「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)12月22日(水曜日)
通巻7164号
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AUKUSに対応か、中国がASEANに非核地帯を再提言
アジアで影響力増大を謀り、AUKUSを封じ込める戦略か?
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米国のインド太平洋重視への転換は、日米印豪・四カ国のクアッドを形成し、これをアジア全体を巻き込んでのアジア版NATOへと昇華させるという計画を含めている。
同時にAUKUS(豪英米)は、その一環として構想され、豪に最新鋭原潜が十年以内に配備される計画が明かされた。
中国は慌てた。配備している核戦力の見直しを余儀なくされるからだ。
しかしアジアも大揺れに揺れた。
まずはインドである。インドは長年に亘ってパキスタンと中国に敵対し、そのための遠交近攻策がソ連時代からの軍事同盟、最近もプーチンがわざわざニューデリーへ跳んでモディ首相と抱き合った。
この光景はいたく米国を失望させた。
ASEANはもとより軍事同盟ではなく、経済的結束が前面に出てきたが、ラオス、カンボジアが中国寄りに陥落し、ブルネイ、フィリピンも親中路線が鮮明である。
そこへもってきて、昨今はミャンマーが中国寄りに路線転換。日和見のタイ、マレーシア、シンガポールとなると、強く反中路線を打ち出すのはベトナムとインドネシアくらいである。
中国は、この米国外交の不在、もしくは脆弱なASEANに異様な接近をみせており、マスク外交、ワクチン外交、そしてシルクロード挫折をモロトモセズに、再びのプロジェクト強化、経済支援を展開しながら、「アジアを非核地帯に」と綺麗事を並べての再接近を図りだした。
中国の意図はいったん失ったアジアでの影響力増大を謀り、AUKUSを封じ込める戦略だろう。
令和三年(2021)12月22日(水曜日)
通巻7164号
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AUKUSに対応か、中国がASEANに非核地帯を再提言
アジアで影響力増大を謀り、AUKUSを封じ込める戦略か?
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米国のインド太平洋重視への転換は、日米印豪・四カ国のクアッドを形成し、これをアジア全体を巻き込んでのアジア版NATOへと昇華させるという計画を含めている。
同時にAUKUS(豪英米)は、その一環として構想され、豪に最新鋭原潜が十年以内に配備される計画が明かされた。
中国は慌てた。配備している核戦力の見直しを余儀なくされるからだ。
しかしアジアも大揺れに揺れた。
まずはインドである。インドは長年に亘ってパキスタンと中国に敵対し、そのための遠交近攻策がソ連時代からの軍事同盟、最近もプーチンがわざわざニューデリーへ跳んでモディ首相と抱き合った。
この光景はいたく米国を失望させた。
ASEANはもとより軍事同盟ではなく、経済的結束が前面に出てきたが、ラオス、カンボジアが中国寄りに陥落し、ブルネイ、フィリピンも親中路線が鮮明である。
そこへもってきて、昨今はミャンマーが中国寄りに路線転換。日和見のタイ、マレーシア、シンガポールとなると、強く反中路線を打ち出すのはベトナムとインドネシアくらいである。
中国は、この米国外交の不在、もしくは脆弱なASEANに異様な接近をみせており、マスク外交、ワクチン外交、そしてシルクロード挫折をモロトモセズに、再びのプロジェクト強化、経済支援を展開しながら、「アジアを非核地帯に」と綺麗事を並べての再接近を図りだした。
中国の意図はいったん失ったアジアでの影響力増大を謀り、AUKUSを封じ込める戦略だろう。
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