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身体の景色 (karada no keshiki)

本番まで あと一ヶ月…

宙に浮いているような不思議な感覚が続いている
どうも、現実感がない

舞台の集中が抜けないのだろう
身体の一部が絶えず羅生門か魚服記いずれかの作品の中を生き続けている

羅生門
餓死した死体が路端に打ち捨てられ腐敗している
瓦が落ち、壁が剥がれ、しかしもう何年も修繕されず放置されている
荒廃した平安京
方丈記の世界まんまがその背景にある
地震、辻風、飢饉、火災…
虫のように死んでゆく人間
その壮絶
無常観
それでも尚、燃え滾る炎
衝動
肉体の衝動
生への執着?
生きる
生きるとはなんぞや

魚服記
東北の山奥に佇む滝
その滝の傍らの小さな茶屋
美しき少女がラムネを売っている
やすんでいきせぇ〜
父娘二人だけの生活
孤立
しかし、ささやかな幸い
たしかに存在したその幸い
幸いを蝕む足音
あどけなき少女の精神と不釣り合いな豊かな肢体
危うきバランス
そして貧しさ、差別、父の葛藤
これは描かれてはいない背景
しかし容易に想像できる背景
憧憬、性の目覚め
これは描かれているけれど太宰の筆によって巧みに隠されつつそこにある背景
どうしようもなかったのだ、父は
どうしようもなかったのだ、娘も
悲しく、愚かで、しかし、美しい
そう
美しいのだ

次回公演 いよいよ来月!
ご予約はお早めに〜
詳細はこちら
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