『イザベラ・バードの「日本奥地紀行」を読む』 宮本常一著
前々回に書いた『日本奥地紀行』を読んで、それについて宮本常一が行なった講読会の話を本にしたものです。あとがきによると、講読会は昭和51年に行なわれたものです。 宮本常一は、山口県の周防大島出身の民俗学者で、その豊富なフィールドワークと従来の歴史的研究に欠けていた民衆の歴史や民衆社会の視点を構築したことで、近年注目されています。(特に山口では有名な人です)
『日本奥地紀行』の内容を抜粋して説明しています。イザベラさんが経験したり、見たとおりのことをそのまま書いている点を、当時の資料などから民俗学的に説明しています。また、同時にイザベラさんの観察したことを、非常に貴重な資料として検証しています。庶民の日常生活は当然のものとして、当事者は記録しないため、資料として残りにくい。その部分を、異邦人が興味を持って記録したものは、貴重な資料だということがよく分かります。
『日本奥地紀行』を読んだ後に、この本を読むとさらに面白いけれども、『日本奥地紀行』を読まないで(なにしろ長いので)この本だけ読んでも、充分興味深く、面白い本だと思います。
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