一庵 (ひとつあん)

飛べないライター『いたっきい』の愚行をさらしています。

※普段ハtwitterニ居リマス。

熱気と湿気と臭気と (時をかける少女)

2006-08-16 | 徒然


Yahoo!ムービー のユーザーレビュー(採点)が異様に高い劇場アニメがある。

いたっきいが知った8月10日時点では1位に君臨し、同じくアニメの「ゲド戦記」を完全に凌駕していた。
特に大々的にCMしているわけでもなく、それでいてユーザー評価が異様に高い。。。

こ、これはゼヒ見ておかねば!(_△_;

と思ったのが、コレ。。。

 

このタイトルから、大林宣彦監督、原田知世主演で1983年に大ヒットしたアレを思い出した人も多いだろう。いたっきいも、小学生のときに見た記憶が微かに残っている。

この作品は何度もリメイクされてきたが、アニメになるのは今回がはじめて。

 
 (公式ホームページより)

このアニメ、上映している劇場は少なく、現在時点で全国数ヶ所のみとのこと。しかし幸いにもいたっきいが勤務しているのは新宿。テアトル新宿が近い。

“立ち見は当たり前”とのことだったので、昼休みにチケットを買って、終業後に観に行くことにした。
60分の昼休みに、片道20分かけてテアトル新宿へ。地下鉄に一区間乗ったほうが早いことに気付いた頃に現地到着。

うわ!なんだこの雰囲気は!?( ̄□||||!!
異様な雰囲気の列が、地下にある劇場から地上まで続いていた。
とりあえず列に並んでみる。

ま、前の人から・・・(; ̄y ̄)
酸っぱいニホヒがするよママン
(ノД`)シクシク

自分より20人前までカウントしたが、男性18名、女性2名。その他、親子連れ1組。
年齢層は20代半ばから30代半ばまでが多い。
Tシャツ+ジーンズの比率、65%くらい。
メガネ率、75%くらい。
真っ黒に日焼け率、0%。

・・・なんとなく観客層が分かってもらえたと思う。

1230の時点で、1440上映の218席のうち180席がソールドアウトの模様。
1910のチケットを所望。整理番号10番。
ふたたび20分かけて西新宿に戻る。

午後は、昼見たあの独特な雰囲気がずーっと気になっていた。
ちょっと観に行くのをためらったが、やっぱり観ないことには評価もできない。

1820。
仕事を終え、出陣。

1845、現地に到tyうわ!(≡д≡)
劇場の外にまで人が溢れてるよ。。。

整理番号が130番以内の人は地下へ、130番以降の人は階段と地上に誘導される。
130番以降の人が100人くらいいたけど、何枚チケット売ってるんだろ?

お世辞にも広いとはいえない地下ロビーは、体から放出される熱と水分で蒸れている。
湿度75%くらい。額から汗がにじむ。
なんとなく、クールビズのワイシャツとスラックスで良かったと思う。
少なくともTシャツより涼しい。

自販機の前で「うっわー、200円だって。たっけえ~」という男三人組を無視し、その自販機でお茶を買う。
給与生活者をなめんな。
30代独身サラリーマンの資本力を誇示。

・・・

さらにダメ押しでもう1本。<アホ

1900開場。
整理番号順に呼ぶとの案内。
コラコラ入り口に押し寄せるな。どうせ番号が呼ばれるまで入れんって。

番号が読まれる。
ガハハ「10番」はやっぱり気持ちがいいな。
場内進入。
コラコラ押すな。

前から3列目、中央に座る。
映画館はなぜか後ろから埋まっていくように思うが、みんな勘違いしている。
せっかくお金を払って映画館に来ているのだ。
家庭で楽しめない大画面・大音響をここで楽しまなくてどうする。
というわけで、いたっきいはいつも視界の大半がスクリーンを占める場所に座る。

ほぼ全員が着席した頃、座布団を持った人たちがゾロゾロ入ってくる。
218の客席を確保できなかった負けg人たちだ。
座布団は入り口で貸してくれるらしい。

異様な雰囲気のなか、映画がはじまった。


  !!ご注意!!

