沖縄・台湾友の会

《台湾に興味のある方》《台湾を愛する方》《不治の病・台湾病を患ってしまった方》皆んなで色々語り合いたいものです。

何とも不思議な底力をもつ日本       櫻井よしこ

2024-04-13 15:16:55 | 日記
わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
                 頂門の一針 6836号 

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  何とも不思議な底力をもつ日本
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             櫻井よしこ         

日本ルネッサンス 第1092回

親中派と言えば、政治家ではかつて首相を務めた福田康夫氏を筆頭にその系譜に連なる人々、例えばエネルギーや安全保障分野での所業から河野太郎デジタル大臣や林芳正官房長官などが思い浮かぶ。各々幾十万の有権者の支持を得て国民のため、日本国のため、国政に携わっているはずだが、一体どの国のために働いているのかと苦々しく思うことが少なくない。十倉雅和経団連会長をはじめとする財界人にも同様の思いを抱く。

そんな憂鬱な気分を吹き飛ばすのが皇學館大学文学部教授、松浦光修氏の『日本の心に目覚める五つの話』『日本の心を思い出す六つの話』(いずれも経営科学出版)だ。

氏はまず、親中派は今に始まったことではなく大昔から日本にいたことを思い出させてくれた。そうなのだ、親中派が主流の時もあった。けれど日本はきちんと大和の道を歩んで日本独自のすばらしい国柄を創ってきた。そのことを忘れて、ただ気分を滅入らせるのは愚かなことだと教えてくれる二冊の著書である。

松浦氏は2月11日の建国記念の日を題材に語っている。大東亜戦争で敗れる前、その日は神武天皇ご即位の日、つまり国のはじまりの日という意味で紀元節と呼ばれていた。制定は明治6(1873)年。明治政府が「国のはじまり」を意識した背景には、欧米列強と相対峙していくとき、キリストの誕生を基点にする西暦に対し神武天皇即位を基点にする日本国の歴史を踏まえ、対等の関係に立たなければならないという考えがあった。大日本帝国憲法の制定に当たって井上毅(こわし)らが国の根本法の精神こそ日本国の歴史や
価値観に基づいていなければならないと心していたのと同じである。

神武天皇がわが国の初代天皇であることはずっとずっと昔、人々の常識だった。『古事記』や『日本書紀』には崩御された神武天皇と皇后の御陵(お墓)の場所についての記述がある。また平安時代の法典である『延喜式』には、御陵は「大和の国・高市の郡にあり、兆域東西一町。南北二町。守戸(しゅこ)五烟(えん)」と記録されている。兆域はお墓のことで、広い御陵を5軒の家の者どもが守っていたという意味だ。

忘れ去った800年

ところが神武天皇に関する記録はこのあとぷっつりと消えたというのだ。鎌倉、南北朝、室町、戦国、安土桃山と、神武天皇は歴史の中に埋没し、御陵の場所も定かではなくなった。松浦氏は日本が神武天皇を忘れ去ったその期間は800年に及ぶと指摘する。

この時期、日本人は神武天皇の存在をほぼ完全に忘れただけでなく、中国大陸の呉の国(春秋時代、紀元前6~5世紀)の「太伯(たいはく)(泰伯)」という人物の子孫だとする「皇祖太伯説」を信じる者が多かった。右の主張は中巌円月(ちゅうがんえんげつ)という禅僧が元(1271~1368年)の時代に渡って持ち帰ったそうだ。

なぜ神武天皇がシナ人の子孫でなければならないのか、なぜそんな説を日本人が信じたのか。松浦氏は、その理由は大別して2つだと説明する。1,先進国への劣等感コンプレックス、2,外国人の日本に対する悪意ある発言を鵜呑みにする、である。

1,について松浦氏は当時の“エリート”たちは文明国のシナに憧れる余り、神武天皇がそのエリートの血を引いているとされたことをむしろ誇らしく思っていたのではないかと見る。2,について、中国大陸では古くから「太伯という偉い人物が、野蛮人の国、つまり日本国に行って王朝を開いた」という伝説があった。このとんでもない作り話が『史記』、『論語』に記録され、唐の時代には正式な歴史書、「正史」の『晋書』に取り入れられたそうだ。それを日本の知識人たちが信じ込んだのだ。

だが、江戸後期に入って遂に論争が起きた。水戸黄門様として親しまれている水戸藩主の徳川光圀公は、日本民族は日本民族の歴史を正しく見つめなければならないと考えた。日本国初代天皇の御陵は荒廃を極め、その場所さえ定かではない。光圀公はその状況を嘆き、元禄7(1694)年、立派な神社を建てて神武天皇をお祭りすべしとの建白書を奉じた。そこから後期水戸学が興り、日本回帰の精神が学問的に涵養されていった。その中心人物は藤田東湖であり、吉田松陰も大いに影響を受けた。

