沖縄・台湾友の会

《台湾に興味のある方》《台湾を愛する方》《不治の病・台湾病を患ってしまった方》皆んなで色々語り合いたいものです。

日本の基地周辺ばかりではなかった    中国企業、アメリカの軍事基地周辺の土地を静かに購入していた

2022-07-29 20:26:46 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
      令和四年(2022)7月29日(金曜日)弐
          通巻第7418号
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(休刊のお知らせ)小誌は週末7月30日~31日が休刊です
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 日本の基地周辺ばかりではなかった
   中国企業、アメリカの軍事基地周辺の土地を静かに購入していた
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 日本では自衛隊のレーダー基地のまわりなど「安全保障上、マージナル」な土地を中国が買いあさっていて問題化している。
水源地など戦略的な土地を、日本人ダミーを経由して購入し、とりわけ北海道では大規模な土地の購入が政治問題化した。みているだけで有効な手を打ったわけでもなく日本政府は無策である。

 アメリカでも同様な危惧が表面化した。
 2019年に米農務省は、農地192000エーカーが19億ドルで中国系に購入され、とくに山東省済南市が本拠の農薬、肥料、食品加工、調味料などの大手「阜豊集団」は370エーカーの土地を買い占めていたことが分かった。
 これはノウスダゴダ州で問題となり知事が州司法当局を動かして、裁判の構えを見せ、全米のニュースとなった。

 ペンタゴンの調査でも、基地周辺、ドローンの格納庫近くなど国防上微妙な土地が中国企業に買われていると警告を発している。およそ13万エーカーの米軍基地、レーサダーサイト、通信施設などの近くが中国資本に購入されていたと発表した。

2021年6月、日本では、ようやく国会で「外国人土地所有法」(土地利用規制法)が可決、成立した。外国資本による日本の土地の買い占め問題は深刻であり、とくに北海道では中国資本によって森林・水源地、基地や飛行場周辺の広大な土地が爆買いされた。対馬でも韓国資本による土地の買い占めがつづき由々しき事態に陥っていた。

土地利用規制法は、自衛隊基地や原子力発電所などの重要インフラ施設周辺約1キロと国境離島などを「注視区域」とし、土地所有者の国籍や氏名、利用状況などを調査できる。
重要性が高い区域は「特別注視区域」と規定し、不動産売買の際には事前に国籍や氏名を届出る義務が付帯する。違反した場合は2年以下の懲役が科される。これじゃ、殆どザル法だが。。。

タリバンがアフガニスタンを支配してから一年。    ひそかにETIMの軍事基地ができていた

2022-07-29 20:24:33 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
      令和四年(2022)7月29日(金曜日)
          通巻第7417号
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 タリバンがアフガニスタンを支配してから一年。
   ひそかにETIMの軍事基地ができていた
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 タリバンが支配するアフガニスタンにウイグル独立を目指す「東トルキスタンイスラム運動(ETIM )」の拠点が復活した形跡があるとサウスチャイナモーニングポスト(7月28日)が伝えた。

 タリバン政府は外国人の基地を提供しないと豪語していたが、となると統治できた地域が限られているということでもある。
 中国はタリバン幹部を招待して、真っ先に復興援助を申し出たが、交換条件としてETIMの取り締まり強化を要求した。従来、ETIMはアフガニスタンの拠点からおよそ1000名がシリアへ移動し、戦闘の練度を挙げた。

 彼らはアルカイダやパキスタン・ターリバン(TTP)など多くの過激派と緊密な関係を堅持しているという。
 とくにETIMはアフガニスタン北東部のバダフシャンにいくつかの要塞を再建し、「武装を強化し、戦争能力向上を目的として、活動範囲を拡げ、武器を購入した」と現地の事情通の情報を紹介している。

 同じイスラムを信仰するタリバンは、中国の圧力を知りながらも中国に協力することはない。イスラム同胞を裏切ることになるからで、そうこうしている裡にETIMはアフガニスタンで細胞を拡げ、軍事要塞を拡大した。

現在、アフガニスタンのなかでETIM目立たないようにしている。中国にとっては不気味な沈黙に思えるだろう。

ゼレンスキー大統領夫人が米国議会で演説    80年前の宋美齢のアジテーション演説を彷彿させた

2022-07-29 20:23:36 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
      令和四年(2022)7月28日(木曜日)
          通巻第7416号  <前日発行>
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 ゼレンスキー大統領夫人が米国議会で演説
   80年前の宋美齢のアジテーション演説を彷彿させた
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 1943年2月18日、宋美齢が米国議会で演説するというチャンスを与えられた。宋美齢は日本軍を「侵略者」と見立て、支援を要請した。
 宋美齢は政治宣伝戦争で、米国議会をいかにたらし込むかを心得ていた。蒋介石も、宋美齢にしたがってキリスト教に改宗したと偽っていた。

