読書の秋ということで、読書週間。
私は毎年夏の暑い時に外に出ないで読書がすすむので、どちらかというと秋は少しお休み気味になりますが、少しずつ読んでいます。
このところ、再読&積読本を読む事を続けていますが、今回は北村薫さんの本2冊再読しました。
『玻璃の天』と『鷲と雪』
昭和初期のお嬢様が主人公のシリーズ物です。
北村薫さんは推理ものが得意な作家なので、これも推理ものの分野に入りますが、日常の続きで起こる事をお嬢さんと彼女の女性運転手ベッキーさんがその謎を解いていくというお話。
でも、軽いお話ばかりではなく、殺人事件もあったり、戦争に向かう時代背景や人々の生活は苦しくもある時期に世の中の矛盾も織り交ぜつつも人間心理を追求する物語が多く、しみじみと読めました。
庶民の生活が苦しい中で上流の人々は優雅に生活しているけれど、その中で自由は非常に制限されています。その中でこの主人公のお嬢様は自分できちんと考えながら生きています。それをサポートするのがベッキーさん。
有能で博識なこの謎の女性運転手がこのお話の肝の部分なのですが、最後にこの女性の辿ってきた人生が分かりますが、その事情が感慨深い。
歴史的な事件も盛り込みながら、静かな中にもきちんとした謎解きと興味深い蘊蓄もあり、北村さんうまいな〜〜と思いました。
北村薫さんの小説は何冊か読みましたが、この2冊が好きだったから残っていたんだろうなと思います。今回も楽しく再読しました。
このシリーズの1冊目『街の灯』も読んだはずなんですが、今回見つかりませんでした。見つかったらまた読んでみようと思います。