 以降、少しストーリーをバラします。


まずこのアニメを観ると“原作と違う”と思うだろう。
それもそのはず。これは初代「時かけ」の続編。何度もやったリメイクではない。
(Yahoo!ムービーのユーザーレビューでも、勘違いしている人が多い)

今回の時代設定は21世紀初頭。
初代「時かけ」の20年後の世界だ。

主人公は高校2年の女の子、紺野真琴。。。
理科準備室でのあることがきっかけで、時間を自由に戻せるようになってしまう。
ちなみに理科準備室というキーワードは前作と変わらずだが、今回はラベンダーは関係ない。

 
 (Yahoo!ムービーより)

この作品に、30代後半のある女性が出てくる。
真琴の叔母であるこの女性の名は、芳山和子
そう、原田知世が演じた役の、20年後の姿である。
名字が変わっていない。いまだ独身のようだ。

 この人が、

 
 Before (Yahoo!ムービーより)

 20年後、こうなっていた。

 
 After (Yahoo!ムービーより)

・・・それはともかく。
この叔母は、時間が戻せるようになったという真琴の話を聞いて驚く様子もなく、それはタイムリープと言うんだと教えてくれる。
時間が自由に戻せることに気を良くした真琴は、自分の都合のいいようにタイムリープをくり返し、この世の春を謳歌する・・・

 
 (Yahoo!ムービーより)

しかし、そうして自分に都合よく作り上げた世界が、他人にとっても都合のいいものであるとは限らない。それはやがて、大事件に発展していく。。。

これ以降は、ご自身でお確かめあれ。


 【ストーリーバラし終了!】


いたっきいの目が悪いのか、絵があまりきれいに見えなかった気がする。
季節は夏だが、これ見よがしに出てくる積乱雲以外に、季節を感じさせるものは乏しかった。「あの雲の吸い上げならバリオ振り切れるだろうなぁ・・・」などと考えていたのは、グライダー病だからか?(注:危険!良い子はやっちゃいけません!)

しかし、テンポがよくスピード感のある展開はさすがに最近のアニメのもので、なかなか小気味いい。いつの間にか夢中で観てしまう。
観ているほうが息を詰まらせそうなほど、苦しげに走りつづけるヒロイン。
自分が引き起こした事の重大さに気づき、大声でのび太泣きするヒロイン。
カラッとした性格は次の行動が予想しやすく、つまり感情移入もしやすい。

決して“観て損した!”と思う内容ではなかった。
ただし、ダントツで高評価がつくほどの快作でもないと思ったが。。。

たしかにストーリーは簡潔で、気を抜いて観ていられるし、ハッキリ言って面白い。
現役の高校生や、ほろ苦かった青春時代を思い出したい人にはピッタリだろう。

しかし残念なことに、いたっきいはいささかスレ過ぎてしまったらしい。
熱いものがこみ上げてくるほどでもなく、懐かしさもあまり感じなかった。

 
 (Yahoo!ムービーより)

残念だったのは、(一部の)観客の過剰反応。
表面上はコメディ、しかしそれはとても悲しいできごとの代償・・・という、まるで道化のようなシーンにも無邪気な笑い声が上がる。どこを見ているんだろうか?

映画が終わってエンドテロップが流れるとき。
誰一人として、立ち上がろうとしない。
通路に座布団を敷いて座ってる人も動かない。
いや、正確に言えば立ち上がれない!(^▽^;)

観客の過半を占める客層が、そんな雰囲気を作り上げている。

そしてエンドテロップが終わったときの拍手
え?なんで拍手?(≡д≡)

・・・ちょっとおかしな空気だった。

そんなわけで、映画からもそれ以外からも、いろんな不思議体験ができるこの作品。
皆さんもご覧になってはいかがだろうか?

 
 (Yahoo!ムービーより)

ちなみに、Yahoo!映画 でのユーザーレビューはコチラ

【参考】『時をかける少女』年表
・1967年『時をかける少女』小説 原作:筒井康隆
・1972年『タイムトラベラー(正・続)』NHKドラマ 主演:島田淳子
・1983年『時をかける少女』映画 主演:原田知世、監督:大林宣彦
・1985年『時をかける少女』フジテレビ単発ドラマ 主演:南野陽子
・1994年『時をかける少女』フジテレビ連続ドラマ 主演:内田有紀
・1997年『時をかける少女』映画 主演:中本奈奈、監督:角川春樹
・2002年『時をかける少女』TBS単発オムニバス 主演:安倍なつみ
・2006年『時をかける少女』アニメ 監督:細田守、キャラクターデザイン:貞本義行