 宋美齢は「1937年に日本が中国に全面戦争を仕掛けたとき、各国の軍事専門家は中国にチャンスの幽霊すら与えなかった」と歴史をねじ曲げた見解を述べた。日本はPKO(平和維持軍)で北京に軍を派遣していたが、中国共産党の仕掛けた謀略的発砲事件で、戦争に巻き込まれた。

 およそ八十年後、2022年7月20日、ウクライナ大統領夫人のオレーナ・ゼレンスカは「ウクライナへの支持拡大を訴え、プーチンの侵略軍が「私たちの人々を破壊している」と警告した。

 米国は情勢判断を誤り、中国を支援するために数十億ドルを援助したが、1941年から1951年の間に31億ドル(今日のお金で約500億ドル)の援助をなした。

 2月24日から現在までに米国は540億ドルのウクライナへの援助を承認した。それでもウクライナは「足りない。金をくれ、武器を呉れ」と獅子吼している。

 米国議会は、ゼレンスキー大統領夫人の演説直後に、追加で30基のハイマース供与を決めた。ロシアはハイマースの設置場所や保管場所を索敵し、長距離ミサイルで破壊している。戦争は泥沼に這入り込んだ。


 ▲ウクライナ、ルトワックやランド・ポール議員を「ロシアの代理人」

 ゼレンスキー政権は著名な外国人等を「ロシアの代理人」と規定し、ブラックリストに乗せた。当該の人たちはツィッター、フェイスブックなどでウクライナ政府批判を展開している。

 シカゴ大学教授で地政学の大家ミアシャイマー教授、国防戦略アナリストとして日本で有名なルトワック、米連邦上院議員でウクライナへの武器供与に反対するランド・ポール、フランスでは国民戦線のルペンもブラックリスト入りである。

 なかでも注目はバイデン政権に近い前下院議員のトゥルシー・ギャバードだ。彼女はサモア生まれでヒンズー教徒、志願兵としてイラクでも戦った退役少佐でもあり、TPP反対論者。2020年には最年少で大統領選挙にも立候補した。
 彼女がなぜブラックリスト入りか、全米メディアが注目した。


次期英国首相最強候補のスナク前財務相は親中派か、反中派か   在英『孔子学院』30校はただちに廃校とすると反中路線を鮮明に

2022-07-29 20:19:16 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
      令和四年(2022)7月27日(水曜日)
          通巻第7415号
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 次期英国首相最強候補のスナク前財務相は親中派か、反中派か
  在英『孔子学院』30校はただちに廃校とすると反中路線を鮮明に
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 ジョンソン首相の辞意表明に伴い、英国保守党は、熾烈な候補者選定レースの最中。
党内選挙で二人に絞り込まれ、スヌク財務相とトラス国防相の一騎打ちの様相である。争点はロシアへの強硬路線継続と中国への評価となった。

トラスはジョンソン首相の外交路線に近い。トラス政権誕生となればサッチャー、メイに続き三人目の女性宰相となる。

 英国の大衆紙はスナク財務相がプラダの高級靴や高価な服を着用、『庶民感覚から遠い』と皮肉な姿勢で報じている。ところが、意外な応援団が中国のメディアである。たとえば、『環球時報』は「中国と英国との前向きな関係を熟知している政治家」と褒めあげた

 驚いたのはスナク陣営で、早速、「中国は今世紀最大の脅威であり、英国に対してサイバー攻撃、ハイテク企業の買収など、英国の安全保障上、最悪な脅威を見逃せない。わたしは首相官邸にはいったら第一日目に在英30校の孔子学院の閉鎖を命じる」と強気の姿勢を示した。

 英国メディアによれば、スナクの岳父がインド大手企業インフォシス社の共同創設者であり、フォーブスのインド財閥五十一位。同社は北京、杭州、東莞、南京、広州、武漢、大連、香港などに支社があり、中国とは切っても切れないビジネスの絆があると指摘している。
 もっとも同社は日本にも支社があり、パナソニック、パソナなどと提携して幅広いネットサービスを展開しており、英国の首相指名選挙とは無関係である。


カリスマ性ゼロ、教養の浅薄さ。嘘の情報しか入らない孤独    習近平はいずれ中国現代化の成果をすべて破壊するだろう

2022-07-29 20:16:37 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
      令和四年(2022)7月26日(火曜日)
          通巻第7414号
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 カリスマ性ゼロ、教養の浅薄さ。嘘の情報しか入らない孤独
   習近平はいずれ中国現代化の成果をすべて破壊するだろう
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 重慶にはよく行った。山あり谷あり。奇岩、高い崖の間に深い谷間、天然の要害都市だ。古代の「巴」という王朝は、この谷間のような空間に成立した。
現代では、孫悟空が空を飛ぶように崖と台地を高い鉄塔を組んだ道路が立体的につなぎ、未来都市のような空中回廊のごとき建築構造物の塊となった。メトロよりモノレールが発達し、橋が交通渋滞の原因。高速道路が無数に交錯する。

