ミケマル的 本の虫な日々

『村上T 』と『一人称単数』 村上春樹を満喫しました


 今日は朝から村上春樹さんの本を読みました。




『村上T 僕の愛したTシャツ』

 村上さんはTシャツばっかり着てるな〜〜って思ったら、やっぱりTシャツ沢山持ってるらしい。
ただ、ビンテージ物を集めるコレクターっていうわけではなく、折々の場所でいろいろ見て買うのが好きっていう感じ。

 「集めるつもりということに興味があるわけではないけれど、集まってしまうのが僕の人生のモチーフである」と語っておられます。

 ジャズやクラシック音楽が好きな村上さんはレコード屋さんに行ってレコードを見たり買ったり聞いたりするのが趣味のようで、レコードも相当お持ちだし、本も、雑誌の切り抜きも、短くなった鉛筆も集まってしまったそうですが、その一つがTシャツ。

 こんなにたくさんのTシャツ持ってるのに、村上さんがの写ってる写真で着てるのは無地ばっかりだなと思ったら、作家を専門に撮る写真家!(こういう方がいるんですね)エリーナ・サイバートさんが写真は無地のTシャツに限るのだという信念があって、柄のTシャツは却下されちゃうそうです😅

 その理由がトルーマン・カポーティーの無地のTシャツのポートレイトがカッコいいからだそうな

 この写真かしら? もっと歳を取ってからの写真かもしれませんが。

   

 『ティファニーで朝食を』を書いたカポーティーだけど、映画しか見てないから、読んでみようかなと思いました。

 この本の中のTシャツで、鳥のTシャツはいいな〜〜と思ったのと、村上さんの著者のキャンペーンTシャツが主に海外で出版時に作られているようで、ちょっと欲しいなと思いました😉

 「KEEP CALM AND READ MURAKAMI」っていうのも良いし、「DANCE DANCE DANCE」や「ねじまき鳥Tシャツ」も良いな〜。

 そして、「トニー滝谷」って小説があるのですが、ハワイで偶然買ったTシャツにあった名前だったんですって! 映画にもなった小説。
 後から民主党の下院議員候補だったトニーさんの選挙用のTシャツだったことがわかって、トニーさんは実在の人物で連絡が来たそうですよ。

 と、Tシャツにそれほど興味のない私でも、村上さんのエッセイとして読んでもとても面白い本でした。

 世界の街に行っても、日本でもレコード屋さんでレコード見るのが無情の喜びというところが、私が本屋さんに行くのと似てるなと思ったりして、妙に安心したりして。
(いや、一種の中毒だそうだから、安心しちゃいけないかもですが)

 そして、本の中で、良い感じな「やれ具合」って言葉が複数回出てきました。
Tシャツの襟とかが良い感じのやれ具合になって、って感じで。
「やれ具合」って言葉はなんだ?って思ったのですが、普通に使う言葉なのかな?最近の言葉?

やれ【▽破れ】 の解説
《動詞「や(破)る」の連用形から》
  1. 1 やぶれたもの。やぶれたところ。やぶれ。「破れ団扇 (うちわ) 」「破れ縁」
  2. 2 印刷で、刷り損なった紙。損紙 (そんし) 。「インクがのらず破れが出る」

やれ具合というのは、新品でない使った感、古びた感じ、などを表すようで、中古の車などに使う場合が多いらしい。  とネットにありました。

 村上さんがよく使う「やれやれ」もやれの使い方の一つのような。
なるほどな〜〜〜、とちょっと勉強しましたです。


『一人称単数』

 短編小説集ですが、ちょっとエッセイを読んでいるような感じもあります。
題材が村上さんの人生の中で起こった出来事のように書かれているから。
それが、そのまま事実を元にして書いているように読めるけれど、そうなのかどうかはわかりません。
 でも、村上さんの人生の中のお話と思って読んだ方が面白いので、私はそのように思って読みました。

 最後の小説が「一人称単数」という題です。

本の帯にこんな事が書いてありました。
「一人称単数」とは世界のひとかけらを切り取る「単眼」のことだ。しかし、その切り口が増えていくと絡み合った「複眼」になり、そこでは私は私でなくなる、あなたはあなたでなくなる。

この短編集全体を通じて、こういう世界を描こうとしていたのかなと思います。

 私はこの中の「クリーム」と「品川猿」が好きだな。
特に「クリーム」はよかったな。

でも、「ヤクルトスワローズ詩集」はちょっと私的にニヤニヤしてしまいました。
私が千駄ヶ谷に住んでいた時と村上さんが住んでいた時が被っていて、神宮球場も近かったから、どこかですれ違っていたかもな〜〜なんて思って懐かしかったです。

 村上さんが作家になる前に経営していた「ピーターキャット」というジャズバーも千駄ヶ谷にあって、村上さんが経営している時かどうかはわからないけれど、何回か行ったこともあります。
たくさんLPレコードのある洒落たお店でした。
ジャズを意識して聞いたのは、ピーターキャットが初めてだったと思います。
初めてポトフというものを食べて、これがポトフなんだ!って思った20代の私を思い出しました。

 
 やっぱり、村上春樹の短編やエッセイはいいな〜〜❗️と改めて思った2冊でした。

村上さんの文章のリズムなのか、言葉なのか、いわゆる文体っていうものなのか、私にはよくわからないけれど、とにかくす〜〜っと入ってきて引き込まれる独特の魅力があります。
 
   Tシャツにあったように KEEP CALM AND READ MURAKAMI な朝でした。
                       (落ち着いて、村上春樹を読むべし)




 
 

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