しかし800年間も放置されていた神武天皇の御陵の場所については中々正確につきとめられない。複数の学説が生れ、決着がつかない。最終判断は孝明天皇がなさった。今上陛下の5代前、今上陛下の祖父である昭和天皇の曾祖父にあたる方だ。孝明天皇が認めた場所に御陵が完成したのが明治維新まであと5年、文久3(1862)年だった。そして慶応3(1867)年には「王政復古の大号令」が出され、「諸事、神武創業の始めにもとづき」と謳われた。神武天皇の時からの国柄は皇室を基軸として歩むというもので、
その道に戻るという国家としての決意表明がなされたのだ。

単なる復古ではない

ここからさまざまなことが汲みとれる。まず日本民族は自国の歴史を忘れ去ってしまうほど自覚のない時期を、かつてすごしたという点だ。外国の言いなりに日本の在り様をいとも容易に変えてしまうその性癖は、いま往年の中国への憧れから、形を変えて欧米諸国へ向けられているのではないか。欧米社会の在り様を日本の社会通念や歴史を置き去りにしてそのまま受け容れようとしているのが現在のわが国ではないか。

すなわちLGBT理解増進法のことだ。わが国にこんな法律は全く必要がないにも拘わらず、欧米諸国がそのことを論じるからといって、彼らでさえも行きすぎた法制化の見直しに入っており、多くの日本国民が強く反対したにも拘わらず、岸田文雄首相はさっさと法制化した。日本国の歴史や価値観についての自覚が余りに足りないからであろう。

しかし、松浦氏は指摘する。後期水戸学に始まり明治維新へと続く歴史の中で、わが国は立派に日本国の基盤を取り戻した、800年間も忘れられていた神武天皇の存在が再認識され、わが国は国の始まりを意識し本来の国柄に立ち戻った、と。800年の時を経て見事によみがえった日本は「何とも不思議な底力をもっている」と氏は書いた。

敗戦から約80年、わが国は再び日本国のはじまり、国柄、そのすばらしさを忘れ去っているのではないか。もう一度、思い出し、本来の姿に立ち戻らなければならない。原点に立ち戻ることは単なる復古ではない。新しい時代に踏み出すこと、つまり維新である。憲法改正、皇位継承の安定化、教育の正常化。その道は険しいが「何とも不思議な底力」を再び発揮する局面だ。現状に不平不満を言うだけのつまらない人間であってはならない。一人一人、やるべきことがある。そのことを心に刻みたいと思わせる二冊の著書だった。



スリナムの大統領が訪中し、習近平が面会    金鉱山を中国は買収し、港湾整備に6・7億ドルを投下

2024-04-13 15:14:50 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和六年(2024)4月13日(土曜日)
         通巻第8214号  
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 スリナムの大統領が訪中し、習近平が面会
   金鉱山を中国は買収し、港湾整備に6・7億ドルを投下
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 北京は外交ラッシュの季節。イエーレン財務長官と入れ替わりにラブロブ露外相、そのまえにはブラボォ次期インドネシア大統領、王毅外相は椅子を暖める時間もない。
 4月12日、中国を公式訪問中のスリナムのサントーキ大統領が、北京で習近平と固い握手、『今後も両国の戦略的パートー湿布を強化したい』と述べた。

 スリナム?  聞いたことありますか?
 ベネズエラの東へ、ガイアナ、そのとなり、オランダ領ギニアの西半分が独立した。
人口わずか60万、優秀な人材はオランダや米国に去った。オランダのサッカーチームなどはスリナム出身の選手が目立つ。カリブ海に面し、北の島嶼国家はトリニダートトバコだ。

 かつて筆者、貿易会社をやっていた頃、このスリナムにラジオ局セットを輸出したことがある。地元ラジオ局は日本製の僅かなセットで放送しているんだろうなぁ。

 さてスリナムの特徴というのは、原住民が少数派、労働移民が奨励された時代に、インド、中国、インドネシアから夥しい労働者が入ってきた。その末裔たちが多数派となり、とくにインド系が30%近い、中国系が人口の10%(日本の外務省は2%としていているが。。)中国とは縁が深いのだ。

 中国の狙いは何か? ズバリ金鉱山だ。ローズベル金鉱山を中国の紫金鉱業が467億円でカナダのアイアンゴールド社から買収した。スリナムの港湾整備プロジェクトにも6億7000万ドルを投下している。
 4月12日、金価格は史上空前の2400ドルを突破した。スリナムの輸出産業の筆頭は金である。

不法移民の扱いでアメリカは分裂している   テキサス国境に不法移民逮捕の州兵基地を建設

2024-04-13 15:13:15 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和六年(2024)4月12日(金曜日)
         通巻第8213号  
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 不法移民の扱いでアメリカは分裂している
  テキサス国境に不法移民逮捕の州兵基地を建設
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テキサス州につづいて、アイオワ州のキム・レイノルズ知事は「国外追放または入国拒否を受けた人々を『犯罪』とする法案」に署名した。不法移民に最長2年の懲役刑を科する。
 レイノルズ知事は「バイデン大統領が国境警備を無視しているため、アイオワ州が強化してその穴を埋めることが不可欠になった」と声明をだした。

