評価:★★★★
本年度アカデミー最有力候補!!!
素晴らしい出来の予告編!
ピアノの旋律が綺麗で悪夢のような出来事のなかに於いて、こころを満たされるような曲・・・。
夜明け前のマンハッタンが非常に美しく、それは港湾警察のマクローリンにとっても普段と変わらない、いつもの光景の一部であった。
港湾警察署員の彼等は、その日も、普通に勤務に就いていた。
この辺りの地味な演出は撮影カメラのアングルも合わせ非常に上手いと思った。その直後に起こる、ビルに映る一瞬の黒い大きな影と聞いたこともない轟音と地響きに、観客の目線と合わせていることで、この得体の知れない不安感というものを見事に描写していた。
所轄ターミナル巡回中の港湾警察官らも署からの緊急連絡で署に集結。すぐさま事故の起こった現場へと大型バスで移動する。現場の余りにも酷い惨状を初めて見る彼らを、言葉を失う表現として、カメラは無音でスローで撮っている。この一級品の演出方法は、オリバー・ストーンの得意とするところである。
バスから降りた彼らにマクローリン(ニコラス・ケイジ)は「これから中に入るが、オレと一緒に来る者は?」と言う場面でのアップで、緊張と動揺からの目の動きと口の表現が非常に上手い!このシーンで(予告編で何度も観れる)ニコラス・ケイジは演技派としても十分な役者になったものだと感心した。
これから始まる自分たちの救援活動、既に他の救援隊がひしめき合う中で自分たちのチームの酸素ボンベの確保からスタートするのだが、ここは混乱しているビル内を少しでも時間を稼いで把握しようとしていたのではないだろうか?
非日常的な場面に遭遇したとき、いかにリーダーシップを取れるか?それが出来てこそ本当のリーダーだと思う。そのために普段の訓練があるのだが、今回はここまでの事態を想定することも出来なかった。ベテランのマクローリンさえ足がすくむほどの事態であった。救援に向かった消防隊員、警察官たちも大半は皆おなじであったと思う。
そんななかで報道ニュースを見ていたひとりの男、カーンズ元海兵隊員の描かれ方は、もはや映画のヒーロー的な扱いである。実際に現場でキーマンになった男。この男が居なかったら、この映画も作られていなかったであろうとも言える。
夜間、捜索を打ち切った救援隊たちを避けるように倒壊したビルの瓦礫に昇って行き、埋まっているヒメノを最初に発見した男である。このシーンはヒメノとの会話のやりとりで思わず涙が流れてきました。彼は使命感でここにやって来た。教会で意を決するところは海兵隊魂を見たという感じだ。事実、救出後に「カーンズ軍曹だ」とだけ告げてその場を去って行く。
家で待つ家族たち、今回はふた家族を描いたわけですが、ヒメノの妻を演じた『マギー・ギレンホール』は予告編を見る限りではアカデミー助演女優賞でも獲るのではないかと思えるのと、マクローリンの妻を演じた『マリア・ベロ』のベッドのシーツを胸に手繰り寄せるシーンは本編では微妙に表現が違っていましたね(笑)
この映画はバージョン1の予告編が余りにも素晴らしい出来であったので、本編を観ると意外と肩透かしを食らう可能性があるかも(笑)
でも、本編を観ないと『カーンズ軍曹』という人物には出会えません(笑)
「ワールド・トレード・センター」のなかの『カーンズ軍曹』はこの人です
それから、クレイグ・アームストロング作曲のこの映画のサントラを是非買いたいです。
--------------------------------------------------------
監督:オリバー・ストーン
脚本:アンドレア・バーロフ
撮影:シーマス・マッガーヴェイ
音楽:クレイグ・アームストロング
出演:ニコラス・ケイジ/マイケル・ペーニャ/マギー・ギレンホール/マリア・ベロ/マイケル・シャノン/スティーヴン・ドーフ/ジェイ・ヘルナンデス
『ワールド・トレード・センター』オフィシャル・サイト
http://www.wtc-movie.jp/top.html
本年度アカデミー最有力候補!!!
