『ドゥームズデイ・ブック』 コニー・ウィリス著 大森望訳
コニー・ウィリスの、前回のブログで紹介した『犬は勘定に入れません』の前に書かれた本です。設定は『犬は勘定に入れません』と同じオックスフォード大学の研究室ですが、今回はタイムマシーンで中世史科の学生のキブリンが中世に行くという話しです。何年か前の設定なので、登場人物も一部かぶっていています。
イギリスの中世についての知識がほとんど無かったので、中世に若い女性がタイムスリップするのがどんなに危険かは、読んでみてびっくりです。おまけに、中世に行ったとたんに具合が悪くなったり、思いがけないことが起こったり。どんどん大変なことになっていくのですが、ねたばれになってしまうのであまり詳しくは書かないことにします。
一方、ギブリンを送り出したオックスフォードでも、どんどん大変なことになっていくのですが・・・・。両方の世界での異常事態が、ノンストップで起こり、またまた読み出したら止まりません。以前に読んで、結末はだいたい覚えていたのに、今回もゴールデンウィークに本の整理をするはずだったのに、2日間を使ってしまいました。やれやれ
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ストーリーテリングが上手な作家は結構いますが、読んでいる時には面白いけれども、読み終わったら内容が残らないということも間々あるけれども、この本には「人間の生と死とは、宗教とは」ということまで考えさせられ、「中世ってどんな世界なのよ?」という興味ももたせるものがありました。そして、ある意味とても恐ろしい話であるけれど、最後には泣けて、読後感が良い本です。『犬は勘定に入れません』よりも、一般的には面白いと思います。私的には明るい話な分だけ『犬は勘定に入れません』のほうが好きですが。
作者が何かの時に、この本であまりにたくさんの人が死んだので、『犬は勘定に入れません』では、一人も殺さなかったと言っていたそうです。なるほどね
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次はこの作者のもう一つの傑作?『航海』を読もうかと思ったけど、ちょっと気分を変えて、イザベラ・バードの『日本奥地紀行』を読んでいます
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