 四川省の名物は麻婆豆腐。猛暑で湿気が強く、食べ物は腐りやすいから猛烈に辛い香辛料を使用し、味をごまかす。重慶人は火鍋が得意。何回か食べたが、なじめない。胃袋がよじれる。
巴という古代王国は太陽信仰、成都の北で発掘された三星堆遺跡は古代史常識をがらりと変えた。中華四千年の歴史というのは黄河文明史であり、黄河より遠大な長江には、もっと古い文明があった。河母都遺跡などが戦後しられるようになった。

 地形的には嘉稜江に幾本もの河が合流し、三峡ダムが近いため長江の運搬ターミナルとしても重要な戦略拠点である。駐在員こそすくないが重慶には日本領事館も置かれている。

 蒋介石はこの重慶に臨時首都をおいて、終戦後は共産党と延々と「国共合作」の交渉を行った。会談の場所は重慶に残っているが、蒋介石は最後に毛沢東に巧妙に欺された。重慶は喜びが重なるという意味で政治都市としての機能を果たした。
1997年、この重慶市が四川省から分離独立し「特別市」扱いを受ける。人口が3100万、北京、上海、天津とならぶ四大重要拠点、したがって重慶市党委員会書記は、共産党に序列でも高位、現在は習近平の茶坊主、陳敏爾がトップに居座っている。そのまえは共青団のホープといわれた孫政才が赴任したが、醜聞に巻き込まれ、失脚した。

 前置きがながくなった。
重慶市書記として薄煕来が大連市長から商務部長をへて赴任したのは2007年だった。筆者はたまたま、重慶を二回ほど連続して取材したタイミングと重なり「唱紅打黒」の現場を何回も見たのだ。

 公園に市民が集まってジャズや社交ダンスにふけるのではなく革命歌を唱う。ぎこちない合唱団の時代錯誤、薄気味が悪いが、共産党員は競って歌声大会に邁進した。というのも、薄煕来が奨励し、これが「共同富裕」の合い言葉となって、個人的野心を実現し、政治局常務委員を狙っていた。当時のチャイナウォッチャーの間では、長身でハンサムでカリスマ性に富んでいた指導者として薄の政治局常務委員入りは確実と読んでいた。


 ▲クーデタ未遂、公安vsマフィア

当時の政治情勢をいえば、習近平なぞ、「どこぞの馬の骨」でしかなく、対比的に同じ太子党でも、薄煕来には、明らかなカリスマ性があった。薄は薄一波の息子、かたや習は習仲勲の息子で、ともに親の七光りで異例の出世街道にあった。薄が先輩格であり、習は兄貴分として仰ぎ見ていた。

薄は大連市長から遼寧省省長、2004年に商務部長。そして07年に重慶特別市書記に栄転し、マフィアを相手に綱紀粛正、反腐敗キャンペーンで地元やくざをかたっぱしから逮捕し、重慶市民の喝采をあびた。大連からひきつれてきた公安局長の王立軍が大活躍し、実際にマフィア十数名を処刑した。

この王立軍が、土壇場で薄煕来を裏切り、成都の米国領事館に機密書類とともに駆け込んだ。亡命を希望したが、オバマ大統領は決断が出来ず、多くの権力闘争の機密が漏れて、薄は立場を失った。
2011年に薄煕来は夫人の谷開来が英国人を毒殺したことがばれ、突然、失脚した。カリスマに飛んだ指導者が消え、木偶の坊のように体格だけは良い男が、院政を敷いていた江沢民の眼鏡にかなった。この間に北京ではクーデタ未遂事件が起きたというが、戦車が動いたのは事実で、それがクーデタだったのか、どうかは謎である。

しかし習近平は僥倖に恵まれた。最大のライバルだった薄が不在となって、権力基盤を固めるには、反腐敗キャンペーンという武器を浸かって政敵を潰していく。最大最強の協力者が王岐山だった。
しかし軍と公安をてなづけたとはいえ、習近平に何かがかけている。
それは、カリスマ性だ。薄煕来にはあった。安倍元首相には強いオーラがあったという人が多い。トランプにもカリスマ性があり、オーラを感じた人は多いだろう。いまのバイデンにはない。

過去十年の習近平のパフォーマンスを映像で追う限り、まるでオーロがないことに気がつくだろう、また教養のかけらを感じさせない。
偉そうに思想をかたるときなど、薄気味が悪く鳥肌がたつ。個人崇拝だけを求め、中国の夢をたたえるとき、ぞっとするものを感じないか。

江沢民の三個代表論も、胡錦濤の科学的発展観も、何が何だか正確には分からないが、市場経済を発展させ、中国人の生活水準を豊かにしようとしていることだけはわかった。

 習近平は、「中国的社会主義市場経済」をぶちこわし、トウ小平路線を基本から否定した。この暴走を誰も阻止できない。諫言できないとう皇帝支配のぬきがたい体制は、間違いなく中国経済を根底的に破壊する。

その兆候が銀行の取り付け騒ぎ、不動産ローン支払いボイコット、若者たちの何もしないいう無言の抵抗。解答がすでに出始めている。