素晴らしい出来の予告編!
ピアノの旋律が綺麗で悪夢のような出来事のなかに於いて、こころを満たされるような曲・・・。
夜明け前のマンハッタンが非常に美しく、それは港湾警察のマクローリンにとっても普段と変わらない、いつもの光景の一部であった。
港湾警察署員の彼等は、その日も、普通に勤務に就いていた。
この辺りの地味な演出は撮影カメラのアングルも合わせ非常に上手いと思った。その直後に起こる、ビルに映る一瞬の黒い大きな影と聞いたこともない轟音と地響きに、観客の目線と合わせていることで、この得体の知れない不安感というものを見事に描写していた。
所轄ターミナル巡回中の港湾警察官らも署からの緊急連絡で署に集結。すぐさま事故の起こった現場へと大型バスで移動する。現場の余りにも酷い惨状を初めて見る彼らを、言葉を失う表現として、カメラは無音でスローで撮っている。この一級品の演出方法は、オリバー・ストーンの得意とするところである。
バスから降りた彼らにマクローリン(ニコラス・ケイジ)は「これから中に入るが、オレと一緒に来る者は?」と言う場面でのアップで、緊張と動揺からの目の動きと口の表現が非常に上手い!このシーンで(予告編で何度も観れる)ニコラス・ケイジは演技派としても十分な役者になったものだと感心した。
これから始まる自分たちの救援活動、既に他の救援隊がひしめき合う中で自分たちのチームの酸素ボンベの確保からスタートするのだが、ここは混乱しているビル内を少しでも時間を稼いで把握しようとしていたのではないだろうか?
非日常的な場面に遭遇したとき、いかにリーダーシップを取れるか?それが出来てこそ本当のリーダーだと思う。そのために普段の訓練があるのだが、今回はここまでの事態を想定することも出来なかった。ベテランのマクローリンさえ足がすくむほどの事態であった。救援に向かった消防隊員、警察官たちも大半は皆おなじであったと思う。
そんななかで報道ニュースを見ていたひとりの男、カーンズ元海兵隊員の描かれ方は、もはや映画のヒーロー的な扱いである。実際に現場でキーマンになった男。この男が居なかったら、この映画も作られていなかったであろうとも言える。
夜間、捜索を打ち切った救援隊たちを避けるように倒壊したビルの瓦礫に昇って行き、埋まっているヒメノを最初に発見した男である。このシーンはヒメノとの会話のやりとりで思わず涙が流れてきました。彼は使命感でここにやって来た。教会で意を決するところは海兵隊魂を見たという感じだ。事実、救出後に「カーンズ軍曹だ」とだけ告げてその場を去って行く。
家で待つ家族たち、今回はふた家族を描いたわけですが、ヒメノの妻を演じた『マギー・ギレンホール』は予告編を見る限りではアカデミー助演女優賞でも獲るのではないかと思えるのと、マクローリンの妻を演じた『マリア・ベロ』のベッドのシーツを胸に手繰り寄せるシーンは本編では微妙に表現が違っていましたね(笑)
この映画はバージョン1の予告編が余りにも素晴らしい出来であったので、本編を観ると意外と肩透かしを食らう可能性があるかも(笑)
でも、本編を観ないと『カーンズ軍曹』という人物には出会えません(笑)
「ワールド・トレード・センター」のなかの『カーンズ軍曹』はこの人です
それから、クレイグ・アームストロング作曲のこの映画のサントラを是非買いたいです。
--------------------------------------------------------
監督:オリバー・ストーン
脚本:アンドレア・バーロフ
撮影:シーマス・マッガーヴェイ
音楽:クレイグ・アームストロング
出演:ニコラス・ケイジ/マイケル・ペーニャ/マギー・ギレンホール/マリア・ベロ/マイケル・シャノン/スティーヴン・ドーフ/ジェイ・ヘルナンデス
『ワールド・トレード・センター』オフィシャル・サイト
http://www.wtc-movie.jp/top.html
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます