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スウェーデン、孔子学院をすべて閉鎖へ   姉妹都市関係も解消、中国と絶縁

2020-06-28 15:12:32 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和2年(2020)6月26日(金曜日)弐
       通巻第6557号
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 スウェーデン、孔子学院をすべて閉鎖へ
  姉妹都市関係も解消、中国と絶縁
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 スウェーデンは武漢コロナ禍に対して、マスク着用を義務づけず、カフェもオープン、都市封鎖を行わなかった唯一の国である。集団抗体を目指したわけだが、残念ながら、この方針は裏目にでた。感染が増えてしまい、6月26日現在、感染者63890名、死者は5230名になった。

 スウェーデンは産業に乏しく、イケアは世界的家具メーカーだが、国民車を代表したボルボは中国の札束の雨に、吉林汽車傘下になった。電子、スマホのエリクソンがかろうじて生き残るが、EU市場域内においてすら中国勢におされ気味である。
 もともと日本より広い国土を持つが、人口は一千万弱しかおらず、首都ストックホルムの人口も百万に達しない。

 しかしスウェーデンの誇りはノーベル賞である。平和賞のみノルウェイで授与式が行われるが、ダライラマ、劉暁波が受賞したときはノルウェイばかりか中国はスウェーデンへの報復を行い、スウェーデン国民に怒りが蓄積していた。

 スウェーデン政府は、国内八ケ所の孔子学院を閉鎖するとし、米国、印度、豪などの列に加わった。付随的に中国の諸都市との姉妹都市関係も解消するとした。

 背景にあるのはEU全域に於ける中国への反感に便乗したことだろうが、EU主要国はファーウェイ排斥にまでは踏み込めず、独仏は米国の強い要請にも背を向けた。
かのジョージ・ソロスさえ、EUの優柔不断に立腹し、「自由を抑圧し、人権を無視する中国のファーウェイは断固排斥すべきであり、EUは、ノキアとエリクソンの地上局に転換せよ」とした。

 英国は長い熟慮の末、ファーウェイ排斥を決定し、地上局設備をノキアとエリクソンならびに日本のNECに切り替える決断を示した。投資は一からやり直しとなるが、米国と同様に中国の香港への介入に我慢の限界を超えたのだ。
中国共産党が準備している「香港安全法」は、1984年の英国との固い約束である「中英合意」を踏みにじるからだ。

 さて、スウェーデンの決断の本当の動機は、孔子学院におけるスパイ活動規制という表向きに理由よりも、自国のエリクソンを守り、EU内でのマーケットを確保し、中国のファーウェイとの競合を優位にするためではないのか。

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