「三鬼(さんき) 」宮部みゆき著
宮部みゆきさんの三島屋変調百物語シリーズ4冊目です。
以前も書いたけど、宮部さんの江戸物が好きなのですが、宮部さんの現代物はあまり読みません。
初期のものは読んでたのだけど、現代ものは読後感が悪いことが多いので。
宮部さんはとても文章が上手でストーリテイラーとしても一流なのだと思います。
なので、現代ものはリアルに深刻すぎてしまうのかもしれません。
しかし、江戸のお話は舞台が江戸というだけでリアル度が下がり、江戸時代であるための身分制度や世情に関しての理不尽さがさらっと入ってくるというのがあって、話が深刻であっても距離を持って読めるため、たぶんお話の面白さを素直に楽しめるのだな、きっと。
この三島屋シリーズは不思議な体験をした人が三島屋にいるおちかという娘さんに話を聞いてもらうという設定。今回も4人の人が話に来ます。
田舎の少女、武士、仕出し屋の主人、老女の4人がそれぞれの体験を語りにくるのですが、それぞれのお話が不思議で怖いのだけど、それぞれの人情や人生の機微があり、シリーズ4冊目も楽しんで読みました。
おちかさんがなんで百物語を聞くようになったかは、彼女自身の事情がからんでいて、この巻ではその辺の事情にも変化がありそうな終わり方をしています。この先へ続くってことかな。ちょっと楽しみ。
お話は一つ一つ独立しているので4巻から読んでも大丈夫だけれど、おちかさんの事情などは1巻からの方が良くわかります。文庫化されているので、興味があったらそちらから読んでみてください。
コメント一覧
神崎和幸
iwa-mikemaru
神崎和幸
最新の画像もっと見る
最近の「本」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事