営のコラムを忌ませて頂いております。私、京都府舞鶴市の 浜米穀を経営しておりまして、61歳であります。この2ページの文章で
励まされ、また参考にさせていただき毎月心待ちにしております。大分前に、最後に「打つ手は無限」という言葉を見まして、倫理法人会に入会されているのかなと思ったりもしております。今後とも宜しくお願いいたします。
市川 稔
コメント
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