 

 

 

・・・それにしても。

 

一人で観に来る男性の比率がこれほどまでに高い映画ははじめてだ・・・ 

 

 

 

 

 

 

 

・・・と、帰りながら独りつぶやいた。


 


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7 コメント

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見たいけど・・・ (スットコ)
2006-08-16 17:59:31
「時をかける少女」は小説までしっかり読んで堪能した作品なのに・・・・読んでいるだけでかほりが漂ってきたような気がしましたわ。うへっ。

見てみたい気持ちは山々だけど・・・

DVDを待とうっと!
返信する
うーん (さいれす)
2006-08-17 01:46:02
赤穂じゃやってないしなwww
返信する
何か微妙… (どんちゃん)
2006-08-17 17:11:57
その雰囲気に飲まれて、出るに出られない…ってのも困るな…

トイレに一秒を争って駆け込みたい時もあるし…(爆)



ってか、よくこんなの見つけたね…

おいらは、まだこれからゲド戦記を見に行こうかと画策中…

パイレーツオブ~は、三部作の二作目にふさわしい、間延びした内容で…(^^;)

お暇なら…ってくらいで、1を見てない人は行く価値無しかと…
返信する
でもまあ (いたっきい)
2006-08-18 00:47:17
悪くはなかったですよ。大袈裟な宣伝してないですから。

スポンサーの利益が絡む大々的な宣伝をしている映画より、よっぽど正直で正当な評価だと思います。



■スットコさん

そうなんですよ。作品はまずまずなんです。。。が、雰囲気がちと。

「評判だし、ちょっと観てみようか?」なんてやってきたカップルだったら、見る前に帰ってしまうかもしれません。



■さいれすさん

兵庫では、26日からシネカノン神戸で始まるのが唯一みたいですね。

やっぱ・・・おさえとく?



■どんちゃんさん

「ユナイテッド93」っていつからはじまるんだっけ?って調べようとしたら見つけたのがコレ。

熱狂的なクチコミに、かえって不審なものを感じたけど、そこまで評価が高いならとりあえずおさえるしかないやん!って思って。

結果は、ご報告のとおり。

ゲド戦記、行った人何人かにきいたんだけど「普通に面白かったよ」っていうわけのわからん評価しか聞けなかった。(;^_^A

パイレーツは分かりやすくてテンポがよくて笑えればいいと思ってるんやけど。そっかあ、無理していく必要もないか。。。
返信する
Unknown (ぽっぽ)
2006-08-30 05:28:56
酸っぱいにおいがしそうな映画館に行く勇気がないので、私もDVDを待つことにします。w

パイレーツ良かったですよ!私は映画館でみるべきだと思います。でも、パート1を復習してからの方が良いかも。復習していかなかった私はちょっとかなしい目にあいました。

写真展、是非応募されてみてはどうでしょう?カメラの機能だけじゃなく、センスがあると思います。(^ー^)
返信する
Unknown (ぽっぽ)
2006-08-30 05:30:39
そうそう、パイレーツはエンドテロップ是非最後まで残ってくださいね。詳しくは秘密です♪
返信する
面白い映画情報があれば教えてください (いたっきい)
2006-09-04 21:28:48
■ぽっぽさん

たしかに酸っぱいにおいがしていたような気がしますが、きっと気のせいです。

なんなら一緒に観に行きますか?( ̄▽ ̄) ニヤ

いたっきいもTPOに合わせないといけませんが(そのまんまで通用するやろ!というツッコミはナシで)



パイレーツ、観に行かなくてもいいかなって思っていたけど、そう書かれると見たくなるじゃないですか(^▽^;)

しかし、観に行くヒマがあるかな? これからしばらく忙しいしなあ。。。

観に行ったら、エンドテロップ最後まで見ることにします。



写真のことですが、テクニックがないわけではないけど、構図がダメなんですよ。感性が足りないっていうか。そのあたりは自分でよく分かってるつもりです。

高校生の頃は写真部にいたけど、あまり真剣に写真と向き合ってきませんでした。思えばもったいない時間の使い方をしたもんだ・・・
返信する

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