ミケマル的 本の虫な日々

『マーヤの自己改造計画』 面白くて一気読みしました

「READING WELL is the BEST REVENGE」
『優雅な読書が最高の復讐である』
 山崎まどか書評エッセイ集   →この本についてはこちらに書きました
    
この書評集の中で紹介されてた本を読む件 1冊目

『マーヤの自己改造計画』 
1950年台のマニュアルで人気者になれる?
 マーヤ・ヴァン・ウァーグネン著 代田亜香子訳



 この装丁もなんとも言えず良いです😉

 なんと13歳の時に書いた日記を15歳でまとめて本にしたマーヤさん。
そして、とても面白くて考えさせられる本でした❗️

 メキシコ国境に近いテキサス州ブラウンズビルという街の中学に行っているマーヤさんは読書や文章を書く事が好きで勉強もできる少女だけれど、外見や性格的に中学のヒエラルキーの下の方にいると思っています。

 本や映画などでもアメリカの中学や高校ではどうも勉強できるって事は学校のヒエラルキーの中ではマイナス要素になるようなのはなんでなんだろう?
スポーツ選手とか外見が綺麗とかお金持ちとかがプラス要素のようですが、日本での評価とはまた違うようで、その辺りがまた面白いのですが。

マーヤさんは自分の引っ込み思案なところ、おとなしくてつまらない目立たないタイプを直して、人気者になってみたいと思い、その手段として1950年代の「ベティー・コーネルのティーンのための人気者ハンドブック」を参考にやってみるという意外な手段を考えるのです。

 お父さんがその本を見つけて、お母さんがやってみたらと勧めたところが特にすごいなと思いました。このご両親の姿勢がまた素晴らしいです。

この「ベティー・コーネルのティーンのための人気者ハンドブック」を1951年に書いたベティーさんがまだお元気で、お話が進むとお父さんがFacebookでベティーさんを探し出してくれて、ご本人と交流できるというのもいいです。

 ベティーさんの本がたくさん引用されているのですが、ファッションとかはもちろん時代が違うのですが、基本的な姿勢はとても普遍的な事が書かれていて、なるほどと思うところが多々ありました。
だからこそ、何十年もたってからその内容を実行していくマーヤさんが無謀のように見えるけれど、自分を切り開いていくために有効であったのだと思います。
 
 学校の人気者になりたいという目標、自分が作っていたヒエラルキーを登ってみたいという気持ちをベティーさんの本を教科書に行なっていくのですが、その過程でもっと大切なものを見出していきます。

 13歳の少女の素直な気持ち、戸惑い、悩み、聡明な考え方、勇気、出会い、別れ、そして何かをきっかけに変わっていけるという素晴らしさ。
すっかり私もマーヤさんと一緒に色々と体験し楽しみました。

 そして、素晴らしい先生との出会いと別れには涙が出てしまいました。
学校の先生もご両親も素晴らしい。

また、メキシコ国境の街という事で、ヒスパニックの割合が高い学校、学校での麻薬取締りや事件が起こるとロックダウンされるというびっくりな学校環境などもサラッと書いてあるけど、びっくり😅

過去の本を参考にして行動を起こすって、映画にもなった『ジュリー&ジュリア』を思い出しました。アメリカにフランス料理を紹介したジュリアの料理本のお料理を全部作ることしたジュリーが、順番に作ってブログアップしていくお話。
 これも、面白かったですが、このお話ではジュリアさんはあまり喜ばなかったという記憶がありました。

 このマーヤさんの場合は、参考にした本のベティーさんが、本の最初に文章を載せてくれていて、そこもとても暖かい気持ちにさせていただきました。

 ハラハラ、ドキドキしながら読んでいくと、今、学校での色々に悩んでいるお若い方にも、もうそういう事とは関係ない方でも、人と親しくなるのに必要な事はいつの時代もいくつになっても同じなんだなと楽しく明るい気持ちになると思います。

 とにかく面白かったので、紹介してくれた山崎まどかさんに感謝!
山崎さん推薦本読む計画 1冊目は成功でした🤗


 

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