「バイデン政権は我が国の移民法の施行に失敗し、アイオワ州人の保護と安全を危険にさらしている。不法入国者は法律を犯しているのに、バイデンは彼らの強制送還を拒否している」

すでに23年12月に、テキサス州のグレッグ・アボット知事が「不法入国を国家犯罪とする法律」に署名している。不法入境はの軽犯罪の範疇でしかなく、現行法では最高 6 か月の懲役。これを再犯者には 2年から20年の懲役刑を科す内容である。

 アイオワ州を含む南部13州は、不法移民を排除し、とくに人身場売買、密輸業者や麻薬密売業者を逮捕することを目的に州兵をテキサス州に派遣している。
 まさにシン南北戦争の様相である。

くわえてテキサス州は国境のイーグルパスに「前線作戦基地イーグル」の建設を開始した。この基地は合計1800人の州兵を収容し、 700席のダイニング施設、トレーニング器具、レクリエーションセンターとランドリー、車両整備と武器保管使節ならびにヘリポートが造成された。
カリフォルニア州はこうした動きに真逆の立場をとっているため、今後もカリフォルニア州への密入国が増える可能性がある。

中国共産党の馬英九評価は、「利用価値の高いイディオット」(役に立つ馬鹿)    馬英九(元台湾総統)が習近平と北京で会談

2024-04-13 15:09:56 | 日記
 「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和六年(2024)4月11日(木曜日)
         通巻第8212号  
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 中国共産党の馬英九評価は、「利用価値の高いイディオット」(役に立つ馬鹿)
   馬英九(元台湾総統)が習近平と北京で会談
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 4月1日から中国を訪問していた馬英九(元台湾総統)は、広州から西安を巡り、北京に入るとまっさきに盧溝橋にある「反日記念館」を訪問した。北京大学も訪問し、引率した台湾の学生たちと「親善の旅」を続けた。

 習近平との会談は当初、4月8日に予定されていた。急遽、10日に延期された理由は単純明快、日米首脳会談の直前にぶつける演出である。

 馬英九は前回の会談で習を「さん」づけで呼んだが、こんどは「主席」と呼びかけた。会談では「92年合意」の尊重、「お互いが中華民族」であり、いずれ「統一」を目ざすなど。また習は国民党主席の朱立倫の訪中を呼びかけたという。

 第一に「92年合意」なるものは存在しない。李登輝総統が現職時代であり、李総統自身が「そんな合意はない」と断言している。
 所謂『92年合意』とは中国の王道函と台湾の辜振甫が合意したとされるもので、内容は「台湾と大陸はひとつ、国民は統合され、台湾独立には反対」などとされたが、台湾政府は公式とは認めていないし、多くの政治学者はフェイクとする。

 第二に「同じ中華民族」というのは間違いであり、文化人類学駅に「中華民族」なるものは存在しない。孫文あたりが言い出した架空の物語である。台湾人は台湾人である。外省人の一部がまだ「中国人」と認識しているが、本省人からすれば「外来政権の残党」でしかない。

 第三に馬英九の本当の目的は何なのか。台湾経済界と中国とのビジネス関係は深くその利権を連戦(元副総統、国民党名誉主席)が持っていたが、禅譲を受けた。
筆者は総統就任直前に馬英九とインタビューしているが「わたしはトラブルメーカーにはならない。ピースメーカーを目ざす」と勢いよく語っていた。このインタビュー記事は当時の『週刊朝日』に書いた。このモチーフはかわらず、馬英九は十日間に亘った中国旅行を『平和の旅』だと強調した。

 第四に米国は明らかに台湾擁護、中国敵視である。台湾への武器供与も加速度的に増加し、米軍が台湾兵を訓練している現実と、その対極にある「習v馬会談」は、おそろしく現実離れしている。

 第五に台湾の政治情勢がからむ。1月の選挙では国民党が第一党に返り咲き、議長は韓国瑜となった。かれは親中派のチャンピオンである。
台湾国会のねじれという情勢をみて習は台湾政治を掻きあらせると判断したのだ。

かくして中国共産党にとって馬英九は、「利用価値の高いイディオット」(役に立つ馬鹿)として手のひらで弄ばれたのである。


♪ なぜ巷では「愛子天皇」が待望されているのか  歴史と伝統を知らない「大衆の反逆」(オルテガ)?   あるいは国家破壊を狙うグローバリストらの策謀なのか?

2024-04-13 15:07:12 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和六年(2024)4月11日(木曜日)
         号外  
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なぜ巷では「愛子天皇」が待望されているのか
 歴史と伝統を知らない「大衆の反逆」(オルテガ)?
  あるいは国家破壊を狙うグローバリストらの策謀なのか?

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 女帝には女性天皇と女系天皇の区別がある
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野望に燃えた親中派=藤原仲麻呂の乱、淳仁天皇が廃され淡路に配流、道鏡が法王になる、宇佐八幡ニセ神託事件、和気清麻呂が穢麻呂(きたなまろ)に改名され大隅に流罪、称徳崩御、道鏡は左遷され下野で没す。吉備真備、後継天皇指名で藤原百川等の陰謀に敗れる。
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