日本三大祭りと言えば、京都の祇園祭、大阪の天神祭、東京の神田祭が有名ですが、日本三大火祭りはご存じでしょうか。那智の火祭り(和歌山)、野沢の火祭り(長野)、そして久留米の鬼夜(福岡)が三大火祭りに数えられています。
この度、三大火祭りの一つ、鬼夜のお祭りに使われる鐘を制作させて頂きました。鬼夜とは毎年正月に福岡県久留米市の大善寺玉垂宮にて行われる火祭りです。勇壮な男達により、13mの大松明が何本も境内を練り歩く様は、1600年の歴史の壮大さを感じさせます。
今回は明治期に作られた鐘が連打と叩き加減により、割れを生じ、一から鋳型を制作し復元を致しました。口径66.8cm、総高120.5cm、重量322kgの旧鐘をお預かりし、半年間かけて制作致しました。アウトライン、デザイン、模様等の再現に加え当時の鐘に刻まれていた1795字の彫文字を致しました。
復元型となりますので一から原型を作り、音響設計を行うため、いつも以上に熱が入る梵鐘でした。お納めの際に宮司様、地元の保存会の方々、関係者の方々の笑顔を頂き制作に携われた喜びを感じ、九州をあとにすることができました。
来年以降、新たな鐘の響きによって、鬼夜のお祭りがより壮大にかつ荘厳に行われることをお祈り致します。