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ミケマル的 本の虫な日々

『子規365日』


 まだお正月疲れ抜けません(笑)
気圧の変化のせいかもしれませんが。そして寒さがしみる。

ということで、今日もYouTube見てたら、俳句の夏井いつきさんのチャンネルがあったのだった。
夏井さんと息子さんがやっているチャンネルみたいです。

 ちょうど去年の終わりに夏井さんの『子規365日』という本を買いました。
正岡子規が昔から好きで、見かけると関連本を買ってしまうのでした。
子規はすごくたくさんの俳句や短歌を作った人ですが、その中から夏井さんが1日一句選んで簡単な解説を書いてある本です。


  


 1月の句の中でいいなと思った句

うれしさにはつ夢いふてしまひけり 1893年(明治26年)
 初夢は人に言っちゃダメって言われてるらしい。
 でも、あまりいい夢見たからつ話しちゃった、という句。
 解説では新聞社の社員になって母と妹を東京に呼び寄せて一緒にお正月を迎えた年だそうです。言っちゃダメじゃないなんて言われたのかな?なんてたのしいお正月を想像できる句だな〜。

 正岡子規はこの後、結核性の病気になって脊椎カリエスで歩けなくなってしまいます。そして35歳で亡くなるのですが、その中でも俳句や和歌を作り、研究し、弟子をたくさん育て、日本の俳句や短歌を現在に届けてくれた人じゃないかと思います。
痛みを伴う病気であり、当時の医療では助からないというものだったけれど、子規の句はもちろん日記の中でもそこはかとない明るさがあるのです。
まだ若いのにどうしてこんな風に生き死んでいけたのかというのがあり、子規への興味と尊敬を感じます。そして、俳句や和歌に対する情熱は本当にすごいなと。


寒椿力を入れて赤を咲く 1893年(明治26年)
 椿は咲くと1日で花ごと落ちます。
 そんな椿が力を入れてぱっと咲いている様子が浮かびます。
 赤を咲くっていいな。

うつくしき霙(みぞれ)ふるなり電気灯 1895年(明治28年)
 電気灯は明治の世にはまだ珍しいもの。
 その明かりに霙がキラキラとする様子が浮かぶようです。
 見たままを歌う写生を良しとした子規の美しい句だと思います。

夜輿引(よこ引き)の犬を吠えけり寺の犬 1898年(明治31年)
 よこ引きとは冬の夜に猪・鹿・兎などを獲るために犬を連れて山に入ること、だそうです。
猟犬は無駄吠えしないように訓練されているからお寺の番犬が吠えても吠え返さない。
明治の犬は番犬は番犬として、猟犬は猟犬として役目を果たして生きていたんだな、としみじみしてしまうような句でした。

夜輿引や犬心得て山の道
 という句もあるそうです。犬が山の道をよく知っていて先導してる様子かな。
これも、寒い夜に山の中に入っていく犬と猟師の姿が目に浮かびます。

 ということで、1月の子規の句でした。
夏井さんはこの本を元にYouTubeで毎月の子規の句の話もしています。
夏井さんも松山にお住まいだそうです(子規は松山出身で松山では今でも俳句が盛ん)
私は自分で句を作るということはないと思うけど、夏井さんのYouTubeはなかなか面白かったです。

 正岡子規が好きと言っても実は随筆など散文、評伝や小説を読んでいるだけなので、こうやって子規の作った句を毎月辿ってみるのもいいかなと思いました。



 

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