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AIR/エア

2023年04月09日 15時36分59秒 | 映画 あ行
評価★★★☆【3.5点】(10)



黒人家庭の母は強し!これに尽きる。



業績不振だったナイキを救い、スポーツの枠を超えて
カルチャーにまで多大な影響を及ぼした伝説のシューズ
“エア ジョーダン”誕生にまつわる驚きの秘話を描く。
1984年、シューズメーカーのナイキは低迷が続いていた。
営業担当のソニーは、CEOのフィルから
バスケットボール部門の立て直しを命じられる。
なかなか妙案が浮かばず苦悩するソニーだったが、
ついに一人の選手に目を付ける。
しかし、その若者はまだNBAの試合に出たこともない
全く無名の新人選手だったのだが…。
<allcinema>



スポーツメーカーが自社の命運をかけ有名選手と契約する。
MLB、WBCで大活躍の大谷翔平選手と独占契約した
NB(ニューバランス)はウェアから野球道具まですべてに於いて
大谷翔平選手に使ってもらうことで自社の成長を目論む。

本作品も1980年代に起こっていたシューズ戦争の話。

シューズメーカーの中でアディダスやコンバースに水をあけられ
随分長い間低迷を強いられていたナイキだったが
営業担当のソニーが知恵を絞りぬいた末、たどり着いたのが
まだ新人で無名のマイケル・ジョーダンに白羽の矢を立てたこと。

リスクを考えると博打と同じで無一文になる。

結果的に今のナイキを見れば大成功したわけで
あの時にあの試合のビデオテープを見たタイミングと
営業部改革派ソニーがそれまでに培った経験からくる先見の明だ。
後に史上最高のバスケットボール選手となっていく
マイケル・ジョーダン。

一方、まだ実績がないにもかかわらず息子を信じる母の行動だ。
この母親の交渉術には驚かされるばかり。
ソニーらのライバル・アディダスの25万ドル+高級車を蹴って
懐事情で25万ドルしか払えないナイキ側に寄って来る裏には
母親からの未だかつてない内容の契約交渉が待っていた。
苦渋の末、母の要求を呑むことになるナイキだった。

そして今では、そういう契約がメーカーと選手間で主流となる。
ナイキ側の売り上げ金額一部支払いという形で年間数億円って
すっげーわ、マイケルのお母さん!
まあ、謎の黒人女性がちらしに載ってる時点で
なにかあるなとは思っていたけどね。



【今週のツッコミ】

・本作のMVPはマイケル・ジョーダンのママである。
 卓越したビジネス交渉術は学ぶ価値あり。執筆してほしい。

・大谷翔平選手と前契約のデサントやアシックスはアメリカの
 ニューバランスにヒーローを取られた格好になるのか。

・ちなみにワタシもNBやアンダーアーマー使ってるし
 (↑↑↑アンタに価値はないから安心しなさい↑↑↑)

・大谷選手の二刀流で思い出したのがマイケルも二刀流だった。
 30歳でバスケ引退後に野球に専念。ホワイトソックス傘下2Aに。
 その2年後またバスケに復活。結構なバッシングがあったみたい。

・作品的に結果わかっているから実話にどれだけ起伏を持たせるか
 まあ、こんなものかな~という感じ。

・マット・デイモンの太った腹回りは自力か特殊メイクか。
 自社のナイキのシューズ履いているなら1週はしなさいって。

・マイケル・ジョーダン演じてる俳優さん一度も画面に顔が出ず。
 そこは顔が似てなくても出せばいいのに。だった。
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監督:ベン・アフレック
脚本:アレックス・コンヴェリー
音楽:アンドレア・フォン・フォースター
出演:マット・デイモン、ベン・アフレック、ジェイソン・ベイトマン

『AIR/エア』

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2 コメント

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Unknown (mariyon)
2023-04-22 14:36:53
靴の名前にロイヤリティを課すというのは母親の発案だったのですね、代理人とかでなく。
ほんと、母はつよしです。

でも母だから息子を信じてはったりでも言えるけど
それで、失敗したら関係者一同お先真っ暗ですものね。それだけかけることのできる選手だったというのは、観客はもちろん知っているけど、いやぁ~~すごいギャンブル!最初のカジノのシーンがここにつあがるのかと思いました。

契約の後の先まで話があると思ったら、ほんとうに誕生の話だけで、かえってそこが面白かったです。
返信する
mariyonさんへ (ituka)
2023-04-22 17:02:52
カジノでは偶数しか賭けない堅実ぶりのソニーなので
マイケルの母親からの前代未聞の請求にはさすがに苦悶の表情浮かべてましたね。
こうしてみるとマイケル・ジョーダンだけでナイキを立て直すことができたこと、史上最高のプレーヤーって
ホントに凄い貢献率ですよね。
今の大谷選手と独占契約したニューバランスも今後は左うちわでしょう。
にしても、アメリカの母は肝が据わっている部分でいえば他の競技でも何かしらのエピソードがありそうで、まだまだ映画にできそうな気がしました。
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