公開されたら見に行こうと思っていた、『英国王のスピーチ』
山口スカラ座でやってくれていたので、二人以上で行ったら1000円というお得な日に
友人数人と行ってきました。
イギリス映画が好きなので、アカデミー賞4部門とったのも嬉しいですね。
主役は、エリザベスⅡ女王の父ジョージ6世。
コリン・ファースです。彼はアカデミー主演男優賞を取りました。
コリン・ファースといえば、『ブリジットジョーンズの日記』等でイギリス映画では
なくてはならない男優さんですが、私の中ではBBCの『高慢と偏見』のMr.ダーシーです(笑)
幼児期からの抑圧された生活、それによって吃音になり、王室としての重責を背負う人物を
とても臨場感をもって演じていました。
そして、第二の主役である、発音の訓練士ライオネル・ローグを演じたジェフリー・ラッシュも、
やっぱり素晴らしかった。この映画は、彼が出ているので、絶対に面白いと思ったのです。
この方が主演男優賞をとった『シャイン』もすごい映画で、この人の迫真に迫った演技はすごかったけど、この映画でもとてもいい味を出していました。
ジョージ6世の奥様を演じたヘレナ・ボナム=カーターも、とてもいい。
ジョージ6世の奥さんてことは、エリザベス女王のお母様で、この方の名前もエリザベスなので、ちょっと紛らわしいですね。ヘレナ・ボナム=カーターは若いころの『眺めのいい部屋』の可愛くて意志的なところがとても印象的だった。そして、最近ではティム・バートン監督のパートナーとなっているらしく、そのおかげで、『チャーリーとチョコレート工場』『スウィニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』『アリス・イン・ワンダーランド』などでジョニーディップと共演しています。
とにかくこの3人は私が好きな役者さんなので、それだけでもうれしい映画でした。
英国王室の実話をもとにしたものです。
英国王のスピーチといったら、ジョージ6世の兄であるエドワード8世が退位する時のスピーチが有名なので、そちらの話かと思ってしまっていたのですが、違いました。(笑)
エドワード8世は離婚歴のあるアメリカ婦人と結婚するために王位を捨てたということで、
とっても有名な王であり、有名な話なので。
とても前ですが、エリザベス女王の伝記のようなものを読んだ時に、その時のことが書いてあったので、印象的でした。エドワード8世の退位によって急にお父さんがイギリス王になって、自分が王位継承権第一位になってしまったというのは、本当に大変なことだったようです。
ジョージ6世は派手に退位したエドワード8世とエリザベス女王にはさまれて、日本人にはあまり印象がない王様だと思います。しかし、この映画を見て、第二次世界大戦の間、ナチスドイツと必死で戦ったイギリス国民にとっては、大きな存在だったということがわかりました。まだ、テレビの無い時代に、ラジオを通して国民に語りかける王の存在は、重要だったのだなと感じました。
その王が吃音であったとは・・・
吃音になったのは、映画から推し量ったかぎりでは、王室や貴族では当たりまえとはいえ、親とは一日に一回くらいしか会わず、そのほかは乳母か養育係に育てられ、しかもその乳母につらくされたという生い立ちや、良かれと思っているけれども高圧的な父王の指導、王室のメンバーとしての重圧など精神的なものからきているのです。
一番、国民に語りかけなければいけない立場であり、おまけに戦時下というもっとも重要な時期に突然王になってしまう。なんという運命でしょう。
それでも、負けずに克服しようとしたジョージ6世の使命感と責任感がひしひしと感じられるのです。そして、当時としては常識から外れた指導で助ける言語療法士とのやりとりを通じて、人間としての自分を取り戻していくように思えました。
この二人の関係が映画のメインだとすると、奥さんであるエリザベスの理解と愛情もまた底流に流れていて、いろいろ大変だったけど、一番身近に理解者である妻がいてくれて本当によかったねと思ってしまいました(笑)これで、奥さんまで高圧的だったり、無理解だったりしたら悲惨だもの。
エドワード8世やチャーチルの描き方には、イギリス国内ではいろいろと異論があるようですが、その点は日本人にはあまりわからないところがあります。
派手な映画ではないし、イギリス映画らしい静かなトーンの映画です。でも、決して難しい映画ではなくて、そこかしこにユーモアとジョークが混ぜられていて、そして静かに感動するというものです。私の一番好きなタイプの映画(笑)
主役級の3人がとってもいいので、お勧めです
ヘレナ・ボナム=カーターの『眺めのいい部屋』
ジェフリー・ラッシュの『シャイン』
コニー・ウィルスの 『高慢と偏見』(BBCドラマ)
なども、もしもまだ見てなければ、お勧めです
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