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鍛冶俊樹の軍事ジャーナル (2022年2月17日号) *ウクライナの茶番劇

2022-02-18 12:00:36 | 日記
鍛冶俊樹の軍事ジャーナル
(2022年2月17日号)
*ウクライナの茶番劇
 2014年にロシアがウクライナのクリミア半島に軍事侵攻し、さらにウクライナ東部2州を軍事勢力下に置いたとき、欧米の反応は冷ややかなものだった。ウクライナは旧ソ連領であり、ソ連崩壊後もロシアの覇権下にあった。欧米は旧ソ連圏の紛争に巻き込まれたくなかったのである。
 だから2019年に元喜劇役者のゼレンスキーがウクライナ大統領に選出されると一様に歓迎の意を示した。ゼレンスキーはロシアとの話し合いを主張する親露派だったからである。欧米はウクライナがロシアと仲良くやって、余計な波風を立ててもらいたくなかったのである。

 ところがウクライナ国内におけるロシアへの反発は根強く、ゼレンスキーは対話路線を修正せざるをえなくなった。元喜劇役者だから受けを狙って豹変するなどお手の物。かつての親露派は反露派に衣替えし、ロシアと対話どころか東部2州で軍事挑発をし始めた。
 対するロシアは「ウクライナが軍事挑発を続けるなら本格的に侵攻するぞ」とウクライナ国境付近にロシア軍を集結させた。困ったのは欧米で、旧ソ連圏の内紛に巻き込まれたくはないが、ロシアの侵攻を容認する訳にもいかない。だからロシアが侵攻しても経済制裁だけだと、中途半端な対応なのだ。

 要するにゼレンスキーが対話路線を放棄したのが問題なので、彼を対話路線に何とか連れ戻せないかと欧米各国とロシアが密談を始めた。そこで出てきたのが、この問題とは無縁で涼しい顔をしている日本を巻き込む陰謀である。
 7日に駐日米大使のエマニュエルがツイッターに「北方領土問題では米国は日本を支持している」と言う趣旨をつぶやいた。だが「甘い言葉にご用心」とはよく言ったもので、二日後にエマニュエルは途方もない要求を日本に突き付けた。

 もしロシアが侵攻を開始すれば、欧米はロシアに経済制裁し、対するロシアは欧州への天然ガスの供給を止めるから、日本が備蓄している天然ガスを欧州に回せと言うのである。G7の手前、日本が断れるはずもなく、日本は無縁だったはずのウクライナ問題のいつのまにか当事国になってしまった。
 だが事はここに留まらない。ここからが欧米の外交の本領発揮である。15日に岸田総理はゼレンスキー大統領に電話し1億ドルの資金提供を申し出た。円換算で115億円は国際支援としては大きな額ではないが、ゼレンスキーが豹変劇を演ずるギャラとしては十分だろう。
 1億ドルあれば、ウクライナ国民を裏切って亡命することになっても安楽に暮らしていける。悲劇で始まったウクライナ問題だが、最後は喜劇で幕を閉じるか?


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