図書館は、とりあえず借りて読んで見られるところがいいですね。本当は買って読むのが一番だけれど、全部買うわけにもいかないし、ちょっと前に出版された本は本屋さんに行ってもないことが多いので、ネットで買うより前に借りて読んで見られるのはありがたいです。
『イトウの恋』中島京子著 は、『日本奥地紀行』を書いたイザベラ・バードと一緒に日本を旅した通訳の伊藤がイザベラ・バードとの旅のことを記録した文書が出てきたという設定で、伊藤の側から見たイザベラ・バードとの旅を描いています。それと同時に、その文書を発見したしがない?中学の教師と伊藤のひ孫に当たる女性の話を進行させているという二重構造になっています。
このブログにも書いたけれど、イザベラ・バードは当時のイギリス人としては、独自の視点で日本の風物を描いていて、とても興味深い人なのですが、通訳の伊藤に対しては有能だけれど、人物的にはイマイチというような評価をしています。それを、伊藤の視点からの反論が書かれていて、それがいかにも本当に思えるところが、うまいと思う。
読み終わった後に、思わず『日本奥地紀行』の伊藤のことを書いた部分を読み返してしまいました。
中島京子さんは、田山花袋の『蒲団』をもとにした『FUTON』を書いていて、こちらは大分前に読書会で読んだのですが、これもうまくできた話でした。目の付け所がユニークで、特にこの伊藤さんに目をつけたところはとても面白いと思いましたよ。中島さんの他の本も読んでみたくなりました
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